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偽物?レプリカ?WrapNFTの可能性

※この記事は2023年7月27日に公開されたものです。

こんにちは!Gussanです

本日は、Cryptoでたびたび登場するWrapという概念をNFTに適用することの可能性を考えていきます。Wrapは主にERC20で登場する概念ですが、最近のNFTに対する考えからNFTのWrapにも何か可能性があるのでは?と思い始め、今回は雑記的に書き連ねていきます。


Wrapされたトークン Wrapped tokenとは何か

Wrapped tokenとは、あるアセットを1対1で交換できる形で発行されるトークンです。有名なWrapped tokenの一つとして、wBTCが挙げられます。BTCはご存じビットコインですが、BTCはEthereumのチェーンで発行されていません。そんなBTCをEthereumチェーン上で取り扱えるようなトークンになっており、1wBTC = 1BTCの価値の裏付けがされています。このように特定のチェーンで発行したトークンを別のチェーンに移動させるために使用されます。

また、Openseaで取り扱われるwETHは、ネイティブトークンであるETHをwrapしたものですが、これはチェーンを移動しているのではありません。ETHとWETHは、トークンが発行される技術的なレイヤーが異なるため、ETHをERC20のような振る舞いに統一化させる場合、WETHを発行するようになります。(技術的な話は専門ではないので特記しません)

こちらも先ほどのBTCとwBTCの関係と同じように同一の比率で交換することができます。

トークンをWrapすることで別の可能性を生み出すという事例にBlueがあります。Blueは先日記事にしているので読んでみてください。

とても簡単に説明すると、KYCをしたウォレット間でしかやりとりができないトークンを元のトークンをWrapして発行するというものです。なのでUSDCであれば、USDC.safeというトークンを発行することでKYCを通したユーザー同士でしか取引が行えません。

Wrapトークンの中で特段素晴らしい使い方だと関心しています。

NFTにおけるWrapという概念

NFTにおいてWrapはどのような意味を持つのでしょうか?

例えば一つのユースケースにNFTのレンタルがあります。自分の会社がローンチしたRentaFiは、NFTをレンタルする際にオリジナルのNFTをロックして本物の存在を担保した状態でWrapしたNFTを発行します。WrapしたNFTとオリジナルのNFTのコントラクトは、全くの別物なのでWrapしていても全く別のNFTとして判定されます。

そのためWrapしたNFTは本物のNFTのように振る舞いませんので、例えばオリジナルのNFTがゲームで使えるアイテムだった時、WrapしたNFTを使ってゲームをしようとしても使えません。なので、ゲームの開発元にWrapしたNFTを本物のように扱ってほしいという技術対応をお願いすることになります。

そのNFTでしかできないことをすると上記のようになります。

NFTをWrapして何に可能性があるのか

以前、僕の記事でNFTはコミュニケーションツールであると書きました。基本的にこの主張に変わりはありません。今後、NFTの業界では、この思想に則ったプロジェクトが登場してくると思います。

この思想に準えるとWrapしたNFTの閉じた可能性というものが開花します。なぜなら、今後のNFTの価値はネットワークだからです。ネットワークに価値がある場合、先ほどあげた技術対応のような課題は度外視になります。もちろん、発行されるNFTとコントラクトは違うので技術対応が必要なのは間違いありませんが、そのようなNFTはゲームに価値があります。なのでゲームができなくなれば価値は減衰していきます。

例えばゴッホのひまわりがあった時に、そのアートワークのレプリカに価値はないと言えるでしょうか?少なからず、0ではありません。なぜならそのアートワークは著名でみんなが知っているというネットワークがあるからです。むしろレプリカは本物の価値を上げるPR道具にすらなり得ます。

ゴッホのひまわり

Wrapという概念とは少し違いますが、Homageというサービスがあります。Homageについてはイーサリアムnaviの記事に詳細がありますのでぜひ読んでみてください。

これはremintと呼ばれるコピーしたNFTを発行できるサービスで、発行にかかったフィーの一部はクリエイターに還元されます。remintをすることで元のNFTは参照されるNFTが増えるので参照数という新たな評価軸が登場します。

また、先ほどのBlueのNFTバージョンの可能性もあります。例えば不動産の一室の利用権のようなNFTを発行する場合、KYCを行ったユーザーにのみ利用ができるセーフティゾーンを設けることができます。KYCだけでなく特定のNFTやSBTを保有しているユーザーでしかやり取りができないNFTの発行などの応用もできます。

おわりに

まず、Wrapはオリジナルを担保した別のトークンになります。Wrapすることでチェーンを擬似的に移動させたり、ネイティブトークンの振る舞いを規格に合わせたりという使い方ができます。

現状、NFTのWrapは、ユーティリティを持たせる方がメインなのでWrapトークンの技術的対応が必要ということもあって、あまりユースケースはありません。

正直、意外と文字に起こしたら、なんとなく面白いものができる気がするという感じになってしまいました。ただ、NFTの価値=ネットワークの価値になった時に、ネットワークを拡大させる手法としてWrapの存在がキーになる気がしています。

Twitter: 0xguss3

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