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なぜ、島田慎二は千葉ジェッツの会長でありながらライジングゼファー福岡のクラブ経営アドバイザーに就任するのか?

本日2019年11月22日、島田慎二はライジングゼファー福岡のクラブ経営アドバイザーに就任しました。今回のnoteでは、就任にあたっての経緯、そして私の想いをお伝えします。

クラブ経営アドバイザーとは

以前から私がBクラブに対して行っていた経営セミナー"島田塾"の発展版のような役職がクラブ経営アドバイザーです。島田塾ではどのクラブにも広く役立つ経営ノウハウを伝えてきましたが、クラブ経営アドバイザーは依頼されたクラブのニーズを深く把握し、適切な経営計画を提案し、都度アドバイス・提案を行っていくという役職です。私はあくまでも"アドバイザー"であり、実際に経営を行うのは藤野社長以下ライジングゼファーの経営陣です。

クラブ経営アドバイザー就任にあたり、千葉ジェッツふなばしの会長を辞するということはありません。つまり私は千葉ジェッツの会長でありながら、Bリーグの別クラブであるライジングゼファー福岡のアドバイザーに就くということになります。

B1とB2でカテゴリが違うとはいえ、ジェッツとライジングゼファーで利益相反になる場合もあるだろうとバスケファンの方々が疑念を持たれるのはごもっともです。「利益相反が全く無いか?」と問われれば、「そういう場面も全くないとは言えない」とお答えします。

どちらかの経営の根幹に関わったり、とてつもなく大きな不利益を与える、企業倫理上明らかな利益相反行為は当然起こらないし、起こしません。厳密には、私のスケジュールが片方に取られてしまうことが片方の利益を損なうなどと言えるかもしれませんが、そんなものは些細なことです。

ライジングゼファー再建は、Bリーグ成長のためのミッション

"クラブの成長なくしてリーグの成長なし"この言葉を私はたびたび口にしています。Bリーグが今後成長していくためには、それぞれのクラブが成長しなければいけない。Bリーグ全体を見ることが、イコール最適な成長戦略というわけではないのです。
(このあたりについては以前、Bリーグの発展にB2の成長が必要な訳というnoteを書きました)

先日、Bリーグは2020年以降に向けての中長期計画を発表しました。(B.LEAGUE BEYOND 2020)売上高、観客数、試合が行われるアリーナのハードソフト面など、Bクラブに求められる基準は段階的に引き上げられます。これは今後Bリーグがさらに成長していくために必要なハードルです。

にもかかわらず、現在新基準を満たしている・すぐに満たせそうなクラブは2つないし3つしかありません。新基準にアジャストしているクラブを増やすことは、Bリーグ全体の課題なのです。

そんな中、島田塾の実績を買われ、大河チェアマンからBリーグクラブ経営アドバイザーの就任依頼を受けました。そして、現在最も経営アドバイザーを必要としているクラブがライジングゼファー福岡でした。

まだまだ安定したとは言えないライジングゼファーの経営をサポートすることは急務であると私自身も考え、今回のアドバイザー就任に至ったのです。

島田慎二はライジングゼファーの経営を安定させられるのか?

むろん、可能だと思ったからアドバイザーに就任しました。

クラブ経営にはその土地ごとの適したやり方があります。人口、経済規模、文化、気候、交通網……全く同じ土地は二つありませんから。しかしビジネスとしての共通項をきちんと押さえれば、再現性が高いアプローチが可能であり、そのためのアドバイスをするのが私の役目です。

クラブの理念を見つめ直し、魅力的なチームを作り、社員のモチベーションを上げ、ファン・ブースターを増やし、全員で一丸となる。これらが必要なのは日本全国、どこのクラブでも変わりません。

福岡においてバスケットボールは部活動・ミニバスが盛んで、バスケ王国と言われても違和感がないほどです。しかしプロバスケットクラブの経営だけが苦しいという歴史が続いてきました。「福岡という土地は難しい」とまことしやかに言われているのは事実ではあるのでしょう。

だからといってライジングゼファー再建が難しいとは全く思いません。もちろん簡単なミッションではありませんから、全身全霊を持って臨みます。難攻不落の福岡プロバスケを盛り上げることは、日本バスケ、日本スポーツ界に貢献することにもなるのですから。

Bリーグの全体幸福という大義のため動くのは、初めてではない

今回のクラブ経営アドバイザー就任にあたり、思い返される大きな出来事が2つあります。

2013年、千葉ジェッツは当時のbjリーグからNBLへと"移籍"しました。社長として、ジェッツに様々なメリットをもたらすことができると考えてのチャレンジでしたが、2つの国内バスケットボールトップリーグを1つに統合するための架け橋になるという目的もあったのです。

そしてもう一つ、2017年に千葉ジェッツの社長とBリーグのバイスチェアマン(副理事長)を兼務するという決断をしました。それまでも私は島田塾と称してBリーグ各クラブに経営のノウハウを伝えていましたが、さらにリーグ全体を成長させるために尽力するための兼務です。
バイスチェアマンという立場を利用して、ジェッツに有利な状況を作るのではないか」逆に「バイスチェアマンという立場から、ジェッツに不利なことも受け入れなければいけなくなるのではないか」と言われることもありましたが、リーグの成長に必要な兼務であったと考えます。

どちらも"私にしかできないこと"であり、"そのときやらなければいけないこと"(ジェッツの経営から離れた後にやればいいや、というわけにはいかない)でした。賛否やさまざまな意見はありましたが、どちらもチャレンジして本当によかったと思っています。

バイスチェアマンの任命も、クラブ経営アドバイザーの要請も、なんとしてもBリーグを成長させるのだという大河チェアマンの熱い想いに応えたかった部分も大きいです。そして、兼務などしなくても、私以外に適任者がいればその人に任せればいいだけの話。兼務のデメリットよりもメリット・必要性の方が断然上回るのだから、私がやるしかないという気持ちです。

そして大局的に見れば、福岡プロバスケが盛り上がらず、Bリーグの中長期計画にマイナスの影響が生まれることは、やがてジェッツにも不利益をもたらすのです。「大義」というものを人質にしてジェッツを蔑ろにしているわけではなく、間接的にジェッツにも恩恵をもたらすはずです。

また、言うまでもありませんが私自身が目立ちたいからとこういう賛否が起こることをやっているとか、儲けたいからやたら役職を増やしているとか、そういったこともありません。やるべきことを、やるべきときに、やるべき私がやる。それだけのことなのです。Bリーグの未来のため、自分のできることをしっかりとやっていきます。私の身体が許す限りではありますが、他にも私を必要とするクラブの要請があれば応じていくつもりです。


長くなりましたが、これがライジングゼファー福岡のクラブ経営アドバイザー就任にあたる私の想いです。賛同できない、納得できないという方もいるかと思いますが、それはもう結果を見てくださいとしか言えません。しっかりと結果を出すことが私にできることです。頑張ります。

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