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PERACON2022 振り返りと自己分析

CEDEC2022で行われた"PERACON2022"(以下:ペラコン)に初挑戦しました。
結果は、非常に嬉しいことに1位をいただきました。
審査員の皆様、一般投票で票を入れていただいた皆様に感謝申し上げます。

この記事では、今回のペラコンに挑むにあたって
企画完成までの振り返りや、順位についての自己分析を記します。

今回提出した『THE SHOJING(ショウジング)』

ペラコンとは?

PERACONこと「ペラ企画コンテスト」は、事前に設定されたテーマに沿った企画コンセプトをA4用紙1枚(相当サイズの画像)にまとめて競う、誰でも参加できる「コンセプトシートコンテスト」です。

https://peracon.cesa.or.jp/2022/
PERACON WEB

テーマ『突破!』

今年のペラコンのテーマは『突破!』でした。
テーマをそのまま解釈するか、とんちを効かせた解釈にするかをまず悩むと思います。私は初参加ということで、とんちを有効活用する自信がありませんでした。
よって、直球で『突破!』感のある企画を考えることにしました。
とんちが効いたテーマ解釈で上位に入るのはカッコ良いと思います。
しかし私は臆病なので、とんちが通じなかった時の損失の方を考えてしまいます。

テーマからの連想

まず思い浮かんだのは、もじもじくんの『脳カベ』でした。
恐らく、多くの参加者の方も同じ発想をしたと思います。
流石にそのまんま出すわけにはいかないと思い、脳カベとは逆に
"壁にぶつかるゲーム"はどうだろうと考えました。
ぶつかりつつ、『突破!』した時に気持ち良いモチーフは何か?
と考え、"障子"というモチーフに至りました。
幼少期、祖父母の家にあった障子を出来心で破ったことがあります。
当然怒られましたが、破壊衝動に駆られる快感を幼心ながら得たことを記憶しています。

操作キャラの選定

障子を破るゲームとはいえ、指で破るだけでは『突破!』感はありません。
かといって全身でぶつかるのは流石に頭がおかしいですし、木の枠にぶつかって痛そうです。
人間ではなく、障子を破り得る存在。すぐに猫が思い浮かびました。
ちょうど『Stray』という猫が主人公のゲームが流行しているのもあり、
トレンドに乗るという意味でも、プレイヤーは猫にしようと決めました。
企画書の猫が茶トラっぽい色をしているのも『Stray』繋がりです。
猫の大きさならば、障子に飛び込んで『突破!』するビジョンも浮かびますし、何より可愛くなりそうです。障子を破るという"行儀の悪さ"を和らげることもできるかなと思いました。

タイトル

普段から企画を考える際はタイトルから考えます。
後から考える人もいるとは思いますが、私は以前の職場で
2Dアクションゲームのレベルデザイン研修を受けた際、
「まずはコースの名前を決める」と教わりました。
コース名がそのコースのコンセプトとなるからです。
その経験もあって、タイトルから決めることにしています。

仕事内外問わず、企画のタイトルは映画から拝借することが多いです。
これはただ単に趣味です。
今回は"障子"というモチーフなので、そのまま障子は入れたいと考え
『シャイニング』から拝借し、障子ング→ショウジングとしました。
正直、カッコよくはないのでセンスの良い改変ではないと思います笑

構成

タイトルが決まったので企画書の構成、あるいは下書きに入ります。
ペラコンに着手するちょうど数日前にiPadを買ったので、今回のペラコンはiPadで手描きで作成することを決めていました。
もし手応えを感じたら仕事でも活用しようと思っていたからです。
今回は"Procreate"というお絵描きアプリを使用しました。
まずはレイアウトをざっくりと決め、文章と挿絵の下書きをガシガシと進めました。

この時点では右上の猫ちゃんにお尻の穴が無い

構成ですが、ページ全体を目で追う際の導線がわかりやすいかどうかは重要かもしれませんね。今回の場合は左上→右上→左下→右下のZ型です。

着色、完成

下書きを終え、ペン入れや色塗りを経て企画書が完成しました。
構成は微細な調整のみで下書きからはほぼ変わっていません。

ちなみに女性(家政婦)は忍者の末裔で、分身の術や畳返しの術が使えるという裏設定があります

タイトルを『シャイニング』から拝借したため、タイトル下のイメージも
『シャイニング』のパロディとなっています。
また、各項目は枠で区切り過ぎず、文の後ろに引いているラインの色で
どのカテゴリーの説明かを見分けやすくしました。
枠が多いと、ペラ一枚に対する項目量が多く感じられてしまうかもと思ったからです。あんまりそんなことは無いかもしれませんが。

ギミック例:左の"大の字ポーズ"は個人的に気に入っています。
これにより、障子破りに"失敗・成功・大成功"が生み出せたからです。
この"大成功"が他のギミックにもあればもっと良かったのですが。

「このゲーム性でボスバトルが出来たら面白そうだな~」と思ったのですが
うまくまとめることが出来ず、お爺さんが戸を閉めるギミックで茶を濁しました。障子というモチーフには合っていますが、もう少しワクワクする例をあげたかったですね。

投稿、一般投票

企画書が完成したので、早速投稿しました。
テーマ発表が7/25で、投稿は8/3。28番目でした。
投稿した当初は「これで本当に大丈夫だったのだろうか…」
「本当は良くない企画書なんじゃないだろうか…」と思ったのですが、
ありがたいことにポツポツと一般投票をいただき、
「あ、結構悪くない企画書なのかもしれない」と思い始めました。
評価というのは結局、自分ではなく他人で決まるものなのです。

そして結果発表

CEDECが始まってからは正直ずっと緊張していました。
素晴らしい講演ばかりなので集中しなければならないのですが……。
そして3日目のペラコン結果発表を迎えます。
3位まで呼ばれなかった時は、31位以下もあるかも……と思っていましたが、
結果としては、本当にありがたいことに1位をいただきました。

順位についての自己分析

1位をいただいたとはいえ、2位の方との審査員得点はわずか5点差です。
これに関しては「猫だったから」「提出が早かったから」程度の点差だと思っています。
前述した通り、『突破!』というテーマの解釈としてはかなり素直であり、
「1位はこれだったけど、好きな作品は別」という方は多いのではないかと思います。
しかしながら、「わからなければ、面白さは伝わらない」を信条に
普段から仕事をしている私としては、審査員得点・一般投票ともに
1位をいただけたという事は本当に嬉しく思いますし、これからも
この信条を大切にしていきたいと思いました。

ペラコンに参加してみて

今回、仕事がちょうど落ち着いたタイミングだったというのもあり
初参加したペラコンですが、非常にありがたい結果となりました。
最初は尻込みしていたのですが、やはりチャレンジするのは大事ですね。
今回の結果に決して甘んじることなく、精進していきたいと思います。

個人的な推し作品

57位だった『TOO FAR!』です。
「ファーーーーーー!」と叫びながら、ゴルフボールを跳ばして
建物を破壊し池ポチャをも脱出する……最高です。
他の球技とか、隕石とかも壊してほしいですね。

流れるように自然な宣伝タイム

私がリードプラン・レベルデザインを担当しております
『ハーヴェステラ』(リンク:公式サイト) が11/4に発売されます。
頑張ってチームのみんなで作りました。
大変でしたが、とっても楽しかったです。
ひとりでも多くの方に遊んでいただけますと幸いです!


最後に

私は犬派です。

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