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乳がんになって入院手術した話-1(発見と病院探し編)

こんにちは。清水です。
突然ですが、実は乳がんになり10月は手術入院してました。
私の乳がんは、ステージ0で非浸潤ガンという、完治を目指せる極めて幸運な早期の発見でした。

ダイジェストでお話しすると5泊の入院で手術して、今は退院してオンラインでの仕事をゆるゆる再開しています。まだ今後の治療方針は出てませんが、おそらく通院での治療になりそうです。また治療は激しい副作用を伴うものではなく、日常生活と仕事と両立して行えるとのことです。

突然のことでびっくりした方もいるかもしれませんが、今後も今まで通りに、ビジュアリゼーションの可能性について仕事や研究で探求していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

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病気のことは公表するかどうか迷ったのですが、セルフチェックを行い、違和感を感じた時に何の迷いもなく診察へ行く行動に踏み切れたことは、今までの先人達の乳がん予防啓蒙活動の上に成り立ってると感じたので、私もその歴史の一部として、誰かの助けになればと思い、公表することにしました。

乳がんはひとつの病気ではなく様々な症状と治療があるのはもちろん、その人のライフステージによって感じ方考え方が全く違う病気なので、私の例が全てではありませんが、ひとつの事例として参考になれば嬉しいです。

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2020年7月7日
結婚記念日だけどお互い忙しかったので、楽しみは週末に持ち越し、締め切りある仕事を行ってた。全然終わらないので、明け方まで作業。明け方4時くらいに左の胸に痒みを感じて、触るとニキビのようなものがあった。疲れるとよく体にニキビができるので、慣れている。つぶせそうな感じしたので、潰してしまおうと思ったけど、芯がまだ見つからない。触っていると芯より大きなしこりのようなものが...これは...?

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迷うことなく、乳がんでは?と疑った。手で確認できるしこりがある。私はすぐに検査できる病院を調べて、予約した。すごく不安だったが、乳がんの進行は遅いため、1週間くらい放置しても全然大丈夫と情報をみて、ひとまず誰にも言わずに検査までの時間をやり過ごすことにした。

2020年7月16日
都内の病院にて検査。到着した時に、なぜか電気が全部消えてた。節電?ピンクの内装で、私的には落ち着かないインテリアだった。予約通りに、マンモグラフィ、エコー、触診。この3つを行った。すぐに乳がんの疑いアリということで、MRIを撮影しにいった。しっかりした告知とかじゃなくて、立ち話でさくっと事務的な診断。でもなんとなくそうだろうと思ってたので、とりあえず治療の入り口に立ててよかった安心が大きい。

▼とりあえず知識を...と思ってamazonでポチった本▼

ネットを見てると嘘か本当かわからないことが多いので、ひとつちゃんとした教科書をと思って買った本。正解が書いてあるわけじゃないけど、人によって全然違う病気なので、主体的に考えながら決めていくことが大事だということがこの本でわかった。100人の声を事実と感情を織り交ぜながらひとつの本にした豊増さくらさんに感謝、リスペクトです。

2020年7月18日
MRIの撮影結果が出る。が、確実なことはわからずに、診断的には、乳がんの疑いありということ。ただ乳がんだとしてもステージ0の非浸潤ガンで完治の可能性が高いとのこと。しこりのサイズは1.5cmというが、自分で触った感じでは、もう少し大きく感じる。

主治医は、「胸に針をさして、細胞を取る針生検を行えば、癌細胞があるのかどうか確認できるが、針を刺すことで癌細胞が広がるリスクもある。もう日帰り手術ですぐに取ってしまいましょう。手術は局部麻酔で簡単なものです。すぐに取れます。カタチも変わりません。取った後に、取った部分を検査して治療方法を考えていきましょう。一つだけリスクがあるとすれば、5パーセントの確率で良性のしこりです。大きな病院だったら全摘と言われるけれど、私のやり方なら大丈夫。検査の料金でサクッと摘出を行います。」という。

話としては悪くない。仕事も忙しいし、やりたいこともあるので、大事にせずにさっくり済ませたい衝動に駆られる。

しかし、主治医の態度がやや気になる。「あなた若いから、お金も時間もないでしょ?子供も産みたいでしょう?だったら私のいうやり方が一番です!」と言う。

私もう34だし、仕事もかなりしっかりしてるし、余裕がないなんて一言も言っていない。何をみてそう言うのだろうか?悪気はなく彼なりの優しさなんだろうけれど、女性への偏見を強く感じた。

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一旦考える時間をもらう。病院の帰り道に母親に相談。「面倒臭いから切っちゃおうと思うけどどう思う?」すると面倒くさがり屋の母なので秒で賛同するかと思ったら「それでもいいと思うけど、はっきりした検査なしに、自分は乳がんじゃないのに切るのもどうなんだ?あとリスクがなくて、話が上手すぎない?」との視点をもらう。夫に相談。「早く見つかってよかったね、良い治療を考えよう」と言ってもらう。


2020年7月19日
母親が医療関係の仕事してる弟に相談。情報が錯綜して話がややこしくなってきたので、母、弟、夫、3人の相談メッセンジャーを作って、聞いたこと思ったこと各自調べたことをシェアして、意思決定していくことにした。

▼相談メッセンジャーで、情報をやり取りして、リテラシーを高める様子▼

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▼色々情報を集めて現状の選択をまとめてみるなど▼

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2020年7月20日
色々考えた末に、人の話を聞かずに見かけと属性だけで決めつける医者が、特に何のファクトもなく1人で勘と経験で進める治療は怖いと思った。もしかしたら野生の勘が優れてる名医なのかもしれないが、不信感を抱いたままに、その可能性に掛ける義理と理由は特にないので、普通にセカンドオピニオンを受けることにした。

▼その時の雑な戦略メモ▼

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MRIのデータと紹介状をもらうために電話すると、看護師さんに凄く嫌な雰囲気で、怖い...。送るのに10日かかると言う。早く検査したいのに、10日は困るが、送付をお願いする。

電話を切ったあとすぐに今度は看護師さんではなく、主治医から電凸。
「私のところで切れば、傷口も綺麗に治せるのになぜ?針を刺すことで癌細胞が広がるリスクもあるのにどうして?大きな病院では全摘出を言われるに決まってる。あなたのためにならない。話聞いてた?」という内容を早口で言われる。

すごい必死だ。私がいなくなると今月の家賃がヤバいのか?と想像させるくらいの引き止めっぷりだった。確かに小さくすぐに終わらせたい気持ちはあるけれど、病気を過小評価することで何倍も面倒臭いことになるリスクを私は考えての行動だったので、強く出る。

一通り話したあとに、針生検をしないと約束するなら、MRIと紹介状を書くから明日取りに来てとのこと。(そんな約束はできないけれど)
さっきは10日かかると言ってたのに、すごいな!とりあえずよかった!

※針生検でがん細胞が身体中にばらまかれてしまうという主張について、色々調べたけれど、私は下記の意見を受け止めました。

 Q  / 針生検の結果、乳がんと診断され、「早く手術しないと針を刺したところからがん細胞が身体中にばらまかれてしまうよ!」と言われましたが本当ですか?
A / 乳がん国際ガイドラインもこう言っています。「細胞診や針生検をしたことによってがん細胞がばらまかれたという報告はありません」
「早くしないとがんが散らばる」と言って入院や手術を急がせる医師は、患者さんからセカンドオピニオン(他の医師の意見)を受ける機会を奪って、逃がさないためにこう言っているのです。 入院をせかされたら「その前にセカンドオピニオンを受けたいので協力していただけますか?」と言いましょう。
https://www.saiken.info/index1.html

こんなことってあるのか...? 怖すぎますが、電話の態度や様子がおかしかったので、そういうこともあるのだろう...と割り切って、冷静な判断ができるようセカンドオピニオンを受けにいくことに。

2020年7月21日
MRIのデータと紹介状を取りにいく。何か色々嫌味を言われる。もう少しうまい言い方すれば、私も信用するのになぁ..。私ならこう言うのになぁ..。と、怒りを超えて、逆にその病院の営業方針が心配になってきた。

2020年7月22日
MRIのデータと紹介状を手に入れた旨を伝えて、自宅から近い大学病院を予約。大学病院は予約が取れないで1ヶ月半待ち!と聞いてたけど、10日後の予約。

2020年7月31日
今まで大学病院の知識としてはブラックジャックによろしく白い巨塔だけだったので、大学病院への印象は凄く悪かった。しかし私の行ったところは、病院の空間デザイン、サイン設計、待合室、働く人の雰囲気、凄く最高だった。成田空港のような感じ。爽やかでクリーン。最高のUX。グッドデザインの極み。

乳腺科でみてもらう。紹介状は、患者が書き換えてるなど余分な疑いを防ぐために、封をしたまま見せることが重要とのこと。封がしてあり何が書いてあるかわからなかったのだが、新しい主治医にみてもらうと、なんと「針生検をして悪性のガンだと診断。」と書いてあった。よっぽど針生検をしないで欲しいのはわかるが、私はまだ針生検はしていない。診断方法に嘘を書いてはいかんだろ。その旨もそのまま報告するが、新しい主治医は無表情。よくあることなのかな。これ..。

新しい主治医は針生検をまずは行いどのような状態なのかを検査したいとのこと。これによって良性のしこりの場合もあるし、悪性のものかどうかわかり手術の計画が立てられるとのこと。また全摘出が必要なのか、温存手術ができるのか、さらに乳輪と乳頭が残せるのか。詳細なプランはこの結果次第になるとのこと。

▼その時のイメージ図 / 元サイトはこちら

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また新しい主治医は女性で、胸のことを「お胸」と言い、家事や通勤に関わらず、私には何かしら仕事や社会的役割がある前提で、治療にかかる時間のことを話してくれた。さらにパートナーがいるのか、子供を生む意思があるのか、常識的な決めつけは一切せずに、治療方針の組み立てとして必要な情報として、丁寧に冷静にヒアリングをしてくれた。

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治療を行うプロジェクトメンバーだと考えた時に、態度のひとつひとつが信頼がおけるお医者さんと空間に体を預けたいと思った。勘で1人で進めるお医者さんより、チームでひとつひとつ丁寧に確かめながら治療方法を決めて行ってくれる方が私は安心できるので、こちらの大学病院での治療をすることに決めた。

▼つづく▼


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