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戯曲「riverbed」

78-spirit「カワトナガレル」にて上演致しました戯曲『riverbed』を一部公開いたします。観劇の振り返りとしてお読み頂けると嬉しいです。 下記有料にて全編お読み頂けます。 あらすじ その町は工業で成り立ち、小さな工場が密集しているその区画には、対岸からでは顔が認識できない程の大きな川が流れている。自動車修理工で働く張本は、階段から滑り落ちたその帰り道、大学受験のカンニングが元で高校を退学してからは一度も会っていなかった重田と栗栖と川沿いの土手で再会する。小さな町

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300
    • 初日を迎えて。

      78-spirit「カワトナガレル」にご来場いただきありがとうございます。このご時世に初日を無事に迎えられたのは、俳優チーム、スタッフ、関係者のご配慮の賜物です。また感染予防対策にご協力いただいた観客の皆さまへ感謝いたします。 今回私事により、戯曲提供という形でしか参加できず、演出の手島さんは大変だったかと思います。 そんな感謝の気持ちとは裏腹に、「riverbed」がどのように解釈され、舞台に立ち上がるのか、物語として成立するのだろうかという戯曲への不安が大きく、上演を観る

      • 戯曲「riverbed」と雑記

         あっという間に春が過ぎて、梅雨に入り、着るもので季節を感じるような少し寂しい日々を送っています。友達と遊んで、新しい物を見たり、食べたり、そんな当たり前から一度離れると、その数年前のことが輝く青春のような、もう戻れない遠い日々のような気がするのは何でしょうね。そんなことはないのに。  さて、今日は戯曲について、ここへ書き留めておきたいと思います。長くなりますが、手紙のような気持ちで読んでくれると嬉しいです。  去年、福岡学生演劇祭へ審査員として参加して、出場団体への作品の講

        • 公演を終えて

          『谷間の姫ゆり』の公演が終わりました。公演の準備段階で本当にたくさんの方々に…迷惑に近いくらい、お世話になりました。 すこし振り返りたいと思います。 まず、キャストの目星もつけないまま、私が書きたい事を戯曲を書き、完成した戯曲を大阪在住のA級missinglinkの土橋さんに読んでもらい方言に間違いはないか確認をお願いしました。 そして福岡の演劇仲間にこの役に合う役者を知らないかと助けを求めましたね。その中で14+のヨウ手島さんから福澤さんと、山本さんをご紹介下さり、初めて

        戯曲「riverbed」

          稽古最終日

          今日で稽古も最後となりました。 稽古と言っても、前回変更した部分の確認と、全体の通しでした。 短い稽古期間でしたが、明日の公演に向けてしっかりと準備が出来たと思います。 ぜひお楽しみにご来場ください、お待ちしています。

          稽古最終日

          初通し稽古

          今日は初めての通しをやってみました。演劇関係の先輩方をお招きしていたので、通し後に演出面での指摘と率直な意見を伺えたのは本当に素晴らしい時間でした。 そして、後半の稽古では、指摘されたシーンを大幅に変更しました。役者たちは戸惑って嫌な空気になるだろうと覚悟していましたが、意外なことに変更することを面白がってくれて、すぐに対応してくれたのには驚きましたね。変更したシーンを通してみるととてもしっくりきましたし、この物語が観客にどう届くのかそのイメージが掴めた気持ちです。 明日は

          初通し稽古

          反省からの気づき

          今日は稽古前に方言指導の平埜さんと福澤さんお二人が細やかなイントネーションの確認を長い時間されていまして、お二人がまさに二人三脚で小野寺の基盤を作っている感じですね。 さて、以前にもnoteに書いた対話から生まれるのエネルギーのコントロールの事です。私がそこに介入するのは難しいのではないかと思っていましたが、そうではなく、役に入る前に集中する環境づくりが私の仕事だったと気づきました。限られた稽古時間の中で回数をこなさなければならないと考えていましたが、ただの反復は全く意味が

          反省からの気づき

          確認の作業とは

          今日の稽古は主に確認の作業に費やした日でした。 確認と言うのは、照明音響の流れであったり、立ち位置や、タイミングなどのきっかけですね。体裁を整えると言うんでしょうか。とても重要で大切な事なんですが、分かってはいるんですけどね、正直あまり楽しい作業ではありません。私が演出として決めた体裁は時として役者の実力を抑制してしまうのではないかとも考えたりもします。 言い換えればそれだけ役者を信頼しているからかもしれませんね。その役でそこにいれば不正解はないように思います。 演出として

          確認の作業とは

          スタートライン

          今日は頭から中盤まで通した後、方言の確認、後半のシーンの台詞の擦り合わせの後、立ち稽古と盛り沢山な内容でした。 今日までの稽古は大きな山を登る為の準備だったと改めてそう思います。稽古に入る前に前半を固めなければラストシーンに触れてはいけないのではないか、そんな風に考えていましたが、あながち間違いでは無かったようです。 これからラストシーンに向けての稽古が始まります、第2のスタートを切った印象でしょうか。 稽古終わりに照明の菅本さんと打ち合わせが出来たのも良かったですね。私

          スタートライン

          そこにいること

          今日の稽古は冒頭のシーンから、小道具の扱いに注意しながらの稽古でした。 役者がそこにいる難しさ、つまりただそこにいるのではないことを身体で表現する難しさと、その喜びが共有できたのはとても良かったと思います。 冒頭から中盤のシーンまで固まってきた印象ですね。最後の時間を使って方言の確認ができたのも良かったです。 今日は稽古見学がいらっしゃったので、役者たちの緊張感が伺えました。本番前に通し稽古を公開するのもいいなと考えています。今の見立てでは上演時間は60分になると思いま

          そこにいること

          小道具

          今日は使用する小道具を使いながらの稽古でした。小道具の扱い方でまた一つの表現が加わわればと目論んでいましたが、他の部分に気を取られ小道具はただの小道具で終わってしまいました。大きな反省点です。 次回の稽古では小道具の扱いを整理しながらもう少し3人のシーンを固めたいですね。 最近まで役者の距離についてよく書いてましたが、これは役者が役を理解してくれるおかげでしょう。たくさんディスカッションもしましたしね。距離が縮まればと言う気持ちはもう無くなりました。 また次の稽古に向け

          3人のシーン

          昨日は稽古終わりに全員で近くの焼き鳥屋で親睦会を開きまして、1日遅れの稽古日誌です。 昨日の稽古ではすみれ役の山本さんが合流し、すみれ中心に行いました。方言協力の平埜さんが稽古場に来てくださったので、大阪弁のイントネーションの指導と並行して場面を作れたのはとても良かったですね。 関係性の見せ方には様々な方法がありますが、雰囲気を言葉で伝えるのはとても難しくあり、また役者が雰囲気を演じるのも難しいですね。どう演出してその到達点に辿りつけるのか、演出課題を得られたのはとても大

          3人のシーン

          プランの変更

          今日の稽古ですが、前回宣言した全く触れていなかったシーンを末廣さんと話し合いながら進めてみました。良くも悪くもありますが、なるべく負担を与えたくない私に末廣さんは大丈夫と言ってくださるので、信じる事も大事だと気付きました。 後半は自ら提案した演出の違和感を伝え意見交換の後、その違和感はクリアになったと思います。 その時々にいいと思って考えた事が、違うかもしれないと思い直した時、相談できるのはとても有り難いことですね。 そして立ち稽古を繰り返し、タイミングや立ち位置の確認な

          プランの変更

          組立て

          今日は雨が降ってとても肌寒い日でした。 前半は私がすみれの代役となり3人のシーンの読み合わせと、大阪弁を使う福澤さんのイントネーションの確認。後半は立ち稽古を中心に繰り返しやることが出来ました。 初めの時にこのノートに書きましたね、日常の動作を意識せざる得ない状況に遭遇すると。今日はそこから一歩踏み込み、内包する部分を観客が汲み取る状態にするには役者がどのような身体であるべきか、それに伴う緊張と緩和、3Vの法則などを交えながら、改めて演出意図を伝える時間が取れたのも良かった

          徐々に

          今日は昨日の稽古の振り返りで始めたのですが、今までぼんやりとしていた輪郭が少しずつ見え始めて来たように思います。戯曲に書いた台詞は言わば文字に過ぎず、役者から発せられた音がどのような身体状況でその音を鳴らし、それが言語として届けられるのかこれが私の大きな課題です。また、台詞に書かれていない心情を観客とどれだけ共有できるのか、これが出来なければ悲惨な結果となってしまいます。 そんなプレッシャーが今日の稽古で少し和らいだのはやはり役者の力が大きいですね。ハードル走の様にひとつひ