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みかんの旧作ザオリク図書館「小説 機動戦士ガンダム SEED FREEDOM (上)」

 今回は2024年1月発売の新作ノベライズを紹介。なんといってもこの作品、歴代ガンダム映画の興行収入を記録更新した、あの「劇場版ガンダムSEED」の忠実なノベライズなのです! しかも執筆は、ガンダムSEEDのノベルズで有名な後藤リウ。

 ガンダムSEEDの劇場版といえば、長年我々SEED系ガンオタの悲願でありまして、一時は大幅遅延のために映画はどうせもう無くなったと、ネット掲示板なんかで散々な言われ方をして、ガンダムSEEDファンは随分辛酸を嘗めたものです。いくら映画は絶対作られるよ! と主張しても、信じてもらえないという状況が続きました。
 しかしながら、2024年になってのこの大逆転! 確か最初の一報は、TVアニメ「水星の魔女」(これも新作ガンダム)の最終回直後に、いきなり劇場版SEED公開決定の情報が流れたんです。私、アニメ視聴はサブスク派だったんで、少し遅れてこの事を知ったんですが、もうウハウハ状態で小躍りしましたね、SEED大好き人間ですから(当時、二次創作活動もやってたぐらい)

 映画はガンダムSEEDシリーズ構成である故・両澤千晶から、後藤リウが後任としてシナリオ執筆したという、いわくつき。で、小説も後藤本人の筆。
 SEEDファン大勝利の記念に、当然購入すべきマストアイテムなのであります。ちなみに挿絵担当は、「ガンダムW」のコミカライズなんかもやっていた小笠原智史。画力には定評ある実力派漫画家です。
 映画の予習にも、また鑑賞の振り返りにも、最適なノベライズなのですが、私は予習用に電子書籍で即買いしました。

 やっぱり最初の注目は、TVアニメ後の新たなSEED世界観が、どんなものなのか? 
 前作「ガンダムSEEDDESTINY」終盤で、ザフトのデュランダル議長派を倒した後、一体どんな世界が訪れたのか? また新たな敵組織はどういう設定なのか? SEEDファンみんなが、ずっと知りたかった事案です。
(以下ネタバレ)



 そして文中で明かされたのは、ラクス・カガリ主導によるザフト・オーブ・地球連合の共闘組織・世界平和監視機構コンパスの創設と新型モビルスーツの数々。
 DESTINY最終回後も、ブルーコスモス残党との小競り合いは終わらず、またユーラシア連邦から独立した専制君主国ファウンデーションが、怪しげに動き始めるのです。
 新組織の上層部となったラクス総裁とキラ隊長の、一歩踏み込んだ恋愛関係を主軸に、ブルーコスモス掃討戦とファウンデーション軍との接触が描かれる上巻。

 しかしキラは部下の女エース・アグネスに、ラクスはファウンデーションの美青年宰相オルフェからグイグイ口説かれて、のっけから恋愛トラブルの大波乱。
 しかも、対ブルーコスモスの同盟相手であるはずのファウンデーション首脳陣(アウラ女王、オルフェ宰相、イングリット秘書官)と親衛隊「ブラックナイトスコード」5名は、どうもラクスの出生の秘密(まだ謎)を握っており、ラクス総裁を仲間に取り込もうと策謀をめぐらしている。しかも彼らは精神系異能使い!

 上巻はブルーコスモス軍との戦闘中、キラがその遠隔異能攻撃に惑わされて新型フリーダムで暴走、あらぬ嫌疑をかけられてしまう。さらにはブラックナイトスコードらの暗躍で、ユーラシア軍の核ミサイルが誤射。近隣都市への核攻撃が炸裂し、キラがアスランの救援で脱出するまでを描いている。

 この時点でブラックナイトスコードは、裏から容赦なくコンパス軍に敵対し、マリュー艦長のアークエンジェルは撃沈され(艦長らは大半脱出)、コンパス軍パイロットにも戦死者が複数出る始末(元ドム乗りの男性陣死亡)、戦況はかなーり深刻です。下巻で異能使い達にどうやって逆転するのか、気になるところ。
 映画の構成としては、ヒロイン(ラクス)の過去に関する重大設定と、既存キャラを凌駕する強力な敵キャラたち(ファウンデーション陣)が惜しげなく登場するあたり、ジャンプアニメの劇場版王道ストーリーっぽいという印象。
 また、敵味方交えた恋愛要素が濃厚なので、両澤さんはキラとラクスのラブストーリー主体で描こうとしていたのかな? 
 下巻でどう戦いと恋路に決着をつけるのか、楽しみです!







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