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SNSにまみれた世の中で生きる

スマートフォンが普及した現代において、私たちの生活とSNSは切っても切り離せない関係となった。

例えば、SNSの代表格である「LINE」の国内利用者数は9600万人以上にのぼり、生活インフラとして幅広い年代から支持されている。

引用:【2024年4月版】人気SNSのユーザー数まとめ|X(Twitter)、Instagram、LINE、TikTokなど

もし、明日LINEがなくなったら、日本人のほとんどが連絡手段に困ることになるだろう。

SNSのおかげで、気軽に他者と繋がったり、情報発信を行えるようになり、今や企業さえも集客やブランディングのためにSNSを運用する時代になった。

しかし、SNSにはデメリットも存在する。

数あるデメリットの中でも、特に注意が必要なのが「誹謗中傷リスク」だ。

SNSは「諸刃の剣」であり、使い方を間違えれば、自分や他人を傷つける道具にもなる。

実際に、日本ではSNSでの誹謗中傷や悪質な投稿が社会問題になっており、相談件数は8年連続で5000件を超えている。

相談されていない件数も含めれば、数え切れないほどの誹謗中傷が、ネット上では横行しているだろう。

理性を保てずに誹謗中傷をしてしまうことが、いかに愚かな行為なのかを、訴えられるまで気付けない人間が一定数いる。

悲しいが、これが日本のSNSの現状だ。

SNSの世界に飛び込めば、誹謗中傷リスクと隣り合わせになる。まずは、それを覚悟しなければならない。

そして、誰かを傷つけてしまう可能性が自分自身にもあることを、同時に自覚しなければならない。

なぜなら、人間の脳は誰かと対立するようにできているからだ。

私にも、みなさんにも、内に秘めた攻撃性が存在する。これは人間の宿命であり、誰だって他者を傷つける可能性を持っている。

まずは、その事実をしっかりと受け入れてほしい。そうすれば、自分や他者を理解しようと考えるようになり、心穏やかに生きるコツを掴めるはずだ。

もし、SNSとの付き合い方に悩んでる人いれば、おすすめしたい本がある。

著者の中野信子さんは脳科学者であり「人を許せない」という感情がどのようにして生まれるのかを、脳科学の観点から説明してくれている。

SNSにまみれた世の中だからこそ、自分の身を守り、他人を傷つけないために、老若男女問わず読んでほしい一冊だ。

誰かの不祥事や炎上を知ったり、理解できない価値観に遭遇すると、どうしても「許せない」という感情が湧いてくる時がある。

勘違いしてほしくないのは、その感情が湧き出ること自体はごく自然なことであり、誰にだって起こりうる。

問題なのは、その「許せない」という感情に身を任せ、自らの正義を過剰にふりかざすことだ。

直接自分が被害に遭ったり、不利益を被った訳でもないのに、世の中の風潮や多数派の意見に乗っかり、面識もない相手に攻撃的な言葉を浴びせる。

言ってしまえば、赤の他人だ。はたして、そこまで叩きのめす必要が本当にあるのだろうか。

そんなことさえ考えることができず、思考停止に陥った人間が、SNSの世界には存在する。だから、いくら自分が他者を傷つけずにSNSを利用していても、相手は自分のことを平気で傷つけてくる可能性がある。

もし、みなさんがSNSを利用することで、心が荒むくらい辛い思いをしているのなら、そこから距離を置くのも一つの手だと思う。「触らぬ神に祟りなし」だ。

私は一度、全てのSNSのアカウントを削除したことがあるが、承認欲求や誹謗中傷のしがらみから解放された生活は、本当に清々しいものだった。

人間が人間である限り、SNSがこの世に存在する限り、誹謗中傷は無くならない。

むしろ、これからも増え続ける可能性がある。

私たちの心は、SNSのおかげで豊かになっているのだろうか?

答えは分からないが、少なくとも、誰かを傷つける生き方だけはしたくない。

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