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ゲームマーケット2024春に初めて出展した感想

2024.05.01 - 一部を加筆修正しました。

みなさん、こんにちは。ゲームマーケットお疲れ様でした。
今日(ゲームマーケット2日目)は2024年で初の真夏日が観測されたようで、少しずつ暑い季節になりつつあることを実感しますね。記事が長かったので、執筆に時間が掛かりいつの間にか1日過ぎていました。私は室内での作業に何かと集中してしまうことが多いのですが、熱中症にならないようにこまめに水分補給していきたいと思います。

さて、今回の記事では、ゲームマーケットの出展側としてはじめて参加したことに関する記録を書き綴っていきます。

※当該noteでは、投稿者を特定できないように文面に注意を払っていますが、万が一分かった場合でもそっとしておいてください。

はじめに

今回の記事では初出展と、2回目のゲームマーケット参加経験者として、体験を通して得たいくつかの知見を提供できればと思っています。

とはいいつつも、当たり前のことをつらつら書いているだけかもしれません。ですので、読者の皆様に何か1つでも参考になった内容が見つかれば幸いです。私は承認欲求の塊とまではいきませんが、それなりに反応とか見ちゃうので、ぜひ何かしらのアクション(コメントやXでの共有など)を起こして頂ければ嬉しく思います。少しでも多くの人の目に触れて、誰かの参考になる記事になれば幸いです。

前提確認

私はゲームマーケット2024春において、1日目の「チャック横丁」に出展しました。

ほとんど宣伝できていませんでした。ゲムマ開始1週間前から5ツイート以内、フォロワーほぼ0、フォロー30くらい検索してヒットした人や気になったサークルなどをいくつかフォローした状況です。

チャック横丁についての詳細な説明は公式の該当箇所をご参照ください。
簡単に説明すると、箱ではなくチャック袋(つまり簡易的に作れる)に入れたプランで、完成度ではなくアイデアで勝負するプランになります。また、全体的に完成度は高くないけど「出展者を応援しよう!」「新規にボードゲーム作ってみよう」という方々に向けた運営側が設計してくれたプランになります。

前置きはこの辺にして、話を次に進めていきます。

内容が長くて少しまとめるのが大変だったのと、自分が書いた内容にどれだけの価値があるのかに興味があるので、¥300で販売させて頂ければ幸いです。1人くらい買ってくれないかな…とか思っています。もし誰にも買ってもらえなかったらそのうち公開するかもしれません。

とか考えていたのですが内容はたかが知れているので、やっぱり無償で公開します。長文で体験レポート(改善点や気づきなどを含む)を執筆するには多少の努力と時間が掛かります。特に何をしてもらいとかありませんが、参考になったり、いいなと思ってくれた方はXとかで呟いてください。(お願いします!)

出展中に得た気づきや改善したいこと

以降では、出展中に気づいた内容や改善したい内容などを箇条書きで書いていきます。順番に意味はありません。なお、以下で書く内容は購入者など当日会話した人との会話内容を可能な限り脚色せず書いていきます。

簡単に説明できるボードなど

開始してから30分過ぎ頃からこれを思い始め、2時間過ぎたあたりで確信に変わりました。空で説明されて分かりやすいゲームなら多分説明しなくても伝わると思いますし、それが無理なら空で説明するべきではないと思います。何か資料的なものを指さしながら『「OOO」が「XXX」になって、「***」したらゲーム終了です』みたいな説明をボードに合わせながらできたら、説明を聞きにきてくれた人に親切・丁寧だと思います。もしそこで帰られるのであれば、単に興味と違ったなど他の理由で買わないのだと思います。あるいは元から買う意思がない(話を聞くだけで特に購入する意思はない)方も一定数います。

ただ、せっかく興味を持ってくれて近づいてきてくれるのだから、積極的に出迎え、応じる準備をしておいた方が良いと思いました。

英語表記のバージョンが欲しい

チャック横丁なのでそこまで考えなくても良い、と言われれば終わりですが、外国人と思われる方々が一定数素通りしていきます。彼らのうち日本語を全く読めない人たちは机の前に書かれているボードを見ません。多分読めないからだと思います。

我々のうちの大半が「英語を話せるか」という質問に対して「英語を話せない」と回答するイメージではなく、我々の感覚でいう「アラビア語を読めるか」という質問に対して「読めない」に近いのだと思います。未知の言語(意味の見当が付かないという意味合い)ですから仕方ない、と言えばそうなのですが、せっかく日本に来てくれて、尚且つそれなりの人数が来ているのでせめてルールや説明だけはカンペを用意しても良いので、「我々はあなたにも自分たちが作ったゲームを知って欲しいと思っている」とアピールすることは重要だと思います。

今回自分の反省点であり、かつ残念だった点には、ゲムマ参加準備段階で「これ(英語版)を作ろう」と考えていたにも関わらず、作れなかったことです。この要因は端的に言えばゲムマ直前1週間の時間の使い方にあります。もっと余裕を持って準備し、できることは前倒しで全てやっておくことを意識するべきです。

動画によるルール解説動画を作るべき

簡単なもので構わないと思いますので、動画形式のルール解説動画を予めアップロードしておくと良いと思います。説明書を渡しても理解しづらいものも、動画なら必然的に初心者が理解しやすい説明構成になっているはずです。また、予め動画を作っておくことで、当日までにどのように説明し、どこで質問が来そうかなど、事前の準備次第で当日のイレギュラーを極力減らせると思います。さらに事前にゲームを知ってくれる宣伝の効果も期待できます。

「似たようなゲーム」に興味はない人もいる

当日聞いた驚いた話の1つに、『パンフレット中に「〇〇のようなゲーム」と書かれたサークルの紹介記事は瞬間的に飛ばす」』という話がありました。その人がどのような意図で話しているのか真意は分かりませんでしたが、私個人としては、似たようなゲームにはワクワクしない、あるいは新しい何かを探している方なのかなと感じました。

この方のいうことを100%信じ遂行するのであれば、少なくとも初期に商業的に成功することはないと思います。大抵の人は自分が知らないものより知っているものを好む傾向にあると思いますので。(根拠はありません)

ゲムマに出展・ゲムマで購入する目的は参加者それぞれで違います。ここでは参考までに1人の意見として掲載しただけですが、そのような考え方もあるよな、と自分には無い考えでしたので「こう考える人もいる」というn=1の意見として記述しました。

目的の優先度は決めておいた方が良い

参加する目的は人それぞれです。その点を理解した上で、出展者かつ/または購買者であるあなたは、何を目的に据えて参加するかを考えておく方が良いと思います。この目的は1つでなくても良くて、例えば「お客さんと交流したい」と「プロダクトのテストをしたい」は共存できる目的だと思います。ただ、このうち自分はどちらを優先するのか、は明確にしておくべきだと実感しました。

ここに行き着くまでには、「赤字だとしても安く設定して、より多くの人にプレーして評価を聞きたい」という目的と、「仮にも出展するからには1円でも高く売りたい」などの目的のどちらを優先するか、というものです。

例に挙げた2つの目的以外にも人によって目的は違うと思いますが、そのどちらをどの程度優先させますか?現実的な問題であり一般的に考えると、価格は高いより安い方が多く買ってもらえます。ただ、原価を割るほど安くしてしまって良いのか、など熟考することになります。または¥500で売るのか¥1,000で売るのか、あるいは¥800なのか。金額を決めきれずにいた結果、ゲームマーケット直前になって金額を決めました。チャック横丁でなければ、予約などに影響すると思いますので、多少のマージンを残して価格を設定するべきだと思います。

戦略によるが、原価は割るべきではない

継続して制作していくなら、低空飛行で飛び続けられるように製造コストと売り上げを足して±0を目指すべきだと思います。また、ゲームマーケット全体として1つのマーケットを作るには、それなりの金額が流通するように成長させていく必要があります。そのためには、すべての参加者が適正な価格で売り、適正な価格で買って頂く必要があります。

そんな中で1グループだけ安く設定した場合には

安く設定した人は多く買ってもらえる(利益は小さい * 多数 = 薄利多売)

高く設定した人はあまり買ってもらえない(利益は大きい * 少数 = 広まらず売れ残る => 売れずに赤字、創作意欲低下)

つまり、出展者全員にとって良いことがありません。結果的に我々自身の首を絞める行為に他ならないと思います。この点は自分が加担してしまっている?ため反省しているところです。次回以降は原価は割らないギリギリで販売すると思います。(中々割り切れませんが…。考え方は多くあります。)

現実的には1つのサークルが参加者に与える影響は微々たるものですが、このような意識を持って運営していった方が全体を見ると規模は拡大しつつ、質も向上していくと思います。

名刺を用意したほうが良い

興味を持ってくれた人に向けて、名刺を渡すのも良いかもしれません。とくにゲームマーケット用の(サークル関係の)名刺を用意しておくことで、気兼ねなく宣伝できます。また、QRコードが載っているものを用意するのも効果的だと思います。来場者のうち1名から名刺とQRコードの有無を聞かれました。

もし準備できなければ仕事用の名刺でも構わないと思いますが、業種によっては畑違いになる場合がありますのでその点だけ注意しておくべきです。サークル名と連絡先、ロゴなどのシンボルマークがあれば十分だと思います。

机の前に掛けられる紙に書く内容

以降では机の前に掛けられる紙のことを前掛けと表現します。

前掛けに載せる内容として一般的に考えられるものには、サークル名や売っているものやその価格が考えられます。しかし、私が思い至った現時点での最良の内容は、

  • サークル名

  • アイコンまたはロゴ

  • キャッチフレーズ(スローガン)

  • キーワード

です。

この構成要素になった最も大きな要因は、視認性を高めるためです。時々見かける「サークル名」だけは、元々サークルを知っている人からはありがたいですが、それ以外の人からはよく知らない文字列が表記されているだけ、になります。残念ながら意味を為さないことになってしまいます。

またサークルのキャラクターなどデザイン性やアートワークとして魅力的なものもありますが、こと視認性や宣伝のことを考えると、瞬間的にサークルを見る・見ないを判断する即売会では最良の選択肢ではないと思います。(これはサークルの色や雰囲気、求めるお客さんによって違うと思うので参考程度にしてください。)

前掛けの大きさ

毎回の出展では、多くのサークルが1枚の大きな紙に印刷されていました。一般的な印刷屋さんに頼んでもそこまで大きな金額になりませんが、私は最終目的物をA4サイズ8枚分に設計し直したものを印刷し、左右を切って貼り合わせたものを使用しました。(自宅で印刷する場合は、印刷のための余白が生まれるので、その部分(〜1cm)を切り取る手間があります。)

結果的には特段の違和感はありませんでした。(このことを理由に何かが変わった可能性は低いと思います。)それよりも、下の方が丸まってしまったままのサークルやシワが寄っているものを使用している方が視認性が下がっているので良くないと思います。

ただ確認ですが、これはチャック横丁での話です。

一般の出展形式でこれをやると、低品質(商品が良くてもそう判断される可能性はある)の烙印を押されるかもしれませんのでご注意ください。

運営の規定では「ブース装飾はポスター類を机の下の正面側に1枚まで貼り付け可能」とありました。もし認められなかった場合のために、A4で1枚分のも準備して行きましたが特段の指摘は入りませんでした。(周囲に運営から注意されている人はいませんでした)。

ちょっと話は逸れて…

話は少し逸れますが、1点だけ。

チャック横丁でルールをどこまで遵守させるべきかは運営さんが決めることですが、(運営が出している要件を文字通りの意味だと解釈すると)少々ルールから逸脱しているサークルを見かけました。そのために若干の不平等感?を感じました。決して運営を非難しているわけではありません。不特定多数の方が参加するようなイベントを運営する事業体にとってはそこまで見ていられないというのも確かだと思います。その点を理解した上で難しい問題だと思いますが、運営が模索した結果のルールなら参加者にそれを守らせるように取り組んでもらいたいです。(もちろんまだまだ模索中であることも十分に考えられますので、試行錯誤中といったところでしょうか。)

同時に、出展者側としてもモラルやルールを守りながら出展したいものです。(そもそも出展者側がルールをきちんと守っていればこの内容すら書かなかったわけですので。)

加えて書くなら、このようなことを話題に挙げることも躊躇しました。なぜならルールに則っている大多数の出展者からは自分たちが出展しづらくなる変更がなされる可能性が高いからです。「このような指摘があったので、次回以降は一律で厳しくします」とするのが、運営的には最も合理的で簡単な対策ですから。でも私はそのようにしてほしくありません。

私はゲームマーケットに出展する人々は、ボードゲームが好きで多くの人にプレーしてもらいたいと考えている同志だと思っているので、指摘させて頂いた次第です。一番良くない結末は条件が厳しくなったことで、ゲームを作り気軽に出展する新規の人が減ることです。この結末は最終的には規模が小さくなって業界の衰退に繋がります。ルールをハックするのもゲーマー的には面白いですが、企画や趣旨に則って楽しく交流したいものです。

割合ではなく実数で見る

開始して暫く経つと周囲で人が入っているサークルを見て、無意識的に割合を見るようになってしまった事に気づきました。目の前を通る人が500人くらいいたはずだけど、そのうち10人しか来てくれないな…など。あっちには絶えず人が訪問しているな…など。

でも重要なのは、10人という実数です。仮に500人が話を聞きにくれても5人しか買ってくれないなら、絶対数としてはこちらの方が来場者に刺さっているのです。当たり前の話ですが、来場者はそれぞれ違う人で目的も違います。話だけ聞きたい人、交流したい人、買いたい人、遊びたい人、取材したい人など。この前提を再確認することで、自分のゲームに興味を持ってくれた人を大事にしようと思うようになると思います。

展示・寄贈すると良いかも

ゲームマーケットは出展者がとても多いので来場者が全てを詳細に見て回ることは困難です。そこで、運営に予め販売する物品を提出しておくことで、来場者が全ての作品を同時に閲覧できるようブースに展示してくれます。

チャック横丁という初心者向けの、試作段階の人も出展できる出展形態で、「こんなものを展示してしまって良いのだろうか」と申し訳なさ混じりに思う方がおられるかも知れませんが、商品を認知してもらう費用対効果の高い良い選択だと思います。単純にゲームに接触してもらう回数を増やす方が良いと思います。申し訳なさや恥は捨てましょう。

実はゲームマーケット開始前は展示するのに効果があるのか懐疑的でしたが、1人だけ「展示を見て気になったので買いにきました」と言ってくださった方がいました。想定外でしたが、提供していて良かったと思いました。

序盤の宣伝で最も重要なのは「知ってもらう」ことだと思います。その機会として、1つの商品を運営に渡すだけで多くの人(推定ですが、最低でも5,000人超)に見てもらえるのはありがたいことです。(とくにチャック横丁にはじめて参加するような無名のサークルとしては。)

テーマがユニークだとそれだけで興味を持ってくれる

執筆者は購買者に対し購買理由を質問しました。多くの方は快く答えてくださり、その中の約半数がテーマを挙げていました。チャック横丁という性質もあるのか、斬新さや他と似ていないものを求めている人が来る傾向にあるのかもしれません。

通行人は販売者の顔をほぼ見ていない

以前の記事で「目を合わせてくれる方がいるブースの方が興味を持ちやすい」みたいなことを書いていました。(よかったら併せてご覧ください。

しかし、この感覚を持っていたのが少数派だったと思い直しました。

販売中に通行人はどこを見ているのか気になったので、いくつかパターンを試しました。

  1. マスクをつけて座っている

  2. マスクをつけて立っている

  3. マスクを外して座っている

  4. マスクを外して立っている

  5. スマホを触りながら座っている

所感ですが、いずれの場合でも大した違いはありませんでした。つまり、大多数の人は販売者がどうであるかは気にしていません。
では、彼らはどこを見ているのか。注意深く人の顔ばかりを合計で30分くらい見ていると、机の下にある前掛けと卓上を見ている事に気づきます。

推定で8割の人は、とくに前掛けだけを見ています。(外国圏から来られた方々はそれすら一切見ていません。)特にチャック横丁のような完成度がそれほど高くない、アイデア勝負の部分が大きいブース群では前掛けは重要だということが分かりました。

つまり来場者の多くは

  1. 前掛けから

  2. 卓上にかけて視点を移動させ、そこで興味を持てば

  3. ゲーム制作者に歩み寄る行動に至ります。そして、

  4. 説明を求めるまたは購買行動に至ります。

質問時の注意点

私は今回なるべく多くの方に話を伺いたかったので、積極的に声をかけてお客さんとコミュニケーションを図りました。しかし中にはそのような交流を望まない人もいると思います。

これを見極める方法の1つとして、説明を求めるか説明書を求めるか、があると思います。説明を求める場合は説明をするのですが、多くの方は耳を傾けてくれ、質問にも答えてくれます。しかし、説明書を求める方はゲームをきちんと理解したい、比較的真剣に見てくれている人が多いです。そのような状況下では、質問するタイミングや内容も考えながら注意深く観察して行動に移します。

具体的に両者で異なる行動にした部分には

  • 説明を求めた方には、随時説明の理解度を確認をしつつ質問も組み込む。

  • 説明書を求めた方には、説明書を読んで生まれた疑問や質問に回答した後に質問する。

両者の違いは、途中途中で質問を挟むのか、あるいは相手の要件を全て満たした状態で質問するのかです。途中途中で質問を挟むことでコミュニケーションを促進できます。しかし、説明書を読むような方は(推定ですが)会話から受け取るよりも読んで理解した方がスムーズ(あるいは相手に説明してもらうのが忍びない)などと思っています。(例外はたくさんあると思います。筆者自身の推測が大きいですので、参考程度までにしてください)

持参数と販売数の集計

持参した数は26個でした。
そのうち、1個は運営に展示して頂きました。
14個販売できました。
また、3個は近所のブースの作品と交換しました。

最終的に残ったのは8個でした。

おわりに

今回の参加を通して、ゲームマーケットにおけるボードゲームの販売における基礎は理解できた気がします。

これを踏まえて(2024秋に出展するかは不明ですが)次回以降に活かしていきたいと思います。少なくとも今回の結果を見て「ゲーム作るのやーめたー」とはなっていません。(実はこれがチャック横丁プランを設計した最も良い効果なのかもしれないと思っています。)

ちょっと長くなり過ぎてしまいましたが、ここまで読んで頂けた全ての方に感謝します。ぜひフィードバックをお寄せください。何でも構いません。

それではまた。

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