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アントニオ猪木 突然の訃報と青木真也の「強さ」と「闘い」のこれからの話

ONEシンガポール大会解説中に猪木会長の訃報を知りました。

訃報を知ったのが番組中な上、番組スタッフも知らなかったのですが、青木真也の独断でアントニオ猪木会長への思いとお悔やみの気持ちをその場でお伝えさせてもらいました。ONEの中継であって情報番組ではないので、場合によってはお叱りを受けることもあるとは思うのですが、公式なコメントとしてウェブニュースに掲載されるのも含めて、必要だと判断してお伝えさせてもらいました。

いつかはと覚悟はしていたものの突然の訃報に動揺してしまい、このまま解説を続けられるかどうか不安だったのですが、IGF時代からいつもアドバイスをくれるプロレスラーの鈴木秀樹さんから「いつも通りです。」とだけメッセージが来て、仕事を全うするのが大事だとの先輩方の教えを思い出して踏み止まれました。鈴木さんは試合前後のタイミングなど大事なときに連絡をくれる先輩で感謝しています。しかし何を解説で話したのかはよく覚えていませんし、思い出せません。

アントニオ猪木の現役時代をリアルタイムで追っていたわけではないし、試合は後追いで見てきたので、プロレスラーアントニオ猪木を生で見たことはありません。僕は猪木会長の弟子筋であるケンドーカシン(石澤常光)、藤田和之に憧れて、強く影響を受けてきました。2013年には光栄にも猪木会長の主催するIGFでMMAをやらせてもらって、2014年には憧れていたケンドーカシンを相手にプロレスデビューまでさせて頂きました。

猪木会長の目の前でグランドコブラ 

アントニオ猪木の「プロレスと格闘技は同じ」を建前としてではなく、本音として理解できるようになるまでは時間が掛かったし、「強さ」と「闘い」を理解するまでもまた時間が掛かりました。猪木会長の掲げていた「強さ」と「闘い」を今後も探求していくし、ストロングスタイルの思想信念主義主張を持って、プロレス格闘技で闘っていきます。猪木会長の「強さ」と「闘い」を格闘技界で表現して残していこうと思います。

猪木会長に最大限の感謝を伝えると共にご冥福をお祈りします。

訃報を聞いてから感情が整理できず、解説を終えて帰宅してからも横になっていました。動きたくないというよりも動けずでした。解説中と帰宅してからもやらなければいけないこととやりたいことがわかってきた感覚がありました。

実は3月の秋山戦を終えてから次に何をやっていこうか明確になっていませんでした。とりあえず目の前にあることをこなしていけばいいし、それはそれで楽しむこともできて、尚且つそれなりにこなすこともできて、それなりの評価も頂けてしまうから、とりあえずこなしてしまうのです。生計を立てていくだけであれば書いて喋っていれば成り立ってしまうから、何をしたいかが明確にならないと適当にこなすだけで本質的に前に進むことができません。

ONEのライト級は王者クリスチャンリーを筆頭にイサガクマエフやハリルアミールが出てきて、かなりのレベルになっています。もしかしたらレジェンドマッチにシフトして避けて行ったほうが安牌なのかもしれません。解説している中でハリルアミールがティモフェナシューヒンをノックアウトする試合を見て、「強さ」と「闘い」を求めるのであれば、この中で殺し殺されしていかねばいけないし、僕がやりたいのは「闘い」なのだから、こいつらと試合がしたいと思いました。すなわち「闘い」がしたいし、「プロレス」がしたいのです。

僕は来年には40歳を迎えるわけで、いつどうなるかはわからないけれども、幸いなことにもう無理だと思うような衰えは感じることはないし、「強さ」と「闘い」を求める闘いはまだできます。僕が求める強さは先輩方と触れる中で少しずつわかってきて、自分自身の厚みは確実に増している実感があって、これからまだまだ強くなれると感じています。それこそ6月のケンドーカシンや9月の鈴木みのる戦を経て強くなれています。

アントニオ猪木が標榜した「ストロングスタイル」であり、「プロレスと格闘技は同じもの」であり、「強さ」と「闘い」を僕の解釈でやっていきたいし、ここから目を背けたらダメだと思いました。何故ならば青木真也が憧れたのはケンドーカシンであり、石澤常光であり、藤田和之であるからです。憧れたあのときのまま、なりたい自分に、やりたいことをまっすぐやっていきます。

僕は闘いを続けます。青木真也を全うします。アントニオ猪木のようにはいかなくとも明日もコツコツ強く生きていこうぜ。道はどんなに険しくても笑いながら歩いていこうぜ。迷わず行けよ。行けばわかるさ。

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