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RIZIN29 感想と与太話 頭突きで時代が動かない巻

延期に延期を重ねたように感じる東京ドーム大会が終わって、これまた延期の大阪大会になだれ込みます。流石にもう延期はないっすよね!と願ったのは選手も主催者もファンも揃っての声であります。

間が2週間でビックマッチは大変だとは思うのですが、規模で言えば東京ドーム大会が大きいので、最初に大きな大会をやってしまえばあとは勢いでいけるのかもしれないし、大阪大会に関しては皇治(田中宏治)さんにまかせたら大丈夫と絶大な信頼があるのではないでしょうか。皇治さん任せで大丈夫かとの声も一部であるとは思うのですが、彼の器と懐でやり切ってしまうと思うのですよ。皇治さんの凄さを選手は分からないんでしょうな。

大阪大会の延期と緊急事態宣言

最初は4月の開催予定だっけか。それが5月になって…6月になって…今に至ります。これはRIZINに限った話ではなく、ONEも5月29日大会は延期になったし、修斗も大阪大会が延期になりました。日本の大会の場合は延期日程を直ぐに発表することが多いのですが、ONEは未だに開催時期の公式発表はなく、国によって政府の強さなど取り巻く環境が違うと感じます。

主催者も選手も観客も延期になるとそれはもう堪えます。選手も主催者も「やり直し」なので、「もう1回練習し直すのかよ!」と暴れたくなる気持ちは同じ選手としてよくわかります。5月29日のONE延期のときに一番に思ったのが、「ワシじゃなくて良かった!」ですからね。自分だったらやってらんねえよ。

それでも選手は練習しています。試合が延期になれば、少し休みを入れて、試合前の練習が続いて消耗しないように工夫をしてやっています。僕が練習で一緒になる選手は試合が延期になったからと大きく崩れることなく、練習の強度を上手にコントロールしているように見えるので、惑わされずにできているなと感じます。今までにも増して惑わされない強さがコロナ渦における大事な要素になっています。新しい生活スタイルであり、新しい試合スタイルとなってルールが変わりました。

こんなときに番狂わせは起きます。世の中が乱れたときに新しいスターが誕生します。このタイミングで活躍できるのは真の強さが問われているようにも感じるので、ここで勝ち上がれるのかを選手たちは突きつけられたのではないでしょうか。チャンスが多い今だからこそです。

カードがさみしい…スリムにまとめている。

軽量級ばかりで名のある選手もそれほどいない上に日本人選手のみの大会です。コスト的には掛かっていないように僕の目からは見えます。これに関してはコロナ渦を味方にしているし、従来のライブ観戦をメインにした説得力を大事にしたカード編成から、PPVありきの放送で見る編成にしているように思います。

いくら放送だと言っても僕は重たいクラスの説得力は画面越しにも伝わると思うし、どうしても重たい階級の選手を欲しいと感じてしまいます。70kgの矢地川名は今大会で唯一の中量級です。他の試合に比べたら大きさの説得力が伝わりやすいと思うのですけどね。ヘビーやウェルターの試合も入れたいところだし、地方大会だからこその大味の試合を入れてもいいと僕は思います。

ドーム大会でバンタム級の試合が観客に伝わらなかったように思ったのですが、今大会のバンタム級4試合はドーム大会以上に苦しいカードなので、こりゃあなんとかならんのですかねって思います。だってドリームジャパンG Pじゃないっすか。あの悪夢のドリーム末期ですよ。みなさん覚えてますか?みたこともないさいたまアリーナの形を。

ここで見栄を張りたいところです。それでも見栄を張らないとか、無茶をしないのが大事なことでありまして、ここは我慢してやっていくしかないと思うのですよね。今は自爆が一番ダメだし、日本格闘技の歴史を見ても自爆でダメになって行きますからね。無駄な大勝負は必要ないんですよね。やりたくなる気持ちはわかりますけど。

皇治さんの信頼感 仕上がりが素晴らしい

皇治さんの仕上がりが素晴らしい。
試合の1週間前に住村竜一郎選手のセコンドで一緒になった際に「過去で一番練習した」と仰っておりました。実際に顔も絞れていて、以前とは別人の雰囲気を醸し出していました。実際に公開練習の映像が練習している格闘技選手のそれでした。

彼曰く「武尊戦や天心戦と比べもんにならんくらい」とのことで、実際にそれが彼一流の大口に聞こえなかったのです。リアルな格闘技選手としての言葉で、格闘技選手同士で伝わる真実味がありました。

やっぱり彼は優秀。勝負所がわかっています。皇治さんに今の立ち位置があるのは彼の勝負感あってのことだなと。彼への信頼の芯の部分は格闘家であることだと思うのです。

いつも賑やかしい皇治さん界隈ですが、皇治さんが動くと平本蓮さんがチャチャを入れるのが様式美のようになっております。平本さんからすると打撃の技量では圧倒的な自信があるからこその言葉だと思うのですが、皇治さんは「勝負」しているんですよ。平本さんが試合をしていない状況で皇治さんに絡んでも結果的に皇治さんが上がって行くだけだと思うんですよね。

皇治さんは格闘技選手なのですよ。そこを失わないから一目置ける。
平本さんも試合をして説得力をつけないとそろそろ明確に損をするような気がします。大きなお世話ですけどね。界隈を見ていて思いました。

今回は皇治さん(田中宏治)の凄さがよく伝わる試合前のあれこれでした。やっぱり立場のある人はしっかり努力しています。当たり前のことですけどね。誤魔化されてはダメですよね。彼は誤魔化す天才ですけどね。

川尻達也さんと久々に戯れあった件で伝えたかった話

先日、DEEPで計量オーバーがありまして。インターネットが賑わいを見せていたと聞いて、翌朝に眠い目を擦って見物に行って参りました。計量オーバーは珍しい話ではなく、レベル関係なくある一定の割合で起こるものと思っているので事故が無ければいいなと思って見物しています。

その中で川尻達也さんが43歳にして若さ溢れるツイートをしていらしたので、我々おじさんはもう少し先を考えましょうよって呟きかけをしたつもりだったのですが、ボタンのかけ違いは恐ろしいもので朝からボヤ騒ぎを起こしてしまいました。以下のツイートを辿って見て頂ければ。

計量オーバーに関しては罰則強化の方向では無くなっていないわけですから、罰則を強化しても無くなりはしません。一番あってはならないのは事故ですから、計量方法を考えるとか、選手に対して教育をしていくとか試行錯誤を繰り返していくのがベターなのではないかとワシは考えています。目の前のことよりもそれが起こった構造から考えて起こり難い状況を作っていくのが良いとワシは考えます。

ONEの計量方法が必ずしもベストだとは思わないけれども(実際にONEだけがやっていて追って始めるところはない)、試行錯誤する意味では大事なことだと思うし、選手の安全と権利を大事にして、そのときにベターな着地点を見つけられたら良いですよね。

選手の立場として思うのは選手が守られてほしい。日本の団体でファイトマネーの何倍にもなる違約金を設定された話も聞いたことがあります。それは選手にとってはフェアな状態ではないと思うし、無理をしてしまって事故が起こることも考えられます。それは選手に責任を押しつけているだけだと思うのです。

皆よく考えていきましょうねって思った次第です。
ちなみに僕は減量という減量をしてきていません。それは身体に悪いからです。健康と仕上がりの二つの軸があるのですが、健康を害してまで仕上げたことはないのです。健康で仕上げるのを大事にしているので、過度な減量がなく試合後も変わらずに健康です。格闘技をする時店で身体に悪いので、健康になりたきゃ格闘技をやめろと言われたらそこまでですが、健康でいることで選手生活を長くできますから、大事なことです。

試合を見ながらも健康を大事にやってねと思います。
身体に悪いことをしているからこそ。健康を大事にです。それでは試合にいきましょう!

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