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RIZIN.40 総評と与太話 日本最弱 されど大健闘の巻

2022年最後のRIZIN。やってきました。大晦日 RIZIN.40。

大晦日格闘技の歴史は2000年の猪木ボンバイエから始まりました。
2000年はカシン桜庭のプロレスマッチや猪木会長とヘンゾグレイシーのエキシビジョンがあったりのプロレス色の強い大会でした。今カードを見ても興味深い試合が多いのですが、大晦日の格闘技が世間に対して影響力を持ったのは翌年2001年の安田バンナの試合です。安田忠夫さんがバンナに勝って娘さんを肩車していた姿が記憶に残っている方は多いと思います。(安田さんの娘さんが蛍光イエローのジャケットを着ていた姿が今も記憶に残っています。)

2022年は猪木会長の訃報、格闘技界の地上波消滅やその他諸々で激動の一年だったと感じています。業界を取り巻く環境、放送環境の変化、格闘技における世界との位置など目まぐるしく変わっていく中、変化に対応していく強さの重要性を業界全体が突きつけられたような気がします。ただ変化すればいいわけでもなく、ただ守り続ければいいわけでもなく、生き残ったことが正解であって、生き残っていくためにアジャストしていく柔軟な思考が問われていると僕は思っています。変化とか伝統を守るとかそんなレベルの話ではなく、生き残っていくための個々の最適解を探し続けるのであって、個々で最適解が違うのがまた今なのだなと思います。まあそれはそれとして。

2022年の大晦日はRIZIN対ベラトール対抗戦です。
アメリカと日本で市場規模に差がついた現在の格闘技市場でベラトールとの対抗戦を引き込んだ榊原信行さん。相変わらずの興業師っぷりで周りの人は大変だとは思うのですが、興業師としての力を満天下に示した我らが榊原信行さんはもっと評価されていいような気がします。つっこみどころ満載なので正当な評価を得られない部分はありますが、興業師プロモーターとしてはアントニオ猪木、石井和義、榊原信行は日本格闘技史上に残る興業師でありプロモーターだと思います。

今大会を格闘技色の強いカードに振り切れたのも地上波放送が離れたことで可能になった部分はあると思います。ただ地上波放送がある時期も格闘技色の強いカードはなかったかというとそうでもなくて、格闘技色のカードと賑やかしのカードとでバランスを取って市場拡大していたと思うのですが、それが地上波放送がなくなると市場の拡大の部分では弱まって今の形に落ち着くのだと思います。

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2022年のPPV躍進と個人に力が集まる話

2022年はTHEMATCH2022きっかけでPPVが浸透した年でした。
細かく言うとTHEMATCH以前から昨年のRIZINランドマークやONEPPVでPPVで見る流れ自体はあったのですが、それが習慣として浸透したのは6月のTHEMATCHきっかけだと僕は見ています。

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