宇多田ヒカル ベストアルバム『SCIENCE FICTION』を聴いて泣いた
ただの今年 32歳になる 1992年生まれの孤独なおっさんの感想です。
昨日、宇多田ヒカルのベストアルバム『SCIENCE FICTION』が発売されたということで、SNSは盛り上がっており、
本日、休日だったので、散歩がてらSpotifyで聴いていた。
ファーストインパクトは宇多田ヒカルだった。
1999年 当時小学二年生とかだったと思うけれど、朝小学校に送ってもらうじいちゃんのラジオでは毎朝、『ありがとう浜村淳です』のラジオがかかっていて、そのインパクトを連日語っていた。
"わずか15歳の天才帰国子女の衝撃のデビュー作
1週間で200万枚売れた
『最後のキスはタバコのFlavorがした‥』
って15歳でどんな経験しとるねん"
そんなニュースの報道と軽快なトークに合わせて流れてくる、あまりにもフレッシュすぎる宇多田ヒカルの音楽
子供ながらに、心地よくて斬新で、ワクワクドキドキしていたと思う
おかんの車に乗る時も数年くらいずっと、宇多田ヒカルのalbumがずっと流れていた
宇多田ヒカルの音楽が流れると、別空間になる車の中の不思議な小世界
この年になって思うんだけど、やっぱり色々『はじめての経験』ってその後の人生に強く影響を及ぼしてしまうほど、潜在意識に刷り込まれてしまうものなんじゃないかと、今日、あれから25年たってベストアルバムを聴いていて思った
東京の大学に進学したのも、アメリカに留学したのも、サイバーパンクなどのSFサブカルチャーに傾倒したのも、R&Bにハマったのも、エンジニアリングで今飯を食っているのにも、あの宇多田ヒカルのファーストインパクトが間接的に多かれ小さかれ影響を及ぼしているのだと思う
当時の小学生の自分に『未来はこうなるんだ』っていうビジョンを音楽を通して潜在意識に刷り込んでしまったのだ
アメリカ的な文化と東京などの都市の文化は混合するし、それはミニマムで華やかで、合理的な無機質生と体温を求める人恋しさと孤独と資本主義とテクノロジーと…まぁそんなイロイロだ
そういえば、昨日、同僚のエンジニアが退職することになったが、酒の席でも話題になった
なぜかうちのエンジニアは92年生まればかりが集結している, 92年採用しているのではないかというくらい92年生まればかり
その理由はわからないし、92年生まれにwebエンジニアが多い?という統計的データも多分存在しないと思うけれど、もしかしたら92年生まれは宇多田ヒカルのファーストインパクトが脳みそに刷り込まれているから、エンジニアが多いんじゃないかと思った
ま、そんなことないと思うけど
それにしても最後の新曲 Electricityには驚嘆した
今、伊藤忠商事のテレビCMで、四六時中テレビでも流れていますよね
はじめて一曲通して聴いて、泣くほど感動した
宇多田ヒカルは、25年経ってまだ、未来を描いてくれてるんですね
E E E E E E le c tri city か なにか
このサビの強烈な分節フレーズを聴いた瞬間
これはLLMが人間の感性を理解し始めている今の世界を限りなくうまく描いていると感じた
好むと好まざるにかかわらず、もう呑み込まれていく
スマートフォンやSNSが生まれて、僕らの人間関係の間の見えない空間にそれらが入ってきたのと同じように、
これからはLLMによる情報処理が入ってくる
でもそんなときでも
"E E E E E E le c ti city かなにか"
って宇多田ヒカルさんが歌うように、情報処理とか統計情報による解釈を全てすっ飛ばして、脳みそ蹴り飛ばしてくるような衝動に出会いたい っていうロマンを持ち続けていたい、人類
"この街に移り住み できた都合のいいルーティンやお友達 ごめんなさい もう いらない"
このフレーズはさみしいが、共感もしてしまう good bye 東京
疲弊しているんですよね、現代人のハイコンテキストなコミュニケーションに
余談だが、高校時代のクラスメイトで、学年のマドンナと付き合っていた野球部の優等生は、東大の経済学部に進学してアメフト部から、伊藤忠商事に就職した。もちろん、今では結婚して子供もいる
ウォーレンバフェットも5大商社の株を買い漁ったし、いまや日本経済のフロントランナーで宇多田ヒカルの曲もCMで流しまくるのが伊藤忠商事だ。
彼の目から、今、東京は、人生は、どういうふうに見えているのだろうか。
想像することもできない。
15歳のとき、既に誰も到達できない遠くにいた宇多田ヒカル
25年のときを経て、彼女はさらにもっと遠くの離れた銀河までいってしまったと感じる
そんな遠くから発信されるメッセージを通じて、僕は自分の現在地を確かめる
あのとき、じいちゃんのタバコ臭いNissan マーチのラジオで聴いた First Loveから
今、LGのテレビに映っている伊藤忠のCMで流れている Electricityまで
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