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140字小説 No.≠236‐240

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【No.≠236 光の破片】
当たって砕けろの精神で挑んだ結果、私は見事に振られてしまう。傷心しながら浜辺を眺めていると海に三日月が映る。その様子が光の破片にも感じた。私と同じように、月も太陽に告白して砕けたのだろうか。彼を思い出しては涙が伝って、惑うような波形を生み出す。半分の月が瞳に映り込んだ。

【No.≠237 季節の変わる】
夏がもうすぐ終わるころ、季節の変わり雨が街に降ってくる。夕陽から滴る黄金色の雨は、向日葵や生命すらも濡らして次の四季に塗り替えていく。山は紅葉が色づき、風には冷たい温度が纏う。青春が終わる。夢も、未来も、夏に対する憧れも乾かないまま、季節の変わり雨は強制的に秋を深めた。

【No.≠238 ニーア】
雨風を凌げる場所もなく、寒さで震える私をあなたは保護してくれました。ご飯を与えて、何度も頭を撫でてくれます。初めてのぬくもりは愛しいですが、その優しさを失うことが不安で遠い街に走り出しました。もう二度と会えないあなたに向けて、私は身勝手にも「にー、にー」と鳴き暮れます。

【No.≠239 不惜身命】
魔女に願って不死となった代償に、私は恋を封印された。誰かを想う度に心臓が高鳴り死が迫る。恋を失ってまで得たいと思った命だけど、散りゆくあなたのためなら捧げても構わなかった。絶えるなら絶えてもいいと想いを告げる。横たわるあなたの側で、私も静かにまどろむ。今、呪いが解けた。

【No.≠240 涙色】
私の瞳は感情によって色が変わる。悲しいときは青色。悔しいときは緑色に。ある日、彼の浮気を知って鏡の前で泣きじゃくっていると、瞳から赤い涙が溢れてきた。拭っても我慢しても、袖を汚すばかりの私を見て彼はどう思うのだろう。悲しみや悔しさとも違うこの感情は一体なんだというのか。

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改めまして、秋助です。主にnoteでは小説、脚本、ツイノベ、短歌、エッセイを記事にしています。同人音声やフリーゲームのシナリオ、オリジナル小説や脚本の執筆依頼はこちらでお願いします→https://profile.coconala.com/users/1646652