見出し画像

水瀬さらさんの青春小説が好きです

最近、水瀬さらさんという作家さんの青春小説が好きでよく読んでいます。

王道でわかりやすいストーリーが多く安心して楽しめるだけでなく、高校生を中心とした登場人物の温かな性格に惹かれるところも作品の大きな魅力だと思います。

今回は私が読んだ水瀬さらさんの本でも特に好きだった3冊を紹介します。


君が、僕に教えてくれたこと

無気力な少年と幽霊少女の交流を描いたハートフルストーリー。私が水瀬さらさんの作品が好きになったきっかけの1冊です。ストーリーはシンプルながらも、春の訪れを感じさせてくれるような優しい物語でとても気に入りました。

天と陽菜はまったくつながりのなさそうに思えたけど、実は天の人生を大きく変えた中学時代の出来事と大きく関わっていて、過去と現在がパズルのように組み合わさっていく展開が気持ち良かったです。

陽菜がたどってきた道はとてつもなく切ないもので、ただひとり残された天の立場を思うと辛くなるものがありますが、陽菜と過ごした時間によって彼女の姉と共に新たな一歩を踏み出していく天の姿に思い切り心が揺さぶられました。

君と過ごした、さよならの季節

好きだった野球を諦めかけていた瑛太と、ちょっとミステリアスな栞里との期限付きの恋を描いた感動作。

もう一度野球と向き合いたい気持ち、そして栞里に悔いのない時間を過ごしてほしいと願う瑛太のひたむきさは読めば読むほどに応援したくなりました。周りから無理だと思われていることに立ち向かうという要素は今作ならではの感動で良きでした。

本をきっかけに栞里と親しくなり、更には瑛太が忘れかけてしまっていた大切な図書館にまつわる思い出も取り戻していく展開も凄く魅力的でした。栞里との約束を果たすために挑んだ終盤の野球の試合のシーンで一気に心を熱くさせてくれました。

溺れながら、蹴りつけろ

過去のトラウマから本が好きな自分を封印してしまった中学生女子の変化を描いた物語で、作中のいたるところから小説を書いたり読んだりする楽しさを感じられました。

同級生との付き合いなんてほんのわずかの間だし、無理して仲良くするのならその時間を自分の好きなことに費やした方がいいのでは?と今の私は思いました。

とはいえ、学生時代というと身近な人間関係がすべてだと思ってしまいがちなので、その中でわざわざ同級生と関わる違和感とか物語に向き合う自分が好きなことに気付けた麗は本当に素晴らしいと思いました。

この記事が参加している募集

推薦図書

読書感想文

いつも記事など読んで頂きありがとうございます。日々励みとなっています。もっと面白いネタを収穫したいので、良かったらサポートもお願いします(^^)