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中東が好きになったのは何故だろう - 初めての中東・現場の実力

”2インチ 何々、2インチ これこれ” 
 (何々やこれこれには、モデル名の一部が入る)
新しい番頭が 在庫の無い商品の スペックを並べ始めた。
オーナー孫やレバノン人は、慌てふためいた。
私は、とっさに モデル名に印を入れた。
在庫切れのモデルは少なかった。

が、在庫が切れそうなモデルは多かった。
なんだか、一人安心してしまった。だって、受注間違いなし。(悪!)

受注を待つとなったモデルのカタログを出し、
見方を説明した後、番頭の発した、2インチ と モデル名を示した。
すると 合点がいったようで、オーナーの孫は、商品説明を読みだした。

彼は、どうやら 商品の特徴と、仕様と、売れる理由を理解したようで、”つまり こういう事なのか?” と確認をしてきた。

当時は何も感じなかったが、
最初の面談の、私含む新メンバーで 基本的な相互理解ができて
良かったと思う。

番頭が、サイズとモデルの一部をあげたのは、市場のお客が買いに来る時に このように言うためだ。
番頭以下ワーカーと呼ばれるインド人の方たちには、これが当たり前だ。
ましてやオーナーには、その言い方で通じてきた。なんで孫になれば通じないのだ、勉強しろ というのが彼らの本音だろう。
マネジャー側とワーカーの間で、すれ違いの会話をして来ていた。

空気が変わり、短い休憩に入った。
好奇心でいっぱいの私は、また1階におりて、商品を見回った。
ワーカーたちは 今度は全く動こうとしない。気にしている様子は感じる。
わざと、曰くつきモデルの前に行き、触ってみた。
すると、予想通り。
”それは すぐに返品がある。クレーム多い。安いけど、クレームだ。
(日本製品質を売りにしてきた)我が社にとっては大変な事だ”
”修理するのか?”  わざと聞いてみる。

”いや、しない。
オーナーがお客様に申し訳ないと言って、
ただで代替品を渡すと決めたんだ。
お客を納得させるために”

”安いから 最初は すごい勢いで売れたんだ。そしたら、返品、返品になった。同じ台数をオーナーは無償で販売したんだ” 
(無償という時は とても声を大きくしていた)

”返品のときに お客は何て言ってたの?” 
すると 少し怒り出したように
”何とかならんのか ➡ What can you do for this?"

何とかならんのか、は、代理店が私に言った言葉だが、
ユーザーが代理店に言った言葉でもあり、
結局は同じことだ。笑
質問の仕方が悪かった。
なんて言った?ではなく、
”何故返品になったと思う?”と聞けばよかったのだ。

売り子のワーカーは、顧客対応をするから
ストレートに事情を話してくれる。
クレームに慣れてないワーカーたちは、多くの返品対応に戸惑っただろう。
想像だが、オーナーに相談し、オーナーは無償提供を指示した。

そして、返品の理由も、要因も、
きちんと把握?明示?されていなかった。
簡易スペックにしたのが要因だろうと想定できたのは、
クレーム対応で出張にきたメーカーの2名と上司だけだった。
上司の性格から、予め 私にこの話をすることはない。

改良の約束は言えない。(返品理由わからんし)
値引きなら できるが、今は言えない
原因追及作業なら。。。  かけだしの私は、ここしかできなかった。













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