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時計仕掛けの君の空(800文字)

占わせてくださーい!

って呼び掛けて、

生年月日を教えていただき、

その方の

出生時の天空――

に輝いていた星の配置を読む、

みたいなことに

ここんとこ興じさせていただいている。

――出生時の天空の

星の配置図を

ネイタルチャートなどと呼ぶようだが、

このようなホロスコープ(天空図)は

今や、

インターネット上の占いサイトで

無料で

あっという間に作図できてしまったりする。

でも、

サインだ、

ハウスだ、

アセンダントだ、

MCだ、

なんたらだ、

って、

いろんなパラメータがてんこもりで、

僕みたいに

星ぼし相互の角度を

模様として

直観的に把握したい


と望むような者にとっては、

やや情報過多でもあるし、

なんというか面白味がない――

ような気もしないではない。

宇宙を感じられないというか――。

そんな僕の、

今、

掌にあるのは

これ。

コーヒーカップの隣で違和感なし。

プラネティカという名前の

フランス製のメカである。

シンプルでかわいいパッケージ。

機械式。

透明の外枠を手で

ぎりぎりと回して(←けっこうたくさん回さなきゃならない)

月日を合わせてゆく。

目盛りを

誰かの生年月日に合わせる。

年数は小窓で確認。

すると、

星ぼしが

しかるべき場所に配置される。

次に、

透明の円盤を回して

時刻を合わせる。

これにより

東西南北も定まる。

そんなふうにして

誰かの出生時の空が

手動で

配置できてしまう。

ホロスコープは天動説に基づいているわけだけど、

プラネティカは地動説に基づいているので、

そのままホロスコープの代わりになるわけではない。

――ともあれ、

本日ただいま現在の日時に

目盛りを合わせて

体の向きに方位を合わせれば、

たった今の

僕らの頭上の配置も

掌上に再現できてしまう

というわけだ。

――プラネティカ内部の歯車たち

を思うと、

わかる!

宇宙ってば、

精巧なる時計仕掛けなんであるなあ。


――だなんて思うと、

誰かの誕生時の星の配置に僕は、

深い感動を覚えてしまうのであった。


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