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Leicaは高いだけのカメラ?

さて、何ともいろいろなところで炎上の火種になりそうなタイトルですが、皆さんLeicaに対するイメージってどんなものでしょうか。

一番に思い浮かぶのは「高い」ってことかもしれません。確かに間違いないです。

ただ、そんなハイブランド的なイメージが先行してしまって、「ライカは高いだけのカメラだ」「あんな高いだけの不便なカメラを買う人は所有していることを自慢したいだけ」など、そんな意見を目にすることもあります。

Leicaは高いだけのカメラなのか、金持ちの道楽なのか。

いいや、そんなことはありません。少なくとも私はそう思っています。
そんな偏見をもって手を出さないなんて勿体無いくらいに魅力溢れるカメラなんです。

というわけで、私が考えるライカの魅力をお伝えして、少しでもライカへのイメージをよくしてもらえたら嬉しいな!ということで、noteにまとめます。

※ただ、ここで言うライカとは「M型ライカ」だけに絞らせていただきます。SLシリーズやQシリーズなども魅力的で素敵なカメラ達なのですが、私の考えるライカの魅力をお伝えするには少し当てはまらない部分も多くなるので、こちらについてはまた別の機会でということで。

で、ライカってなにがいいの?

さて、ライカが他の一眼型のカメラと違うところはどんなところでしょうか?

  • レンジファインダー

  • 魅力的なMマウントレンズ群

  • 小型軽量

  • 高級感ある精巧なつくり

  • 主張の少ないミニマルな見た目

みなさん共通して思いつくところはこんな感じかなと思います。

が、しかしライカの本当の魅力ってこう言った目に見えるスペックにはないと私は思っています。

「ライカって何がいいの?」って聞くとなにやらボヤッとした答えしか返ってこなくて、結局何がいいのかわからん。

なんてこと、経験したことありませんでしょうか?

ライカはAFが早いとか、連写がすごいとか、ダイナミックレンジが云々とか、目に見えたスペックでは本当に語れないカメラなんです。
だから、何がいいの?って聞かれても明確にこれがいい!といいづらい。いいところを言ってもなぜそれがいいところなのか理解してもらえない。

スペックこそがカメラの良し悪しを決めるというが如く、スペック競争をするデジカメ市場になれていたら、仕方のないところではありますが、スペックだけをみているとライカの魅力は全く見えてこないのです。

さあここから、スペックではない概念的な話が中心になっていきますが、できる限りわかりやすくお伝えいたしますので、是非最後までついてきてください。笑

グラデーションを与えてくれるカメラ

私はライカのことを

0か100の世界にグラデーションを
与えてくれるカメラ

だと思っています。

はい、いきなりわけわからんこと言うなや。って感じだと思います。笑

さて、どう言うことか説明していきましょう。

みなさん、今の高性能なカメラ達は人や乗り物、飛行機、虫、鳥などどんなものでも素早く認識し、魔法のようにバチっとフォーカスを合わせてくれますよね。
iPhoneなんかもシャッターボタンをポチっとするだけで、それっぽい絵を簡単に吐き出してくれます。つまり、失敗する方が難しいです。

でも、だからこそ私たちは「0か100かの世界に閉じ込められてしまっている」と感じます。

たとえば、AFは優秀すぎるが故に、バッチリと被写体にピントが合うか、別のものに完全にピントが取られ
意図した被写体へのピントが大外れする、0か100の絵しか産み出すことができません。(工夫しない限り)

また、優秀すぎるが故にしっかりとピントが合っていなかったり、少しでもぶれていたり100点の絵でなければ、たちまち「失敗した」と我々は感じてしまいます

この「失敗した」と切り捨ててしまうこと自体が、様々な発想や選択肢を狭めてしまっているんじゃないかと私は思うのです

一方のライカは、カメラ側は何も手助けしてくれません。フォーカスもシャッタースピードも絞りも全て自分の手で設定する、フルマニュアルカメラです。
レンジファインダーという素通しのガラスに、ブライトフレームというレンズの焦点距離に合わせた四角い枠が出てきて構図を決定するので、完全に精密な構図も作れません。

レンジファインダーから見た景色。

よく、「ライカを使うと下手になる」と言われる所以はここにあります。本当にカメラは何にも手助けしてくれないのです。

でも、だからこそ、自分の意思を100%反映させることができます。

たとえば、フォーカスを合わせるにしても意図的に少し前ピンにしたり後ピンにしたりすることができます。機械に任しているとどうしてもしっかりピントを合わせる以外の発想が出てきにくいです。

フォーカスリングの全ての角度が、自分の選択肢になるのです。まさに0か100かではない、その間にある無限の選択肢に気づかせてくれるカメラなんです。

ブレも、ピンボケも露出オーバーと露出アンダーも水平を外すことも、全て機械ではなく、自分自身が撮った結果であるので「失敗した」と思うことがありません。

不便だからこその価値

これは過去の記事にも少し描いているのですが

不便であることが価値にもなり得ると私は思っています。
先に書いたようにライカは最新の機種でも他のメーカーではありえないくらいに不便です。でもそれが唯一無二の価値を生み出しています。

あえて利便性を捨て去ることで、写真を撮ることだけに完全に特化できているのです。

いまやミラーレスカメラは色もいじれて、動画も撮れて、写真を撮る事以外にも様々な機能が付きましたし、様々な設定項目に溢れています。
確かに便利なのですが、それがなんだか「めんどくさい」と感じたことはありませんか?

撮影前に設定をポチポチしてカメラと睨めっこばっかり。
あなたが真に向き合うべきはカメラや設定項目ではなく、目の前の景色であり、被写体であるはず。

便利であるはずのいろんな設定項目が、あなたを迷わせます。動画で撮っとく?連写?色味は?AF方式は?クロップ?

その点ライカはISOを決めて、F値を決めて、シャッタースピードを決めて、撮るそれだけです。というかそれしかできません。

写真を撮ること以外に意識を向ける必要がありません。目の前をよく見て、いいと思った瞬間にシャッターを切る。
それだけに脳のリソースを全集中させることができます。

ライカは

カメラではなく
被写体と向き合わせてくれるカメラ

でもあるんです。

これこそが、不便である、できることが少ない故の価値です。

「ライカの写真は空気をも切り取る」とはよくいいます。もちろんライカのレンズの描写力という面もあると思います。
しかし、ライカを使うと被写体やその場の空間にしっかり向き合って撮れるからこそ、撮影者は臨場感や空気感を感じ取ることができ、結果的にまるで空気をも切り取ったような写真を撮ることができているのでは?と、私は思っています。

さあ、あなたも利便性を捨て去ろう。

いかがだったでしょうか?

恐らく、これでもなかなか理解してもらえないことも多いと思います。
でも、このnoteで少しでもライカが気になった人がいたら嬉しく思います。

今や何でもできるカメラで溢れています。本当にどのカメラを買おうと、できることに大差はありません。みーんな100点に近いものを叩き出してくれます。

でも、そんな世界につまらなさ窮屈さを感じたあなたは、恐れず利便性を捨て去る選択をしてみてほしいです。

選択肢が狭まると思うかもしれませんが、実は広がる世界がそこにはあるかもしれません。

何よりかっこいいのだ。笑

中古フィルムライカであれば、今のフルサイズカメラを買うのと変わらないくらい、むしろ安いくらいの値段で買えるものも揃ってます。

まずはそこから、沼に片足を突っ込んでみるのも、いいかもしれませんね。

ライカを使うことで広がる世界は確実にあります。

ではまた👋

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