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サイクルロードレース観戦の楽しみ方:4

走り方

集団走行

レースの主役の一つは、
逃げ切り以外のメイン集団の走行(隊列)です。
ヘリコプターから見た集団は、
よくぶつからないなと思うくらいの密集状態です。

実際にはきちんとスペースは確保してはいるものの、
素人から見たら、
ちょっと気を許すと隣や前後と接触しそうなくらいの
(実際しばしば落車が起きます)
距離感で走っています。
それを観るだけでも、感心してしまいます。

また、
コースは常に同じ幅ではないので、
急に狭くなる場所や、ラウンドアバウトといって
円形に分かれる道があったりもして、
その都度集団が綺麗に左右別れたり、
まるで鳥の集団が隊列を成して飛んでいる姿に似た
自己組織化された動きを見るのもすごく刺激的です。

そして、
いざ逃げ切りを取り込む(追いつこうと)と決めた時の
迫力は(昨日も書きましたが)圧巻です。
みるみる逃げ集団に追いついていきます。

小集団走行;逃げ集団

逃げを打つ場合、
数名単位での走行になることが多いです。
時には20名以上の小集団となることもありますが、
それもいずれそこからまた飛び出す選手が必ず出てきます。

小集団走行になった場合、
いっときであれ敵味方関係なく、
後ろの集団に追い付かれないために、
それぞれがうまく先頭交代をしながら走ります。

しかし時には、
後ろの集団が追いついた時のアシストとして
わざと逃げ集団に入り込む選手がいることもあり、
それぞれの思惑が交錯しています。

それ以外でも、
なかなかうまく先頭交代できなかったり、
そこまでで足を使い切ってなかなか先頭に出ることができない場合や、
チーム戦略的にわざと先頭を走らない
(追う集団に有利になるよう抑え役になる時など)ことや、
個人的な戦略で最後の足を残すために先頭に立たない
(これはレーサー仲間の慣習上、非難される場合が多いです)など、
色々な戦略志向や人間模様が垣間見られて、
レース結果とは別に楽しむことができます。

実際なかなか前に出ない選手を、
声を出してあるいは大きなジェスチャーで、
「なんでお前は前に出ないんだ」と非難する場面には、
ちょくちょくお目にかかります。
レース後、SNS上で選手や関係者、ファンも?交えて
炎上する場合もあるようです。
これはこれで人間的で面白いですね。

個人走行の妙

逃げ集団からもある時点で、
勝利を目指して飛び出すケースがあります。
どこで、どのタイミングで飛び出すか?
がまたレースの楽しみになります。

特に、
登りのきつい場面での飛び出しは、
迫力があり、ドキドキする瞬間です。

多くは誰にとっても一番きつい坂で
一気に飛び出すケースが多いので、
その瞬間は見逃せません。

何回も飛び出しを図って、
結局後ろに追い付かれることもしばしばなんですが、
時にはそこから一気に一人旅で
最後のゴールまで行ってしまう場合もあります。

その辺のタイミングや走り方の妙が
個人走行にはあります。

レース序盤から一人で逃げるというのは、
風の影響などもあって不利だとされていて、
まずあまりお目にはかからないかなと思います。

それでも、
かなり早い時点で独走して走り切る時もあるので、
見逃せませんね。

今夜からツール・ド・フランス第1戦が始まります。
今年はスペインのバスク地方からの開始で、
コースもなかなか厳しめのようで、今から楽しみです。

もうすぐ始まるので今日はこのくらいにします。
ではまた明日。


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