9/21は世界アルツハイマーデー!『長生きでも脳が老けない人の習慣』プロローグ無料公開
「年のせいかな」
そう感じることが増えたとしたら、たぶん、間違いです。小さな習慣の積み重ねで、脳はもっと若々しくいられます。この本を読んでいただければ、年齢以上に脳が衰えてしまう理由と、若さを取り戻す方法がわかります。
イントロダクション
ここまでご覧いただいたのは、認知機能、つまり脳の働き具合をチェックするテストの一部です。スイスイ答えられた人もいれば、「あれ?」と少し考えてしまった人もいるでしょう。
このようなテストでわかるのは、「認知症かどうか」ではありません。認知症になる恐れのある「プレ認知症かどうか」です。
プレ認知症の状態を、専門的には
「M C I( 軽度認知障害)」と呼びます。
今、このMCIの早期発見が、社会や医療界で大きなテーマとされています。
なぜなら、MCIの段階で手を打つことが、
認知症を遠ざける最大にして最後のチャンスだからです。
しかし残念ながら多くの人がMCIを知らず「年のせい」として見過ごしてしまっています。
認知症にはなりたくない。
家族にもなってほしくない。
もしそう思っているならば、絶対に覚えていただきたいことがあります。
M C I との戦い方を知れば、いつまでも若々しい脳を守れる。
これが、この本のテーマです。
ご自身やご家族のことを思い出してみてください。
● 「あれ、なんだっけ?」と思うことが増えた
● 脳トレや頭の体操が気になるようになった
● 親のもの忘れが心配になってきた
● 糖尿病や高血圧などの持病がある
● 趣味や人との交流が少ない気がする
● 認知症で家族に迷惑をかけたくない
● 親や配偶者を施設に預けるのは嫌
● いつかは認知症になると諦めている
ひとつでも思い当たったら、この本はきっと、
あなたの不安を消し去る役に立ちます。
認知症まで進行してしまうと、現在の医療では根治させることができません。しかし保険診療を受けられるのは認知症になってから。しかも、認知機能をチェックする機会はほとんどありません。
そんな中で今、医師や自治体などがもっとも力を注いでいること。それが「MCIから認知症への進行を止めること」にほかなりません。
ポイントは3つ。
① MCIになるのを可能な限り遅らせること
② MCIを早期発見すること
③ MCIの進行を防ぎ、改善させること
これらの具体的な方法をまとめたのが本書です。
認知症の最大のリスクは「長生き」だと皮肉をいわれることがあります。確かに脳の機能が年をとるごとに衰えるのは事実です。でも安心してください。MCIの段階までにきちんと対処すれば、長生きでも認知症の魔の手から逃れることはできます。
40歳を過ぎれば、認知症からの「逃げ切りレース」は始まっています。
ぜひ本書を読んで、いつまでも健康で穏やかな人生を手に入れてください。
はじめに
本書を手にとっていただき、ありがとうございます。ご挨拶が遅れました。わかさ生活の⻆谷 建耀知と申します。
皆さんは、脳、そして頭の健康について、日頃どのくらい考えていますか。おそらく、自分や家族に何の問題もなければ、そこまで強く意識することはなかっただろうと思います。
脳が健康なうちから予防の努力をするのは、難しいものですよね。血圧や血糖値や体脂肪率のように、定期的に健康状態を測定して〝黄色信号〞が灯ればいいのですが、頭の働き具合を測る機会はほとんどありません。
ですから「なんとなく忘れっぽくなった」「なんとなく物覚えが悪くなった」といったことがあっても、年のせいかなと片付けてしまいがちです。
でも実は、これが大問題。
「なんとなく」は黄色信号で、本人や家族が「そろそろ認知症かな?」と思う頃には、すでに症状が進行して〝赤信号〞になっているケースが大半なのです。
そこでこの本では、脳の健康に関わる4人の専門家の方々にお力を借りて、
・脳の黄色信号をいち早く発見する方法
・元気な脳を長く保つための習慣
をわかりやすくまとめました。
本の冒頭でも書いた通り、脳の健康を維持する最大・最後のチャンスは「認知機能の低下をMCIで食い止めること」にあります。監修いただいたどの先生に伺っても、MCIの早期発見と、そこからの認知機能維持・回復がカギだという見解は一致していました。
本編では、脳が衰える仕組みから、MCIが予防のカギになる理由、MCIを早期発見する方法、認知機能の低下を防ぐ食習慣、運動習慣まで、幅広く解説しました。
日頃の習慣次第で、長生きで若々しい脳を保つことはできるのです。
この本を手にとってくださった皆さんには、ぜひ本書を読んで脳の健康を守っていただきたいと思います。
なぜなら私自身、脳と頭の健康について毎日意識せざるを得ない人生を歩み、人一倍の脳への意識を持って生きてきたからです。
個人的な話になりますが、私は18歳の頃に脳腫瘍を患い、命と引き換えに視野の半分を失いました。
自分のことだけではありません。早くに両親が離婚したため、私は祖母に面倒をみてもらっていたのですが、あるとき祖母は認知症を発症します。私は祖母が大好きでした。しかし認知症が進むにつれて、祖母の脳から私の記憶が消えていきました。
大好きな家族の顔や名前や、それまで共に生きてきた思い出、お互いに注ぎあった愛情が消えてしまう。これほど悲しいことはありません。とてつもない喪失感です。
こうした体験は、私が会社を起こす原動力になりました。皆さんにいつまでも若々しく健康でいてもらいたい。それが「わかさ生活」という会社名に込めた想いです。
そして事業を営む中で、幸いにして多くの先生方と出会う機会に恵まれ、さまざまな研究結果を集めることができました。その情報を、商品としてだけでなく、皆さんに役立つ知恵としても提供したい。そう思って書いたのがこの本です。
認知症は、ときに家族の穏やかな暮らしや関係性までも壊してしまう、悲しい病気です。ぜひ大好きなご家族の顔を思い浮かべて、本書を読み進めてください。
この本が皆さんの幸福な将来のために少しでも役立つのなら、これほど嬉しいことはありません。
目次
『長生きでも脳が老けない人の習慣』
著:角谷 建耀知(かくたに けんいち) アスコム刊
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