4/29 SPOTLIGHT
2024/04/29 SPOTLIGHT 関東編 @ CLUB CITTA’
4月29日に川崎・クラブチッタで開催されたSPOTLIGHT2024関東編を見てきました。筆者はフリースタイル日本統一の収録は観覧したものの、本格的なMCバトルのイベントは初参加なので、初心者視点で感想をまとめました。現場に行ったことのない方は参考にどうぞ。
下線部はリンク付き。7千字。
▶︎当方ICE BAHNに忠誠(LOYALTY)誓う身のため、関連noteをこれまで32本(約16万字)書いています。是非ご高覧ください。
◆ヘッズ歴
筆者はヒップホップ自体は子どもの頃から好んではいたものの、近年は専らロックのリスナーだった。
ヒップホップに久々に戻ってくるきっかけとなったのがICE BAHN。
そこから日本語ラップを聴くようになり、MCバトルも見るようになった。
バトルヘッズ歴は1年ちょっと。
普段、活字を読む機会が多いため、MCバトルで魅力を感じるのは言葉の使い方が主。
ただ、俵万智さんと夏井いつきさんがバトルするより、やはりFORKさんと呂布さんがバトルするから魅力がある。各MCのBBOYイズムと、ヒップホップ文化へのリスペクトがあるからこそMCバトルはカッコ良くて面白い。
使われているビートや、サンプリングの元ネタ、MC同士の関係性や背景など、知識があればあるほど楽しい界隈だと感じる。そのため一時のエンタメとして消費せず、反芻しながら心の栄養としている。
1年以上熱心に追っていたのに現場に行く機会がこれまで無かったのは、大都市圏から離れた地方住みであるのがまず一つ。加えて、バトルイベントの種類がありすぎて各大会の特徴を掴むのに時間がかかり、どれに行けばいいか分からなかったのも要因だった。
やっとイベントごとの色が分かってきて、初めて行くならスポラがいいなと昨年から思っていた。
◆スポラを選んだ理由
スポラを選んだ理由はいくつかある。
①韻踏がいる
筆者は韻踏大好きなので、これは大きい。
2/9のチケット発売時点では出演者分からなかったけど、スポラは韻踏のライブは絶対見られると分かっていたので構わない。ライブ、好きな曲ばかりで嬉しかった。
②運営と日程
今回4/29のイベントのチケ発が2/9だった。遠征する身としては諸々の調整が必要なので、これだけ日程発表が早いとありがたい。しかも4/29は祝日なので、休みが取りやすかった。
そして4/27にICE BAHNのレギュラーイベントがあると分かっていたので、1回の遠征で2つイベント行ける!と思い即チケット買った。
③ヘッズ満足度
1年超追ってみて大会ごとの色がなんとなく分かったが、数あるMCバトルイベントのうち、スポラはヘッズ満足度が高い大会だと感じた。韻踏がいる。ブッキング良い。物販、ライブ、MCバトル、サウンドクラッシュがあり内容盛りだくさん。画面越しで配信を見ていても楽しいし、現地民の口コミも高い。あと出演者も楽しそうなのが良い。
今回は、一言申せば、チケット高いなとは思った。ファストパスと2階席8980円、スタンディング6980円。会場規模とメンツを考えると充分理解できる金額ではあるものの、もう少し安いと行きやすい。相場を知らず容喙すべき立場にないが、客層若かったから特に感じた。
◆スポラの特徴
①韻踏がいる
ライブもなんだけど、バトルビートも韻踏の曲が多いからアガった。好きなビートばっかだな〜と思って後で振り返ったら、韻踏多かった。
②HIPHOPサウンドクラッシュ
サウンドクラッシュって何?という人は、まずはコレを見てほしい。
↑FORKさんのダブ。何回見たか分からない…
スポラのダブ(この日のために録音した、市販されていない音源)は超豪華。これまでのスポラを見れば、KREVAさんとかヒルクライムとか、MCバトルの現場で普段見ない人たちが参加してるからアガる。今回も豪華だった。
③アカペラ
スポラのMCバトル決勝は60秒のアカペラがある。昨年のチコさんと輪入さんの決勝が記憶に残る。
④This is MC Battle
スポラの定番で、ベストバウトといえるようなアツい試合があったらみんなで「This is MC Battle!」と言う。
今回は裂固君とMAKAさんの1回戦でそれが飛び出た。
この言葉は、曲にもなっている(FORKさん参加楽曲)。
ENTERと繋がってる…とかライブバトルがある…のは関西でやるやつなのかな?不勉強ですみません…
◆クラブチッタ
今回の会場はチッタ。チッタがどんな会場か。
参考に、過去にチッタで行われた試合を貼りたい。
"HIDADDY vs FORK" UMB2006
FORK VS カルデラビスタ "EXHIBITION MC BATTLE" SOWL VILLAGE
なおチッタのドリンク交換は水のみペットボトル。カバンに入れて持ち帰りやすいので私はいつもペットボトル派。ドリンク代は600円。
今回、川崎自体、初めて足を踏み入れた。
首都圏住みの複数のヘッズが、「チッタは周り何も無い」「時間つぶす場所ない」とツイートしていたのが衝撃だった。ラチッタデッラもラゾーナもあるのに、都会っ子の感覚すごいなと思った。
◆懸念
初参加かつソロ参加だったのでいろいろ懸念があった。私が知りたかったことを中心に記したい。
①一人でも楽しめるか
楽しめる。物販で写真撮る時どうしよう、インカメ?と思ったけど、周囲の方が撮ってくれたから問題なかった。
待ち時間はラチッタデッラ散歩してイヤホンで韻踏聴いてワクワクしてたから問題なし。
開場後は、ただBGM流れてるんじゃなく、DJが盛り上げていたので開演まで楽しめた。
始まってからは基本ステージ見てるから、言わずもがな一人でも楽しい。
周囲もそこまで他人に興味ないし見てないからソロ参加でも浮かない。
ただ私一人で行動するの元から好きだから、参考にならないかもしれない。
その場でヘッズ仲間つくりたい人もいるのだと思う。私も話しかけられた。(知らない人と話すコミュ力ないので、とりあえずニコニコした…)
②客層
筆者も女だが、女性客は2割くらいだろうか。先日Creepy Nutsのワンマンに行ったところ、男女比は半々か4:6で少し女性客が多かった。裾野拡大で言えば、MCバトルはもっと女性客増えてもいいと思う。実力主義の世界のため、女性ファンが多いMCはアイドルラッパーとかバカにされがちな空気も感じてるけど…。
年代層、10-20代が主だと感じた。勿論それより年齢高い方もお見かけした。
ロックのライブだと、長年追ってるとファンも年取るから、バンドと客の年齢層は比例する。
バトルは、出演者の年代構成の割に客層が若い。これは、客層が流動的なのかなと感じた。流れた先は、どこなんだろう?
音楽ナタリーで、MC正社員さんが以下のようなことを述べていた(2024/1/22)。
MCバトルって面白いのに、なんで1、2年で冷めるんだろうと思っていたが…ネガティブな言葉からネガティブなバイブスを受け取る時がまあまああるからかな?と。個人的には炎上も荒れる試合も楽しくないから、そういうことが(特にFORKさんに)あれば、目を背けるため離れるだろう。
クラブイベントを見に行った感じ、バトル卒業してクラブに流れるわけでもない気がした。
バトルとライブの集客力一致してないし。
バトルは規模の割に運営が人手不足っぽいのも感じる。
私のようにdigるのが好きなコア層が少なく、ライトな楽しみ方をしている人が多いのかな。お金と時間と熱量をかければそんな簡単に離れないと思うけど、YouTubeや無料配信で遠くから見てるだけなら離れやすいかもな。
単純に、10-20代ってライフステージの転換期で、新生活忙しくしてるうちに趣味変わるのかな?
まだこの辺、界隈の文化をよく掴めていない。
③荷物
スタンディングの場合、基本的に身軽な方が肩が凝らず疲れない。ただ物販でいろいろ買いたいから、物販終わったらカバンをロッカーに荷物入れるかどうか迷った。
ロックのライブは押されるから基本的に手ぶらで見る。他方、MCバトルもライブも後ろの人から押されたり波が起きたりはなく、ロッカー使わなかった。
配信で見る限り、他のMCバトルイベントでも、すごい人に押されることってなさそうだけど、混み具合によるのかな?
あと自分の場合、これにサインしてほしいと言うのがあったのでそれ持ってった。
④脚の疲れ
今回はサクサク進行し、3時間ほどで終わったので脚疲れるに至らず。予想より早く終わり助かった。一応メディキュットやサロンパスなどケアグッズ用意していたが使わなかった。トイレ行きたくならない食べ物とかも調べてたけど、大丈夫だった。
私は前の方で見なくてもいいと思ってるから、今後も後ろの方でゆっくり見る。1列目だと離脱しにくいので(軟弱)。
◆物販
開場前に事前物販があったので、それに合わせて会場へ向かった。
これも行く前からかなり謎だったので、自分の疑問点を中心に書く。
①好きだと話せない
これまで国内外でさまざまなライブ行ったけど、直接話せる距離感の方を応援したことがなく、界隈の文化がかなり謎だった。経験しても、まだよく分からない。自分のマインドセットの問題もあるけど、好きなMCと話せない。みんな何話してるんだろう。好きです!以外出てこない。
私は地方住みだから足を運ぶ機会は限られるが、行けば話せる距離にいるのは、親近感が高まり楽しいだろうなと思う。
親近感高まれば応援する気持ちは高まると思うんだけど、なんで客層が流動的なんだろう?
②何が売っているか
物販に何があるのかも謎だった。見てみたらこんな感じだった。
行ける限りたくさん行きたいけど、何人回ろうかな〜と考えていたが、予算的に4人。(時間的には全員回れたが。)
「お金無いから物販諦める」というツイートもたまに見るため、単価の安いステッカー等があれば(そして何を売っているかの事前告知があれば)行きやすいと感じた。
今回私は初参加だから良いものの、同じ人の物販に繰り返し行きたい場合、何買えばいいんだろう?同じCD何回も買う?
③誰がいるか分からない
MCバトルの物販は出場者全員が参加するものではないらしいとはあらかじめ理解していたものの、実際現地に行くまで誰がいるか分からなかった。出場MCのTwitterを事前にチェックしたけど、告知する人としない人がいた。
誰が来てるのか?何が売ってるのか?(価格帯)は客として知りたいところなので、事前告知があればありがたい。
行ってみて何も買わないと失礼だなと思い、近づきにくいので…。
④どこにいるか分からない
物販スペースに入ったら机が並んでいて、MCもスタッフの方もお客さんも入り乱れていたので、誰がどこにいるかパッと見分からず、ウロウロして探した。目が悪いので、目を細めて皆さまの顔ガン見しながら探すことになり申し訳なかった…
机の上に小さくMCの名前が書いていたが、もう少し大きく名前を書いた貼り紙があるか、物販の入り口に配置図があればありがたい。
⑤小銭は用意した方がいい
MCの方々、お釣りをくれる時、普通に自分の財布から小銭を出していた(なんかフリマとかで使う小銭セット持ってきてるのかと思ってたら)。
お釣りあるよ、大丈夫だよ!と皆さん言っていたが、みんながお札出したら小銭切れちゃうのでは?と思ったため、行く際は100円硬貨多めで行った方がいいなと思った。ドリンク代(チッタは600円)もかかるから、千円札と100円硬貨は多くあった方がいい。コインロッカーでも使える。
⑥裂固君
この日優勝した裂固君は「事前物販でステッカー売ります」とTwitterに書いており、ステッカーの値段も過去ツイに書いていたから、行きやすかった。
告知見て行ったのに、最初後ろ向いててどこにいるか見つけることができず、スタッフの方が「裂固いますよー」と声上げてたので分かった。
初めて会ってみたら、
😊✨😆✨✨😄✨✨✨
↑こんな感じでずっとキラキラしていて、ポジティブなバイブスを受け取った。
ちなみに裂固君の複数の曲は、ICE BAHNのBEAT奉行さんが手掛けている。
前におすすめ曲など記事にしたので是非↓
(ミメイ君とのバトルの紹介記事)
想像の余白を残すべく(身バレ防止のため)他にお話しした方の名前は書かないけど、物販行っても行かなくても、出場した皆さまのことを応援しております。
◆サウンドクラッシュ
今回の出演は
で、初出場のYARZエグかった。多分みんな同じ感想だと思う。
初手がAwich - WHORU? feat. ANARCHY
あとチーム友達…!
PWさんはじめ、出演者も袖でアガっていたのが良かった。
個人的には、サ上さんとCRCさんのICE BAHNのクラウチングロケットのダブが本当にありがたかった…原曲2003年で声若いから、特にFORKさん。ライブでもやる曲ではあるが、今の声で高音質の音源がずっと欲しかった。昨年末の横浜のエンタダでも流れたようだけど、これ「川崎」って言ってるから新録なのかな。スポラはAbema配信あるから高音質で保存でき最高。クラウチングがそもそも好きだから、今の3人の声verは最高すぎて未だに毎日聴いている。カッコいい。
韻踏の「踏んじゃった」も良かった。
◆バトル
前日に西さんが急逝し、Yes Vibesな試合が多かった。
以下敬称略。下線部から、バトルビートのYouTubeに飛ぶ。
◇1回戦
GOTIT vs DOTAMA
→disrespect4u
→これ聞いてて思ったけどやっぱ物販いなかったのか。私行った時にいないだけかと思っていた。GOTITさんらしさが出た試合。
MAKA vs 裂固
→BBBB
→昨年の口喧嘩祭のKTR君との試合(ビートはビリケン)もベストバウトだったけど、MAKAさんやKTR君が絶対得意じゃん!というビートを乗りこなして勝ち切る裂固君すごすぎでは?MAKAさんもカッコよく、this is MC battle。
→口喧嘩のKTR vs 裂固
ふぁんく vs NAIKA MC
→RANDO(watson)
→ここまで見て、カードが良いなあと思っていた。全部見たい組み合わせ。
GIL vs ニガリ
→RGTO
→GILさん東北訛り出てて好き
ERONE vs MOL53
→トラボルタカスタム
→会場で聞いてて53さんの高音は聞き取りやすかった
→こっそり書くと、韻踏で一番ERONEさん好き。インファイトとベストマイクロフォニスト賞はERONEさんのバースが一番好きまである
L.B.R.L vs ミステリオ
→韻踏の祇園
→ゲストで呼ばれてるからカマすの義務!のとこ好き
Power Wave vs TK da 黒ぶち
→ネバダイ
→このビートでPWさんは気持ち良すぎる
Ry-lax vs CIMA
→東京25時
→CIMAさんが「1回戦からオモロなりそうなMCと当たったで🍺楽しみ!!」と書いていて誰?と思ってたらリラさんで納得した
→リラさん好きなのでどっかで優勝するところ見たい
◇準々決勝
裂固 vs GOTIT
→ストサバ
→裂固君、韻固いけど会話もできるよな…
NAIKA MC vs GIL
→街風
→GILさんの最後のバース「俺たちは闇さえも光に見せれる」「この真夜中の太陽、スポットライトと共鳴したとこ」落とし方が綺麗すぎる、今大会一番のパンチラインだと思う
L.B.R.L vs MOL53
→do it till i die
→お前のアー写はホストか?て別の試合でも誰かに言ってないっけか。誰か忘れたけど
TK da 黒ぶち vs CIMA
→王手、韻踏で一番好きなビート
→TKさんの会話の内容良すぎて刺さった
◇準決勝
裂固 vs GIL
→マジでハイ
→3/16凱旋ジャイキリの再戦
→凱旋ジャイキリのこの2人の試合がとても良くて、しかもその時は裂固君勝ち筋が見えないくらいGILさん強かったから、裂固君ここ勝つんだなと思った、すごい
MOL53 vs CIMA
→show time for life(scars)
→伝説建設!
◇決勝
裂固 vs CIMA
①マラドーナ
②アカペラ
③前人未踏
CIMAさんもずっと安定して良かった。裂固君おめでとうございます。
▶︎優勝後の本人ツイート
今の髪型とても似合ってる。
◆ライブセトリ
AKLOさんと韻踏、どっちも20分ずつ。
◇AKLO
1.Red Pill (アカペラ)
2.Legacy
3.カマす or Die
4.Count on me
5.New Days Move
6.Heat over here
7.別にいいんじゃん?ft.ELIONE
8.百千万
9.RGTO
◇韻踏
1.祇園 (新曲、たぶん配信まだしてない?)
2.マラドーナ(2019, マラドーナ)
3.都市伝説(2010, 都市伝説)
4.前人未踏(2010, 都市伝説)
5.Real Gold(2016, Real Gold)
6.百戦錬磨(2014, Now)
7.揃い踏み(2002, Critical 11)
8.Never Die(2022, So Far, So Good)
-MC-
9.一網打尽 Remix(2014)
AKLOさんはソロだから分かるけど、韻踏4MCなのに同じ20分で9曲やってるの、すごい繋ぎ方してる。王手もストサバも残ってるけどベスト盤的選曲。どの時代の曲もカッコいい。
楽しいひとときをありがとうございました。
▶︎スポラついでに横浜観光をして来ました。訪れたのは全てICE BAHN関連地です。ご旅行の参考にどうぞ。
▶︎スポラの前々日、1年半くらい好きなICE BAHNのライブをようやく見に行きました。本当に好きなMCを目の前にしたとき、人間はどうなるのか。深夜2時前に20分見たライブの感想、1万3千字。(現在お読みいただいたこのnoteの倍の長さです。)
▶︎昨年11月のスポラの感想、FORKさんの話しか書いてないけど…本人いないのに……
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