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【JOKER】の高麗納戸の禍事にゴッサムシティの皆の喜ぶ #短歌 /国民文学12月1日〆分原稿

令和元年12月1日締め切り分の原稿です。よろしくおねがいします。
糸満市 渡部敦則


ことばことばうるさいうるさい牢獄の情報の虫の悲鳴は毎晩

警告をお読みください私の柔らかいところと軟らかいところの

石垣の高きのごとく再建の計画見えず虚しき城跡

グスクより青花の出土人間の単なる暮らしの実感を得る

VRの今帰仁城はたくさんの兵を率ゐて最後の戦ひ

ARで槍兵弓兵配置して中城城を死守するゲーム

ジオラマは見事に那覇湊再現す元寇に備へた見張りのグスク

声優のトークショウのチケットに見事に当選いざ秋葉原

誰の声も聞えざる部屋ネットカフェ頭はからつぽ脱稿を急く

正殿の龍柱だけが無傷なり光る眼は再建の道

【JOKER】の高麗納戸の禍事にゴッサムシティの皆の喜ぶ

逆引きの古語辞典で現代の感情に沿ふ言葉を探す



 高麗納戸(こうらいなんど)は灰がかった暗い緑色のことです。「高麗」は江戸時代に活躍した四世松本幸四郎の屋号です。歌舞伎の演目「鈴ヶ森」で松本幸四郎が着用した合羽の色が由来で、その後評判を呼んで名前に「高麗」がついて流行色となったそうです。
 鈴ヶ森は江戸時代の処刑場があった場所。現在の東京都品川区にあります。演目「鈴ヶ森」でも治安の悪さが描写されているとのことです。
 映画の「JOKER」は、静かに憎悪を重ねてJOKERになっていく様が見事にグロテスクに描かれて傑作です。ぜひ、ご覧ください。おすすめです。

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