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withコロナ時代 女性誌タイトルは、どう変化した?

安直に比較できないけれど今、最も「変化が求められている雑誌カテゴリ」女性ファッション雑誌ではないでしょうか。
「人に会う」ことを前提に洋服やコスメなどを訴求してたものの、StayHomeや新生活様式によって「着飾る理由」が縮小化し、読者ニーズも広告出稿クライントのコンディションも変化しているわけですから。

編集長の手腕が大きく問われる今こそ、雑誌の企画やキャッチコピーを分解して、どんな意識でどのように今を捉えようとしているのか、探ってみたいと思います。


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▷ SPUR

集英社のモード誌の「SPUR」。
最も「Stayhome」と真正面から向き合って誌面を作っている印象でセンシティブな空気感を受け止めて、ポジティブな意識を提案する言葉がよく使われています。

特集企画の多くは「部屋のカット」で占められていて、読者としてはリアリティのある誌面でした。モード誌らしいハイエンド感・本格志向の表現は、登場演者で品質管理をしているように感じられました。この事態に対しての編集長のスタンスが感じられました。

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[企画特集]
Love My Home

日々忙殺されて、おろそかにしてたこと。
本当に大切にしたい誰かのこと。
パンデミックがもたらした非常事態を自分にとって価値ある生き方について考えるチャンスにしたい。そこで、トップモデルから写真家、スタイリスト、料理家まで、世界で活躍するクリエイター26名に、心地いい暮らしについて取材した。”おうち時間”の中で気づいたことをここでシェア。よりよい未来のためにまずが身の回りのことから始めよう。

クリエイターのLove My Home

どんな格好でステイケーション?
「どうせ誰とも会わないし」なんて、スウェット上下で過ごすのはもったいない。実は家の中こそ、誰にも気にせず自由におしゃれを楽しめる絶好のファッションスポット。スタイリストからバイヤーまで、プロが素敵すぎる部屋着を拝見!

インテリアのプロたちのSWEET HOME

わたしのポジティブ・ステイホーム


モードは”沈黙しない”
ポスト・パンデミックのモード界にはどんな未来が待っているのか。混迷の中で、それでも私たちはファッションの力を信じている。

あなたの肌を救う ヒーローはここにいる!

バスルームから クリーンビューティ


▷ VERY

言わずと知れた最強ママ雑誌。
消費者心理の解像度が高く、既視感あるキャッチコピーは存在しないVERYが、どんな風に変わるのかな?と楽しみにしていたけど、これまでの”既定路線”から大きな変更は見えませんでした。既に決定した広告は当然だけど、大特集でさえ。登園やオフィス出勤、買い物の撮影カットも多くて現実との乖離で没入することは難しかった。ある意味、コロナ感を入れないことで世俗的な空気を抜いたのか‥

一方で「VERY.jp」では変更が見えます。
グローバルナビの先頭に「おうち時間」が設定され、Stayhome期間中にフィットするコンテンツや集約されています。

VERYは近年Webコンテンツにも注力している勝手な認識なので、役割分担として配信する情報(タイムリーなもの・普遍的なママニーズのもの)で区分したのかもしれないですね(超仮説だけども)。

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[特集企画]
オシャレが気持ちを変えてくれる!
笑顔が似合う♡ ハッピーコンサバ始めます!

みっこちゃんと、これからの“いい妻”らしさを考えました
周りを明るくする清潔感に 10の“コンサバ新名品”

部屋着のスエットでいるより、
おうちコンサバで自分もまわりも笑顔が増える♡

今こそスッピンも顔の〝余白〟もオシャレにカバー

今ならできる!
自分のためのポジティブなコト始めよう 内から、外から
美白賢者に聞きたいコト全部!


▷ mina

センシティブなマインドを排除して、今の読者が求めるコトを考え抜いて作られた”これぞ編集力‥!”と思った雑誌はmina。圧巻の仕上がりでした。

Stayhomeの事態に合わせてファッションやメイク、アクセサリーのコピーを巧みに調整していたり、モデルたちも「単身」で主に部屋の中。リアリティがあって、ターゲット読者ではない私からしても「面白いなぁ」と拍手。

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[特集タイトル]
週末はリラックスできる 夏のスタンダード服と。


(その他のコラムタイトル)
・mina女子がおうち時間でついついやっちゃうこと
・のんべえ女子の週末ほろよい雑学
・動画配信サービス各社さん、おしえてください!

おかし特集の最高。
P24にもなる壮大なお取り寄せ特集もminaらしい編集スタイルでとっても魅力的でした。ぜひmina世代でなくても何らかの形で読んでみてください。

▷おいしい おやつを お取り寄せ
おうちで過ごす時間が長くなって、食欲と甘いものへの愛が増大。
美味しそうなスイーツの画像を検索しては、うっとり。
そんなmina女子のみなさんの日常に幸せをお届けする企画です。
ページをめくってもめくっても、おやつおやつおやつ。しかも、全部「お・と・り・よ・せ」できるから、おうちで味わえるんです。
お菓子のプロ、モデル、ブランドプレス、minaスタッフ‥‥おやつを愛してやまない総勢52名が選んだ全国各地の「絶品おやつ」。自分のためのご褒美、みつけてくださいな。


▷ CanCam

20代の働く女性をターゲットにした「CanCam」。今回はモデルの結婚発表も相まってWedding特集に。結婚観やおうちでの過ごし方の取材にシフトしたのは上手だなと思いました。

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[企画特集]
芸能人やインフルエンサーの結婚観とおうちでの過ごし方を徹底取材!
結婚したら「一緒に家に帰ろう♡」

気温差の激しい季節、天候合わせなおしゃれを楽しも♪
これでOK! 初夏の王道スタイル8

「その肌ズルい!」って思わせちゃう
すっぴん以上、ファンデ未満の疑似素肌メイク

▷ レタスクラブ

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レタスクラブは最新号ではなく4月に発売された5月号。
学校の休校措置×リモートワークなどで調理負担が増大した主婦読者にむけての「私も休めるレシピ」のタイトルは、インサイトを深く突いていて引き込まれました。

[特集企画]
おうち時間が長くでも余裕ができます
私も休める ラクごはん

家族みんなが家にいると、あっという間にごはんの時間がきて
「ずっとキッチンにいる!?」状態になっちゃいますよね。そこで今号では、ラクをしつつも、でき栄えはそうは見えないレシピをご紹介。これでゆったり時間を作りましょう!

\疲れててもできる!/
リアル10分ごはん

\キッチンにこもらずラク!/
セルフでどうぞ


これまでの女性雑誌像で突き進むか、
新「女性雑誌」像を組み立てるか。

「着飾る頻度」が極端に減った今、どのような意識で洋服や化粧品、アクセサリーを届けると心が動くのか? この視点を追求し、InstagramやWeb情報と圧倒的な差別化ができる切り口を見出した雑誌は強いと思います。

・気持ちを切り替えるために着飾ることを提案
・テレワーク時の新しい着飾るスタイル提案
・リラックスするための着飾り方を提案
‥‥
どんなかたちになるのか、私も注目していきたいと思います。

\Twitter、やってるヨ!/




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