見出し画像

あがり症ってそもそも何?

人前に立つと上手く演奏ができない。

よくあることだけど奏者にとっては致命的な状況ですよね。

そんなあがり症ですが、そもそもあがり症って何なのか考えたことはありますか?
人によって症状は様々かと思いますが、一旦ここで整理しておきましょう。

あがり症の症状あれこれ

顔が赤くなる
手が震える
声が震える
呼吸が浅くなる
頭が真っ白になる
冷や汗をかく
鼓動が速くなる
鼓動が自分にも聞こえる
お腹が痛くなる…

などなど。
症状は人それぞれありますよね。
ここに挙げたこと以外にも様々な症状があるかと思います。

ちなみに私の場合は呼吸が浅い、身体が硬直する、
手汗、唇の震え、手の震え、
鼓動が速い且つ自分にも聞こえる、
唇や口の中が渇く、といった症状が出ます。

演奏するにあたってこれらの症状は非常に厄介。
自分の音に、演奏にダイレクトに影響が出ます。

あがり症=注意力散漫状態

人前に立ってあがってしまう時は何を考えてますか?
これも私の場合を例に挙げると

楽譜を追わなきゃ。
伴奏者と合わせなきゃ。
身体に力が入ってるからリラックスしなきゃ。
唇が震えるのを抑えなきゃ。
あの連符ちゃんと吹けるかな?
息が続かない。
全然良い音が鳴らない。
今すぐ演奏を中断してしまいたい。
もう駄目だ…

これらが頭に浮かんでループ。
演奏中ずっとです。

ネガティブ思考が良くない、というのはもちろんですが
それ以前に考えてることが多すぎません?
集中できてなくない?

あくまでも演奏などでのあがり症についてですが、最近私は「あがり症とは注意力散漫状態であること」だと思っています。
他人の視線が集まる中で色んなことを気にしすぎて、演奏そのものが疎かになっている状態。
そりゃ良い演奏ができなくなるよね。
ちゃんと演奏に集中しなくては。

本当に集中できてますか?

いやいや。
集中するなんて当たり前じゃん笑
何言ってんの?笑

…って思うでしょ?
ちゃんと練習、演奏に集中する。
当たり前…に思えることが果たして本当にできているでしょうか?

実はこれが非常に難しい。
ある程度演奏技術がついてくると特に。
何故なら演奏しながら全く別のことを考えることができてしまうから。
意識は自分の身体に、音に向いていますか?

「場数を踏む」「回数をこなせば慣れる」は幻想

練習する際、できない箇所をがむしゃらに繰り返す。
ステージ慣れするには場数踏むことが大事。

こういったことをよく聞きますよね。
でもきっと、集中できてないのであればそれは時間を消費しているだけになっている。

練習時間はめちゃくちゃ長いんです。
何回も繰り返し練習したんです。

でもそれが本当に身になっているのかは疑問です。
というのも、学生時代の私がまさに同じ状況だったから。

先日書いたnoteの中で学生時代の練習時間についても少し触れましたが、
朝6時〜13時まで個人練をするという生活を3年間続けました。
多少は技術向上したことでしょう。
でも、早朝4時起きして始発電車で大学に通っていたこともあり常に眠かったり、
回数をひたすらこなす練習だったり…
集中できてなかったんですよね。

場数を踏む、ということにしてもそう。
BGM演奏の仕事を7〜8年続けていようとあがり症の症状が出ることは多々ある。
去年から続けているライブ配信だって物凄く演奏不安に駆られる。
ただ回数をこなすだけでは意味がないのです。

何かひとつのことに集中する

詳細についてはまた改めて記事を書こうと思いますが、私が最近心掛けていることについて。

何に集中するかは人それぞれだと思いますが、
私は演奏する際の口元に意識を向けています。
アンブシュア、アパチュアの形も大事なんだけど、
それよりも息の流れに意識を向けて空気が通る感覚に集中。
息の流れ、圧力が良い音、良い演奏に繋がるのはもちろんですが、
演奏の善し悪しに関わらず息さえ出せれば何かしら音を鳴らすことができるから。

非常に単純。
当たり前すぎる。
客観的にはそう感じるかもしれません。
でも人前に立ってあがってしまうとどんなに当たり前なことにも気付けないものなのです。

そしてこれは本番の時だけ意識を向ければ良いというものではありません。
個人練習の時からしっかり意識を集中する。
というか集中する練習をする。
本番の時にいきなりできるとは限らないのです。
いや、できません。
集中する前にパニックになってしまって考える暇もないのです。

私は昨年から自宅でライブ配信を月2〜3回、定期的に行っており、
その回数は40回を超えました。
自宅にいて、回数も重ねていて、目の前に観客はいない。
それでも毎回緊張しています。
あがり症の症状が出てしまうこともあります。
でもひとつのことに集中するよう心がけるようになって最近はとても楽になった。

今の配信環境は実は演奏者にとって非常にやりにくい。
1畳程度の防音室で身体の動きが制限されてしまうこと。
ヘッドホンのせいで自分の出している音のフィードバックができないこと。(ヘッドホンの性能云々というより、やはりヘッドホンなどせず生音を聴くのが一番良い)
物理的な圧迫感。
チャットの文字を読み取るということ。
演奏だけではなくトークもするということ。
音割れしないよう気にしながら吹くこと。

挙げるとキリがないのですが、直接的な人目はない代わりに集中力を削ぐ要因がたくさんある中で配信してます。
そんな中でもひとつのことに意識を集中するよう心掛ける。
鍛えているような感じ。
きっとリアルで舞台に立つ時に見える景色は以前とは違うものになっているはず。

「当たり前」に惑わされないで!

以前読書していたら「集中して練習する」という文章が出てきて
「そんなの当たり前じゃん!長時間練習できてるんだから集中してるよ!」なんて思ったことがあります。
でもそれでは何も進展しない。

そんな「当たり前」に惑わされていたことに気づければ何かが変わるはず。
当たり前に思えることにこそ解決のヒントが隠されている。
謙虚に、素直に。
否定せず、まずは受け入れてみませんか?


ここまでお読みくださりありがとうございました!
宜しければ「スキ」などして頂けるととても喜びます!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?