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飲食店を取材するライター、編集の方にお願い

bar bossa、20年たつのですが、1年に数回は取材を受けているので、たぶん100回くらいは「取材された経験」があります。

ここはnoteという場所なので、ライターの方、編集の方、すごくたくさんいますよね。

ですので、「飲食店の取材をするライターや編集」の方に、「できれば、こういうことをしてもらえたら、取材がスムーズに進みますよ」という文章を書きます。

①どういう特集やコンセプトの記事なのか、読者層はどのあたりなのか、いつ発売発表される記事なのか、他のお店はどういうお店が掲載されているのか具体的に教えて欲しい。

「あのお店とあのお店が出てるんだ。じゃああまりワインはかぶらないように、うちはボルドーワインを紹介しようかな」とか

「40代や50代がターゲット層なんだ。じゃあ、高いグラッパやシングルモルトなんかを紹介しようかな」とか

「8月に発表されるんだ。じゃあ涼しそうなミントを使ったのとか、スパークリングワインとかを紹介しようかな」といった具合に、あらかじめ準備ができます。

②取材依頼のときに、撮影用の料理は何皿必要で、どういう料理が必要なのか、そしてその料理の「代金は支払ってくれるのか」をあらかじめ伝えて欲しい。

「取材費があまりなくて、料理の代金が支払えない」っていうケース、たまにあるし、まあ仕方ないとは思うのですが、払えないなら払えないと先に伝えて欲しいです。

bar bossaはそういうメニューはないのですが、フレンチとかで2万円のコースを用意して、「払っていただけない」っていうのは、ちょっとつらいのであらかじめ相談したいとかあると思います。

③飲食の基本的なことは知っててほしい

例えば、ワインはカベルネ・ソーヴィニヨンやリースリングといったブドウ品種から出来ているといったすごく基本的なことは知っていてほしいです。

「これは南仏のピノ・ノワールで…」と説明していて、「すいません。ピノ・ノワールって何ですか?」とか言われると、「そうかあ、そこから話さなきゃいけないんだ。じゃあさっき話した内容、ちゃんと伝わってるのかなあ…」って不安になります。

もちろんすごく詳しい必要はないのですが、例えば「醸造酒と蒸留酒の違い」くらいは知っていてほしいです。

あるいは、普段から積極的にバーや知らない業態のお店にも行って、「こういうの流行ってるんだ」とか「やっぱりいつもより少し高いお店にすると食材の味が全然違う」とか経験値、上げるといいと思います。

例えば、有名なシェフにインタビューするとき、そのライターさんが肉の部位やジビエの美味しい季節や地域のことなんかに詳しいと、そのシェフはすごく喜んで、いろんな料理や食材の話をしてくれると思います。良い記事になりますよ。

「そんなにお金がない」という方、インターネットですまさずに、図書館に行って、料理やお酒の棚の本を利用するのもアリだと思います。

④漠然とした質問はやめてほしい。

例えば、bar bossaの取材でたまにある質問で、「ボサノヴァのどういうところが良いと思いますか?」というのがあります。

例えばあなたは、「クラシックのどこが良いですか?」とか「ジャズのどこが良いですか?」とかって答えられますか? あるいはそれを答えたとして、記事に落とし込めますか?

同じように、「ワインのどういうところが好きですか?」とか「バーテンダーの仕事ってどうですか?」とかも困ります。漠然としすぎてて、そんな良い答えはでてきません。

もっと具体的に、「お店のコンセプトをボサノヴァにしようと思ったきっかけは?」とか「ワインをメインにすることで、客層はどうですか?」とか「これからバーテンダーをやってみたいという人に、これだけは伝えたいことって何ですか?」とかって感じにしてほしいです。

⑤申し訳ないけど、早く終わってほしい。

取材って普通、開店前の「仕込みの時間」なんです。僕の場合は「バー」なのでそんなに仕込みはないのですが、「ああ、早く帰ってもらって、あのお肉処理したい」とか思っている料理人、多いと思います。

インタビューしている間に、撮影は全部すませるとか、料理はこのタイミングで出してほしいとか、そういった「手順」をあらかじめ決めてから来てほしいです。

一度、取材が終わって「失礼します」ってお店を出た後に、「外観」を撮影する人たちがいて、「わかってるなあ、助かるなあ」と思いました。

できれば、「取材は○時~○時まで」って決めていただいて、終わったらすぐに撤収していただきたいです。

 ※

今、読みなおして、「なんか偉そうだなあ自分」と思うのですが、すいません、最近は「年長者として若い人に伝えなきゃ」とよく感じているので、参考にでもしてみてください。

#コラム

お酒やバーについての僕の本です。『バーのマスターはなぜネクタイをしているのか?』 

bar bossaに行ってみたいと思ってくれている方に「bar bossaってこんなお店です」という文章を書きました。

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