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1人チームのデザイナーが、6人チームになったらこんな変化がありました

SmartHRでデザイナーをやっているbebe(@watabebe)です。
2019年の1月でSmartHRのデザイナーが合計6名になりました。

今までは制作に関する取り組みをテックブログで発信してきましたが、チームメンバーも集まってきたので、noteで発信していくことにしました。

今回は、6人になるまでの話をご紹介します。
スタートアップで1人デザイナーとして働いている方、これからデザインチームを作ろうとされている方のご参考に少しでもなれればと思います。

どんなひとがいるの?

SmartHRのデザインチームは「プロダクトサイド」「ビジネスサイド」の大きく2つに分かれています。

プロダクトサイドでやっていること
文字の通りプロダクト制作に関わるチームです。6名のうち3名のデザイナーが所属しています。
エンジニア、PM、ディレクターと共にSmartHRをはじめとした機能のUIやユーザ体験の設計・制作に携わっています。
ビジネスサイドでやっていること
ビジネスサイドに属する他グループの施策や取り組みに関わる制作を行うチームです。6名のうち3名のデザイナーが所属しています。
制作例)
・マーケティンググループとサービスサイトやLP、オンライン/オフライン広告の制作
・セールスグループの提案資料
・CSグループのオンボーディングツール
・コーポレートグループとイベントのノベルティ・ブース設備制作など


5名を採用した基準

以前は、デザイナーひとりでプロダクトサイドもビジネスサイドも担当していましたがリソースが追いつかず、同じく広くデザインに携われるメンバーを求めて採用活動を開始しました。
しかしなかなかそのような方に出会えなかったり、弊社を選んでもらえないことが続いたため、「webに強い」「DTPに強い」「UIに強い」とそれぞれの役割を明確に分けた採用に切り替えました。

もう一つの基準として、できるだけそれぞれ異なる経験をしてきたメンバーを採用したい想いがありました。
入社したメンバーの経歴も、事業会社出身、制作会社出身、スタートアップ出身、海外でフォトグラファーをやっていた、など様々です。
異なっていないと特段問題があるわけではありませんでしたが、そのほうがチームとして持てる視点が多くなる -> 多様性のある強いチームになるのでは、と考えていたためです。
あと、色んなタイプの人がいるのって純粋に面白い職場じゃないかなって個人的に思ってます。


1人の時代の嬉しみとつらみ

自分自身、これまでのキャリアでは10名前後のデザインチームに所属することが多く、SmartHRで初めての1人チームを体験しました。

嬉しみのあった体験

1.自分の制作物が世の中にアウトプットされていく実感を強く得られる

1人なので、当然会社に関わるデザインのアウトプットは他の誰でもなく自分が製作したものです。出したものは良くも悪くも全て自分に返ってくるので、一つ一つ責任を持って、様々にアウトプットしました。
複数名のチームに在籍していた時も自分の業務に責任を持ってやってきましたが、物理的に1人になってみると緊張感がまるで違ったように思います。

2.採用活動で様々なデザイナーに会える

これまた1人しかデザイナーがいないため、採用も基本1人でやります。(もちろん人事メンバーの力を借りながら進めてきました。超絶感謝。)
応募していただいた方も、採用ツールで声をかけさせていただいた方も、皆さんのポートフォリオ・スキル・ご経験をみて刺激を受けまくっていました。
時に、自らやっていく力が凄まじく強い若者に出会うこともあり、己の力量に絶望する瞬間もあったのは良い思い出です。おかげで天狗には一生なれない。。。
また、中には一度デザインを離れて戻ってきた方もいて、様々なデザイナー人生に触れさせてもらいました。

3.今思うと謎で愉快な業務

人数が少なかった時代は本当に色々やっていました。以下例を挙げます。

・社名が変わるときに、社名ロゴが溶鉱炉に沈んでいく画像を、背後に急かす人を抱えながら制作
・Slack用の変な絵文字の依頼が来る
・当時現在のCTOは毎週水曜日にAMいっぱいかけて社員のランチを作っており(この事自体が今思うと不思議)その盛り付けや配膳の手伝い

上記は愉快な業務の中のほんの一部です。スタートアップらしくて面白かった業務たちです。

溶鉱炉の画像

一方でつらみのある体験

1.プロダクトの改善、印刷物制作、LP作成など幅広い対応

幅広く業務に関われることはデザイナーとして楽しくもあります。一方で、その分のMTGが増えて作業時間が取りにくくなったり、業務ごとのコンテキストスイッチを切り替えるのに苦労したり、関わり方も「浅く広く」が極まるとモヤモヤする場面も増えていきました。幅広く対応しなければならないために一つのプロジェクトに深く関われない、この心的負担が一番大きかった気がします。

2.デザイナーとしてデザインを相談できる相手がいない

デザインは自分が最終決定する、とはいえ、周囲のレビューは受けたいものです。当時から、Slackで共有すれば意見をくれるメンバーが社内には数多くいましたが、デザイナー目線でのレビューが欲しい気持ちもやっぱりあります。
単純に採用の方針や戦略なんかも相談したかったなと、今思います。
当時は人脈も皆無だったので、1人デザイナー相談会、というイベントを開くほど困っていました。(どうなるか心配でしたが、結果、いろんなタイプの1人デザイナーが集まって傷を舐め合うことに。ちなみにそれはそれで良かったのです)

3.採用が決まらないと精神的に追い込まれる

周りのグループはじゃんじゃん人が増えていく中、自分のチームはなかなか人が増えませんでした。採用活動の時間は増え、それなのに決まらない。それでも仕事は増え、内心追い込まれまくりました。
色々な採用ツールを使い、エージェントに声をかけ、リファラルで知人に声をかけ/かけていただき、面接面接面接面接...カレンダーを見返したら、多いときは日に3人、月に平均8人くらいの方に会っていたようです。
この経験のおかげで採用に強いデザイナーになれたかもしれません。(それはデザイナーなのか)

それが6人になってこう変わった

書き出してみると割と当たり前じゃないか!と見えそうな内容がほとんどですが、この「当たり前」が1人デザイナーの皆さんにとっては、どれほどありがたみがあるか、共感していただけるのではないでしょうか。

iPadでグラレコをやるメンバーも。これも変わったことの一つ。

1.各自が専門領域で深く関わっていける

当然このために採用を続けてきたわけですが、現在、各メンバーがそれぞれの専門性を活かして、展示会の制作、新機能開発、サイトのリニューアルなど、みなさん大活躍しています。
僕は広く浅く取り組んできた結果、マネジメントにチャレンジしながら、他のメンバーが関わっていないデザイン領域の開拓・拡大を行っています。具体的には、カスタマーサクセスチームと、ユーザオンボーディングから導入以降のツールやコンテンツ制作、マーケティングチームと広告周りやコンテンツ制作に関わリ始めました。

2.デザイン観点のレビューができる

レビューが欲しい制作物を slack の #design_review チャンネルにアップして、隔週でデザインレビュー会を開いています。ここでは比較的、他のメンバーへの相談レビュー(特にレビュイーが意見を欲しているもの)が中心になっています。

この#design_review チャンネル、実は、レビュー会に限らずともみんなが日々どんなものを製作しているのかキャッチアップし合う目的も含んでいます。そのためみんなが量をアップすることが必要になります。
ところが、レビュー会以外の日常業務中では、ひとつひとつレビューするのも意外と大変、レビューされたものにコメントを返すのも思いの外負担がかかり、僕も含めてなかなか気軽にアップすることができていませんでした。
この課題をチーム内で議論した結果、以下の仕組みに変えました。

・基本的にレビューなしでOK
・ワイヤーレベルの WIP でも、何をアップしてもOK
・帰り際にアップして帰ろう(日報のような存在)

この仕組みを入れたことで、アップする人の心的ハードルは下がり、レビュアーも「slack のリアクションをつける」位のライトなレビューで済み、爆発的にアップする量が増えました。

帰り際にその日の制作物を途中のものでもホイホイ投げて帰ると「えらい」などの絵文字がもらえてアップしたくなる

3.デザインに関するTipsの共有が活発になる

人の増加で、共有される情報量・情報共有の量も圧倒的に増えました。
チーム内で言えばいわゆるデザインtipsから、上記の制作物に対するレビューもそうです。社内という枠でみても、他チームとデザインガイドラインの共有をしたりと、デザインに関わる会話が増えてきました。
(情報共有の取り組みに関して、昨年末に書いたデザインツールに関するブログで少し紹介しています。よろしければご覧ください。)

自分の大好物なデザインの情報ですから、普通に楽しいですし、刺激になります。チーム内では切磋琢磨な雰囲気をビシビシ感じてます。
あと些細な変化ですが、 Slack のチャンネルも 1つ -> 5つに増えました。

この間まで「# design」1つだけだった Slack のデザイン系チャンネル

4. マネジメントをはじめた

SmartHRに入社して初めてマネージャーを経験しています。メンバーの評価、定期1on1、組織作りに関わっています。
これまでのキャリアの中では常に上司がいましたし、自分のチームを受け持ったこともなく、僕自身マネジメントの経験はありません。
そのため日々試行錯誤していますが、幸いにして自律駆動できるメンバーが集まっているので、それに助けられながら勉強させてもらってます。隔週のレビュー会もメンバーからの発案です。

定例MTGの風景


今はチームの基盤づくりを絶賛進行中

最近、界隈で良い良いと話題の『Design Systems ―デジタルプロダクトのためのデザインシステム実践ガイド』。こちらの読書会をメンバー全員で隔週で行っているんですね。これがなかなか良い感じでして。

読書会を通じて、一つの題材に対する共通の認識を持つ、個々人の観点で意見を交換する、その取り組み方を改善する(ここでは読書会の進め方)、といった具合に、ただ一人で知識を身につける以上に深く学習できています。
この本の内容自体の学びはもちろんありますが(未読了ですが)この取り組みを日常的に行えていることが1年前を思うと奇跡的だなと僕の目からは見えるわけです。

他にも、デザインガイドライン策定、グループの方針作成、などメンバー間の意識・認識を揃えながら進めていくことが増えていますが、その度に、ようやくチームとしてのスタートに立てたんだなと感じている次第です。
2019年、良いスタートが切れたような気がします。

といったところで、マガジンを発刊して一発目のブログを締めさせていただきます。これから各メンバーがブログを発信してはマガジンにまとめていきますので、ぜひご覧ください。

おわり

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