禁酒法の話~安易な法規制が悪い理由~

どうも、虚無の先と名乗らせていただいている者です。

以前このようなツイートをしました。

当時高々30程度しかフォロワーがいなかった筆者ですが(このくらいの方が敵対陣営に見つからずに好き勝手言えるのでフォロワーを増やす動きを知ろうとさえしていないのですが…)このツイートには200を超えるいいねがつきました。その上、特にこの意見に対して批判的な意見もなかったので、140字では足りないところを補いつつ、禁酒法について見ていくことで、表現規制に限らない(ほかのnoteを読んでくださっている方はご存じかとは思いますが基本的に筆者は表現規制に反対の立場をとっています)嗜好品の規制が社会に対してどのような悪影響を与えるのかを見ていきたいと思います。

また、禁酒法について、英語の動画にはなってしまいますが、こちらの動画で面白おかしく学ぶことができます。ちなみに英語で禁酒法はProhibition(禁止令)らしいです。禁酒法を禁止令とすることで、これ以上安易な規制に頼らないというアメリカの意志が垣間見えるような気がします。

前提:法律で禁止しても欲望は消えない

筆者自身、未成年のころ(今でこそ20超えていますが)、お酒を飲んでみたいと思っていました。もちろん、未成年飲酒は禁じられているので飲みこそはしなかったものの飲みたいとは考えていました。(20歳になって飲んだのですが、貧乏学生が買える程度の安酒だったのもあってドラマとかで描写されたり、家族が飲んでるのを見たりして想像したほどうまいものではなかったです。いつも飲んでるカルピスソーダでいいやと思いました…)

(カルピスソーダのくだりは抜きにして)このような経験をした方はある程度いらっしゃるかと思います。もちろん、法律で禁止されていたとはいえ、飲んでみたいという思いの存在は否定できません(内心の自由の侵害になります)。

また、日本で「カリギュラ効果」と呼ばれる心理現象をご存じでしょうか?これは禁止されるほどやってみたくなってしまうという心理現象のことを言います。例としてわかりやすいのはダチョウ俱楽部の鉄板ネタである熱湯風呂での押すなよ!でしょうか。押すことを禁止されればされるほど実際に熱湯風呂に押しこんだときにその反動の笑いが生まれます(上島竜兵氏のリアクションももちろん笑いの要素として不可欠なものではありますが、それもある意味「押すなよ」と言うことへの根拠になるわけです)。安易に法律で規制するとカリギュラ効果で逆にそれを見たい、試したいという気持ちが強まります。なので、ここの見出しを正確に書くなら「法律で禁止すると欲望が増えてしまう」になります。

「お酒に制約をかけられない」について

実はこれダブルミーニングです。両方とも説明していきます。

1)飲酒行為を守れなくなる

一つ目は法律やモラルによって飲酒という行為を守れなくなるということです。ツイートにもある未成年飲酒の禁止もそうです。未成年飲酒によって引き起こされる害の責任を飲酒行為ではなく飲酒をした未成年者、およびその行為をさせた人間に押し付けることで飲酒行為そのものに累が及ぶことを防ぎました。それが飲酒そのものが違法行為になるとそういうわけにはいきません。

また、酒税も取れなくなります。こちらに関してはどうでもいいと考える方もいらっしゃるかもしれませんが、国から見たら収入です。その収入を失うわけですから痛いですね。

2)取り締まる側のリソースが足りなくなる

警察、司法の人員は限られています。そして、飲酒、および酒の所持で逮捕されるようなら、それらに対して捜査、裁判する必要があります。そして、そこまでやっていられない警察や司法は雑に罰金刑(それも少量)にするだけで放免していたらしいです。言うなればまともに罰することができない法律を定めたわけです。これの何がまずいのかと言うと人々の遵法意識に穴を開ける点です。例えばですが、このnoteを読まれている方のうちどのくらいの方が車の運転をするか知りませんが、都心の高速(首都高、阪神高速、名古屋高速)に乗ると、制限速度60km/h以下なのに多くの車が80km/hやそれ以上の速度で飛ばしているところ見ませんか?そして、みんながやっているならと、80km/hほど出したことありませんか?(周りの車に測度合わせないと危険という点もあるのでこの行為を一様に責められるものでもないですが)ある意味、

赤信号
みんなで渡れば
怖くない

一般都会人

という考え方だと思います。これが、遵法精神に穴が開いた状態です。ちなみに違法行為であるので、警察が何らかの理由で身柄が欲しいと判断したときに恣意的に逮捕することも可能になるという点も忘れてはいけません。

「マフィアが栄える」について

禁止薬物はよく暴力団の資金源になっています。が、お酒は、ほかの禁止薬物とは比にならないほど密造しやすいです。炭水化物に酵母があればお酒は作れます(ちなみに日本ではお酒の密造は禁止されています)。ただ、炭水化物の入手を規制することは不可能です。酵母の入手も簡単です(アメリカでの入手性に疑問はありますが日本では麹があります)。麹より高品質なものが必要でも、お酢を作るためには酵母が必要なので、手に入ります(お酢を作る過程でお酒ができてしまいます)。また、密造しなくても、カナダからお酒は入ってきます。そんな状況で法を無視してでも金を稼ぐような連中にそんな簡単に金を稼ぐ手段を与えていいのか?という話です。

そもそも上記の警察/司法が酒の取り締まりというくだらないことをやらされているのに、簡単に作れる酒というシノギが誕生することを全く気にせず禁酒法を制定したのでアメリカでマフィアが栄えて、アルカポネみたいな人物が出てきたわけです。

まとめ

十分に強制する力が執行側にない法律は、恣意的な逮捕や治安の悪化につながり、悪法であると言わざるを得ません。また、それまでは法律やモラルによって守られてきた人間を放り出すことにもなります。その上、ここまで社会的影響を中心に述べてきたため、記述しなかったのですが、規制強化の影響が経済的に直撃する従事者がいることを忘れてはいけません。

そのような悪影響だらけの中、規制強化という方向に進みますか?

もしよろしければ、スキ、拡散への協力、Twitterへのフォロー、コメントなど、よろしくお願いいたします。

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