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#660 人事論13|社員の退職を回避する方法

人事たるもの・・・従業員の退職は何としても回避したいものです。

しかしながら、年間転職者数は300万人(22年調べ)、市場規模は9兆円と言われており、終身雇用が幻想ともなったこのご時世、退職は避けられないのが実情でございます。
なので、100%退職を回避するのは無理かもしれませんが、それお90%でも80%にもする努力は必要ですので、今回は従業員の退職を回避する為の考え方などを整理してみました。



社員は何故退職するのか?

JobQ Townから引用しましたが、退職に関する実態調査にて「転職経験がある20〜50代の男女」に前職の退職理由を調査したところ、1〜10位の退職理由は以下のようになっています。

退職理由をランキングで紹介|会社を辞める理由の伝え方は「本音と建前」が大切
https://job-q.me/articles/10165

これは理由は複合的だったりすると思うのですが、「キャリアアップ」「給料・待遇の不満」「上司への不満」「労働時間や環境の不安」「会社や自分の将来への不安」などの順で、他のランキングを見てもおおむね同じような理由がメインの退職理由ですね。
1つ1つ読み解いてみましょう。


1.キャリアアップ

もっとスケールの大きいサービスを扱いたいなど、もっと専門性を深めたいなどの要望で、会社の枠を超えての要望であれば、人事サイドで頑張るのはなかなか難しかったりします。
ですが、「リーダーになりたい」「あの部署に異動したい」などの社内で対応できそうなキャリアアップであれば、協力を惜しまないべきですね。


2.給料・待遇の不満

これはどの会社に行っても、「給料安い→辞める→採用で労力→イチからオンボーディング→給料安い→辞める」のクソサイクルが輪廻のように繰り返されているので、採用して教える労力を考えたら、給料上げてあげた方がいいいんですが、何故か上層部はリセットを望むんですよね・・・諸行無常です。
人事担当としてはアーリーキャッチアップが重要ですね。


3.上司への不満

これは単体での不安というよりかは、「キャリアアップできそうもないのにこの上司」とか「給料安いのにこの上司」みたいな、合わせ技一本な感じで嫌がられている気がしますね。
とにかく、上司は運なので、ここは何とか引きを良くするしかなかったりしますが、人事担当としてはそのような不満を早めにキャッチアップして、どうにかする必要がありますね。


4. 労働時間・環境の不安

これは人事担当は労務と連携して知っておかなければならい問題です。
労働時間は少なくともしっかりと管理して、36協定を守っていきましょう。


5. 会社や自分の将来への不安

これも人事担当でコントロールするのは難しい範疇ですが、なんとか人事担当で解決できるレベルであれば、コミュニケーションを増やして対応していきたい内容ですね。


社員の退職を回避するには?

そんな感じで上で回避策も一緒に考えたりもしましたが、とにかく人事担当が持っておくべき観点は「社員はいつまでも忠誠心を持って働いてくれるとは限らない」という観点です。
ウェットであるべきなんですが、俯瞰でドライになる観点も必要であり、「あ、この人辞めそう…」というのが分かったら、速攻対象者や上司とコミュニケーションをとる必要があります。

その為、マネージャーの存在は非常に重要なのですが、そのマネージャーが辞めさせる要因だったりもするので難しいのですね・・・


なので、個人的にオススメな方法としては「社員の退職条件を知っておく」という事でしょうか。

私は人事面談などで、「どういう条件になったら会社を辞めますか?」と聞いたりしてますが、そういうヒアリングを行う事で、その従業員のプライオリティーを知る事ができますし、未然に状況を察知することができます。

ただ、どうしてもその約束を守れないことも往々にあってしまいます。
例えば「減給したら辞める」という社員に減給が避けられない見通しになった際、そもそも減給させないようなコミュニケーションをとる必要がありますし、よしんば減給してしまった場合は、「なぜ減給になったか」をしっかり納得いくまで説明し、セットで「昇給する為には」も語れればいいですね。

そのように知っておくだけで色々動けるので、退職要件の把握はおススメです(甘やかしとのバランス感覚も重要ですが)


まとめ

そんな感じですが、退職はやはりリスクなので、従業員もなかなか辞めたくはないはずなんです。
なので、ボタンの掛け違いを早々に直せるように、人事担当は「従業員は退職するもの」と俯瞰で見て、早め早めの対応が必要なんですね。

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