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英語学習は、文法よりも会話先行でいこう!

早いもので、僕が Brighture を開校してから、もう8年が過ぎました。この間に2000名以上もの生徒さんと出会いました。

Brighture を利用する生徒さんはレベルが高く、TOEIC 900点以上の方がごく普通にくるんですね。そして、この傾向はオンラインになった今もあまり変わりません。

みなさん、ほんとうによく勉強をやりこんできています。

ところが、そこまでやりこんでいるのに、話すと途端にしどろもどろになってしまう方が、少なからずいるのです。一体、どうしてこんなことになってしまうのでしょうか?

理由は割と単純

その原因は、「文法学習のやり過ぎ」です。

それと言うのも、TOEIC で高得点を取ろうと思うと、文法をやり込まざるを得ないからです。

例えばこちらのアカウント、こう言う感じのツイートをよく流しています。

https://twitter.com/kachun_eigogo/status/1686673260904321024?s=20 より
https://twitter.com/kachun_eigogo/status/1688483079571251200?s=20 より

そして実際に TOEIC で900点以上を取ろうと思ったら、こういう細かい文法知識はどうしても必要です。

ところが、一度も会話をしたことがないままに、こうした細かい文法知識を詰め込みすぎると、今度はこれが足枷になって、スムーズに言葉が出てこなくなってしまうことがよくあります。一流大学卒で TOEIC も900点オーバーなのに、いざ会話となるとフリーズしてしまう人たちを、本当に数えきれないほど見てきました。

文法は不要なのか?

では、文法学習は不要なのでしょうか?

もちろんそんなことはなく、基礎的な文法は絶対に必要です。子供の頃から自然に英語を覚えるのならまた話は別ですが、ある程度年齢がいってからの英語学習においては、文法学習は絶対に必要です。

ただ、TOEIC で高得点を取るための、細かい文法知識は特に必要ありません。必要なのは、中3までに学校で習う、基礎的な文法だけです。さらに仮定法をやっておけば、十二分です。それ以上の文法は必要ありません。まだロクに話せもしないうちにそれ以上詰め込んでも、かえって足を引っ張るだけです。

英単語だってもちろん必要です。最低2000語くらいはないと、簡単な会話をするのさえ難しいからです。でも、中学校で習う英単語が1600ワードですから、それにちょっとプラスアルファするくらいで、とりあえずはなんとかなります。

ですので、普通に義務教育を受けてきた方でしたら、特に新たな文法学習も単語学習も必要ありません。たくさん聴いて、たくさん読む。そして、なんとか喋ってみる。これを繰り返していけば、だんだん形になっていきます。

単語も文法も言い回しも、TPO がある

なぜたくさんの英語に触れる必要があるのか?

それは、英語の TPO がインプットできるからです。

単語も英文法も言い回しも、TPO(Time, Place, Opportunity)があります。相手との関係性や場所によって適切な言い回しがします。それはちょうど、日本語にも尊敬語や謙譲語があったり、カジュアルな言い回しがあるのと同じことです。

若者同士だったら失礼に当たらない言い回しでも、目上の人には失礼に当たることってありますよね。それどころか、年長者には通じない単語や言い回しさえあります。英語だって同じです。学生同士ならば適切な話し方が、必ずしもそうとは限らないのです。

そしてこの辺りの感覚は、実際に大量の英語に触れてみないとなかなか身につきません。ニュース番組で使うような硬い、難しい単語もあれば、口語で使う柔らかい、わかりやすい言い回しもあります。

英文を捻り出す訓練

せっかく覚えた英文法も英単語も、会話中にスムーズに取り出せなければ、意味ありませんよね。そこで必要になるのが、英文を頭の中から直接捻り出す訓練です。

そしてこれ、いくら例文を暗記しても、文法を覚えても、シャドーイングをしても、自分で実際に何度も英文を捻り出さないと、どうしても身に付かない力です。

当然、文法の間違いもたくさんしますし、場にそぐわない単語や言い回しを使ってしまうことも多々あります。でも、場数をこなすうちに、段々と脳内に英文を直接捻り出す回路が育ち、少しずつスムーズに話せるようになっていきます。

そしてこの回路を育てる際に役立つのが、多読多聴でインプットした、状況や話し相手にふさわしい、単語や言い回しのチョイスです。友達同士で話すのならば、あるいは、上司やお客さんと話すのであれば、それぞれ、そうした会話シーンからインプットした会話例を引き出せばいいだけです。

僕らは日本語で、同じことをやっていますよね。アニメやドラマなどで見たシーンがいつの間にか脳内に刷り込まれ、それが下敷きとなってくれるのです。また、アニメで日本語を覚えた外国人が不思議なくらい上手な日本語を話すことがありますが、あれも同じことです。

会話練習から始めてみよう!

というわけで、中学の英文法に特に問題がない人は、すぐにでも会話練習を始めてみましょう! 会話レッスンを受講するだけでなく、独り言で周囲の景色や写真や絵、あるいは、映画のワンシーンを描写してみるのもすごく効果があります。

そして並行して、Podcast や Netflix のドラマ、YouTube 動画などで、生の英語に触れまくってください。英語を読みたい方は、ネイティブ向けの本をどうぞ。絵本のようなものから始めて、少しずつステップアップすれば誰でも必ず読めるようになります。

するとまた時折、文法の整理がしたくなるはずです。そうしたらぜひ、文法書を読み込んでみてください。新たにたくさんの単語を覚えてください。すると、なんとなく感覚で掴めていたことが頭の中で非常にクリアになって理解が深まりますし、文法学習が会話の足枷になることもないからです。

会話レッスンを始めてみたい方は、Brighture でぜひどうぞ。

別の記事でオススメの Podcast 24選をレベル別に紹介していますので、そちらもぜひご活用ください。


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シリコンバレー、フィリピン、東京の3ヶ所に拠点を置くBrighture English Adacemy 代表、松井博が、日々あちこちで感じ…

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