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畳職人はやめとけ?需要・将来性をデータとイラストで可視化してみた【市場分析】

どもー。
分析太郎です。

今回は畳職人の
市場分析レポート
です。

仕事の将来性を把握する上で
市場分析は必要不可欠です。

起業するにせよ転職するにせよ、
将来性を把握しておかないと、
キャリア選択で痛い目を見ます。

なので分析太郎が、
データとイラストを駆使して、
将来性を分析しました。

それでは、見ていきましょう。

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【前編】畳職人の将来性


まずは需給バランスを理解する

前編では、畳職人業界の
将来性を確認していきましょう。
その前に、需給バランスについて説明します。

世の中には様々な市場があり、
その中でお金が取引されています。

そして市場の中には、
供給(事業者)需要(お客様)
存在します。

これらを釣りで例えるなら、
市場=釣り堀
供給=釣り人
需要=狙っている魚
と言えます。



そして、需要と供給にはバランスがあります。
イラストにするとこんな感じです。



本レポートでは、
畳屋市場が4つのうち
どこに分類されるかを、
行政機関と業界団体のデータを
フル活用して考察していきます。

それでは、本題に話を移しましょう。


畳屋の市場規模

それでは最初に、
畳職人業界の
市場規模を確認しましょう。

H24,H28年の
経済センサス(総務省・経産省)の
データによれば、H28の畳小売業の
市場規模は453億円
推移は減少傾向でした。

グラフを作成しました。


畳小売業の市場規模推移(2012~2016・4年間)
出典①:H24 経済センサス 活動調査(総務省・経済産業省)
出典②:H28 経済センサス 活動調査(総務省・経済産業省)


4年間で5.8%減少していました。
これはちょっとイタいですね…。



こんなお叱りが来そうです。
確かに2016年はちょっと古いですよね。

経済センサスは2021年度版が最新
なのですが、「畳小売業」という
詳細分類がなくなっていて、
「家具・建具・畳小売業」という
大きな分類に包括されていました(泣)。

では、計算して予測してみましょう。

2016年の「家具・建具・畳小売業」の
市場規模は、1兆5,847億円でした。
そのうち「畳小売業」が占める割合は
2.9%
です。

では、2021年データを見てみます。
2021年の「家具・建具・畳小売業」の
市場規模は、1兆4,935億円でした。
もし仮に、2021年も「畳小売業」の占める
割合が2.9%だとするならば、
2021年の畳小売業の売上は426億円になります。

表にするとこんな感じです。


2021年畳小売業の市場規模予測
出典①:H28 経済センサス 活動調査(総務省・経済産業省)
出典②:R3 経済センサス 活動調査(総務省・経済産業省)


これは机上の空論ですが、
2021年・畳小売業の市場規模は
縮小している可能性があります。
改めてグラフにするとこんな感じです。


畳小売業の市場規模推移(2012~2106は実測値、2021年は予測値)
出典①:H24年 経済センサス活動調査(総務省・経済産業省)
出典②:H28年 経済センサス活動調査(総務省・経済産業省)
出典③:R3年 経済センサス活動調査(総務省・経済産業省)


これは地域の畳屋さんにとっては
ぐむむ…という感じですね。

これをざっくりイラストにすると
こんな感じですね。



同規模の市場には
下記が挙げられます。

  • ベビー加工食品(440億円)

  • ポテトサラダ(450億円)

  • 麻雀(480億円)

国内市場の立ち位置としてはこのあたりです。


国内市場における畳小売業市場の立ち位置
出典:市場規模マップ


この市場で、需給バランスは
どうなっているのでしょうか。



確認していきましょう。


畳屋市場の供給の推移

それでは、畳屋市場の
需給バランスを確認しましょう。
まずは供給から確認します。

H24,H28年・経済センサス(総務省・経産省)の
データによれば、H28の畳小売業の数は
5,249事業所、推移は減少傾向でした。

グラフを作成しました。


畳屋の事業所数の推移(2012~2016・4年間)
出典①:H24 経済センサス 活動調査(総務省・経済産業省)
出典②:H28 経済センサス 活動調査(総務省・経済産業省)


かなり減少しているようです。
では、畳屋で働く人の数は
どうでしょうか。
グラフを作成しました。


畳屋の従業者数の推移(2012~2016・4年間)
出典①:H24 経済センサス 活動調査(総務省・経済産業省)
出典②:H28 経済センサス 活動調査(総務省・経済産業省)


働く人の数も減っているようですね…。
これはぶっちゃけイタいですね。イタい。

では、
先ほどと同様の方法で
2021年の事業所数を
予測してみましょう。

2016年の「家具・建具・畳小売業」の
事業所数は、19,141事業所でした。
そのうち「畳小売業」が占める割合は
27.4%
です。

では、2021年データを見てみます。
2021年の「家具・建具・畳小売業」の
事業所数は、15,922事業所でした。
もし仮に、2021年も「畳小売業」の占める
割合が27.4%だとするならば、
2021年の畳小売業の事業所数は
4,366事業所になります。

表にするとこんな感じです。


2021年畳小売業の事業所数予測
出典①:H28 経済センサス 活動調査(総務省・経済産業省)
出典②:R3 経済センサス 活動調査(総務省・経済産業省)


これも机上の空論ですが、
2021年・畳小売業の事業所数は
縮小している可能性があります。
改めてグラフにするとこんな感じです。


畳小売業の事業所数推移(2012~2106は実測値、2021年は予測値)
出典①:H24年 経済センサス活動調査(総務省・経済産業省)
出典②:H28年 経済センサス活動調査(総務省・経済産業省)
出典③:R3年 経済センサス活動調査(総務省・経済産業省)


畳屋さんはどんどん減ってるようです。

供給のデータを
簡単にまとめると、こうです。

・畳屋さんの数は減少傾向
・畳屋さんで働く人も減少傾向


畳屋の事業所数の変遷予測(2012~2021・9年間)


つまり、
畳屋市場の需給バランスは、
需要に傾きつつあるのではないでしょうか。



では、需要はどう
推移しているでしょうか。
確認していきましょう。


畳屋市場の需要の推移

それでは、
畳屋市場の
需要を確認しましょう。

まずは、畳の原材料である
い草の国内生産量がどう推移しているか
確認してみましょう。
グラフを作成しました。


い草の国内生産量の推移(1926~2018・92年間)
出典:作物統計調査(農林水産省)


生産量は1980年代以降、
減少していますね。
特に、2000代に入るタイミングで、
急減していることがわかります。

最も生産量が多かったのは
1964年の141,100トンでした。
直近の2018年の生産量は
7,500トンでした。
つまり、94.6%減少していることになります。
驚くほど減ってますね…。

ただ、このグラフを見て、
「畳の需要は減少してるんだな」
と考えるわけにはいきません。

なぜなら、
国内生産量が減少している理由は
いぐさ(畳表)の輸入が拡大したからです。

※畳表:いぐさを横糸に、糸を縦糸にして製織したござ状のもの

神戸大学・大学院の個別論文には
下記の記載があります。


畳表は、1961年に輸入が自由化された。 〜 畳表の輸入量は1991年頃か ら増加し始め、1994年にピークに達したあと、いったんは減少したが、 1998年から再び増加に転じている。

『中国からの畳表の輸入急増が国内の産地に与えた影響と政策対応』


つまり、
畳表の輸入量が増え続けているならば、
国内の畳需要はまだあるんだなと判断できる
のではないでしょうか。

では、その推移を確認してみましょう。
グラフを作成しました。


畳表生産枚数の推移(1996~2022・26年間)
出典:いぐさ(畳表)をめぐる事情(農林水産省)


なんと…。
輸入量まで減少してるじゃないですか😭

国内で生産される量も減り、
外国から輸入する量も減っている。
こりゃイタいっすね。イタイっす。

では、もう少しミクロの視点で
分析してみましょう。

一世帯あたりの畳の張り替え枚数の推移を
確認してみます。

グラフを作成しました。


 1世帯当たりの畳替枚数(1989~2022・33年間)
出典:いぐさ(畳表)をめぐる事情(農林水産省)


世帯あたりの張り替え枚数も減少傾向です。
2年住んでる今のマンションにも和室ありますが、
畳の張り替え全然必要ないですもんね…。
あと、どのタイミングで依頼すればいいかも
あまり分からないんですよね…。

需要のデータを
簡単にまとめると、こうです。

いぐさ(畳表)の国内生産量が減少傾向
いぐさ(畳表)の輸入量も減少傾向
世帯あたりの畳替え枚数も減少傾向

さて、データが出揃いましたね。
それでは、結論に入ろうと思います。


分析太郎の結論

まとめると、
畳屋市場の
需給バランスはこうです。

  • 供給:・畳屋さんの数は減少傾向。働く人も減少傾向。

  • 需要:いぐさ(畳表)の国内生産量が減少傾向。いぐさ(畳表)の輸入量も減少傾向。世帯あたりの畳替え枚数も減少傾向。

結論を出しますね。
冒頭の需給バランス四分類で言えば、
ここに当てはまりつつあるのでは
ないでしょうか。




釣り堀(=畳屋市場)の中で、
釣り人(=畳屋、畳屋で働く人)も
魚(=世帯あたり畳の張り替え枚数、その他)も
減少していることから、
このような結果になりました。

いかがでしたでしょうか。
今回は、畳屋の市場分析を行いました。
ただ、これは日本全体の需給バランスであり、
当然ですが地域によって偏りが生まれます。

日本は他国と比較しても、
地域によって文化が特色が
段違いに異なります。

畳屋の数や張り替え枚数も、
当然地域によって異なるでしょう。

従って、
日本全体だけでなく、
さらにお住まいの地域についても
詳しく分析する必要があります。

そこで後編からは、
畳屋市場のレッドオーシャン・
ブルーオーシャンな都道府県

特定していきます。

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