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隠された被害者

今カンボジアのとある村に滞在しているのですが、停電や断水は毎日のように起きています。

 日本にいる時は考えられないことですが、2か月経った今では、もう停電や断水は当たり前のことのように思えます(笑)

インフラが整い人々の生活が豊かになることは素晴らしいことですが、「生活が豊かになる」=「必ずしも正の効果をもたらすわけではない」ということを頭の片隅に置いておいて欲しいという思いから、この記事を書いています。

以前にも記事にしたのでご覧ください。

これから2つの事例をもとに隠された被害者について紹介します。

<ケース1>
ネパールの山中の村に NGOが超簡易な水力発電で電球を灯す活動を続けていたケースがあった。

非常に安価に明かりを灯せるという寸法である。

ところが、このプログラムで電球がついた村は、政府が進めていた電化計画の中での優先順位を下げられてしまった。

政府側の言い分は「電気がまったくない村が優先だから」

至極当然の判断ではある。

しかし豆電球をともしたせいで、国の送電線網から取り残された村はこの事実を知ったときに、果たして喜んだであろうか?

<ケース2>
現在世界的に環境保全のために木を切る量を抑制しようという動きがある。

その一つが、途上国での、通常よりはるかに少ない量の薪で調理ができる省エネかまどの普及である。

他にも、牛糞などを発酵させるバイオガスの施設も研究され、実用化が進んでいるが、これなら薪は不要になる。

薪を使わなくて済めば、環境に優しいばかりか、薪を取る役割を担う女性の労働の軽減にも繋がる。

しかし、薪を採取して売ることで生計を立てている人たちはどうなるだろう。

途上国の田舎では誰もが自分で薪を集めているわけではない。

薪を買っている人たちも実は大勢いる。

そして、ほとんどの場合、薪を売り歩いている人たちは、貧困層に属している。

ネパールでもマダガスカルでも貧困層が薪を売り歩いていた。

薪の使用量が減ると、この人たちにとっては死活問題である。

もし代替となる収入源がなかったら、この人たちはどう生計を立てていくのであろうか?こうした例は数多く存在する。

技術が導入されれば、必ずと言ってよいほどその影響を受ける人たちが出てくる。

農産物の流通が改善されれば仲買人は存在意義を失うし、水道ができれば水を売る人や、水を運ぶ容器の修理をする人たちは職を失う。

まず開発行為には負の影響も存在することを自覚すること。

そして誰がどのような影響を受けるのかを、事前にしっかりと把握することが肝要である。

今回は下記の本を参考に記事を書きました。

この本は国際協力に携わっていく中で読んでおくと多角的視野で物事を観れると思うのでオススメの1冊で是非手に取ってみてください。

自己紹介

1997年生まれ。大阪府出身の22歳。立命館大学4年次休学中。
2017年8月カンボジア農村部の小学校を訪問し、学校に行けない子供達がいて大きな衝撃を受ける。
2018年1月クラウドファンディングで42万5000円の資金調達をし、日本語ボランティアスクールを建設。約30人の子どもに日本語教育の機会を提供。
しかし思わぬトラブルが続き、運営できていない現状が続いております。
カンボジア人によるカンボジアの支援のあり方を学ぶべく、2019年6月から半年間「NGO CBB」にてインターンしています。

#海外生活 #国際協力 #カンボジア #海外インターン

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