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【選挙ウォッチャー】 オリンピック担当大臣が想像以上のポンコツだった件。

キレッキレに頭の回転が早く、あらゆる質問に迷いなく答えられる国会議員なんて、滅多にいるものではありませんが、逆に、そこらへんの中学生の方が賢いんじゃないかと思うぐらいのポンコツ国会議員が発見され、世間をざわつかせることがよくあります。自分の選挙区ならともかく、どこで選ばれたのかも知らない末端の国会議員の名前なんざ、いちいち把握していられないので、そういうポンコツが発見される時というのは、だいたい「大臣になった時」だったりして、みんなが気付いて「こんな奴が大臣なんて大丈夫かよ!」と思った時には既に大丈夫じゃないという悲劇なのですが、皆さんの記憶に新しいところでは、まさかの法務大臣という大役を仰せつかってしまった金田勝年さんがいらっしゃいます。法務大臣にもかかわらず共謀罪のことを何も勉強しておらず、「ちょっと私の頭脳というんでしょうか、対応できなくて申し訳ありません」と答弁したほどのポンコツ中のポンコツ。しかし、今、世間では「金田を超えた」とまで言われるビッグなポンコツが大臣として放たれ、日本中を震撼させています。

■ 柏・我孫子が生み出した禁断の最終兵器・桜田義孝先生

日本会議国会議員懇談会で副幹事長、神道政治連盟国会議員懇談会、みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会、創生「日本」、自民党遊技業振興議員連盟(パチンコ議連)、国際観光産業振興議員連盟(カジノ議連)、パチンコチェーンストア協会政治分野アドバイザーなど、数え役満レベルの肩書きを揃える桜田義隆先生は、千葉県柏市や我孫子市で構成される千葉8区選出の国会議員です。柏市議を2期、千葉県議を1期を務めた後、1996年から国会議員を続け、民主党が政権交代を果たした2009年の選挙では落選したものの、2012年から現在まで議員を続け、千葉県内ではなかなか顔の利く大物議員の一人となっていました。これだけ長いこと国会議員をやってきたのに、これまで一度も大臣をやったことがなかった桜田義孝先生。ついに今年、念願の大臣デビューを果たすことになったのですが、与えられた役職は「オリンピック・パラリンピック担当大臣」。外務大臣や経済産業大臣などに比べるとザコキャラながら、それでも日本中が沸き上がるであろう「東京五輪」の担当大臣は、最も華があるイケてる系の大臣だと言えるかもしれません。それまでは麻生太郎先生の義理の弟である鈴木俊一さん、その前は自民党の看板娘のポジションに君臨する丸川珠代さんが担当してきたのですが、ついに桜田義孝先生の時代がやってきたのです。

■ 東京五輪の基礎知識がまったく頭に入っていない桜田義孝先生

記念すべき大臣としてのデビュー戦、リングに立った桜田義孝先生の対戦相手は、百戦錬磨のジャンヌダルクこと蓮舫先生でした。過去、数々の自民党議員が戦っては屍となって帰ってきたため、できることなら蓮舫先生と戦いたくない議員はたくさんいると思いますが、ここで桜田義孝先生が蓮舫先生に一泡吹かせ、完璧にぶちのめすような答弁ができれば、伝説として後世に語り継がれたに違いありません。ちなみに、デビュー戦のリングに上がったばかりの桜田義孝先生には余裕さえ感じられ、とってもいい笑顔をされておられました。いざゴングが鳴り、軽く拳を合わせると、まずは蓮舫先生が軽いジャブ。「ご自身がオリパラ担当大臣にふさわしいと考えるところはどこですか?」という質問をしました。ぶっちゃけ、こんな質問、いくらでも答えようがあり、千葉県柏市選出の国会議員なので、「私の地元には柏レイソルというサッカーチームがあり、かねてからスポーツを中心とした経済振興に取り組んでまいりました。それだけに東京でオリンピック・パラリンピックをやることが決まった瞬間から、何か私にできないかと思い、今日までピッチの外で体を温めてきたのです。担当大臣に起用していただいたということは、まさに試合に出していただいたのだと理解しております。試合に出た私がやらなければならないこと、それはしっかりとゴールを決めることであります」とか答えておけば、ゴール裏の自民党議員からオレオレ聞こえてきてもおかしくなかったと思います。ところが、蓮舫議員が軽く手を伸ばしたぐらいのジャブを、「キャプテン翼」で言うところの石崎君の顔面ブロックのごとく、真っ正面から喰らったポンコツ、桜田義孝先生。何を血迷ったのか「なぜ閣僚に選ばれたのか分からない」と言い出し、「じゃあ、オマエじゃなくていいよな!」という空気を作り出したのです。「は? 何言ってるんだ、コイツ?」という感じの冷たい視線で睨んでくる蓮舫先生。それまで蓮舫先生にゴリッと突っ込まれることもなく、バリバリの現役国会議員というより、パチンコ屋さんの話をよく聞いてあげるジャンジャンバリバリの国会議員(自民党遊技業振興議員連盟)として、パチンコで負けている時にシケモク吸いながら飲むコーヒーぐらいのぬるさで生きてきたのに、ポケットに手を突っ込みながらパチンコ屋の自動ドアが開けて出た瞬間に野犬に噛まれるぐらいのことが起こったので、めっちゃくちゃ動揺してしまい、「パラリンピック」という単語をうまく言えなくなって、パラピック、パラピック、パラ、パラッと言っていました。結局、蓮舫先生の質問には何一つまともに答えられず。開始4分で蒙古タンメンでも食ったのかと思うぐらいの大量の汗をかき、開始7分でメガネもかけられないレベルになり、ついに話題のあのセリフが出たのです。

蓮舫「国の関連予算は、いくらだと思ってます?」
桜田「1500円でございます!」

すぐに気付いて「1500億円でございます」と言い直したのですが、この言い間違えで、みんなが薄々気付いていた「ポンコツではないか」という疑念が確信に変わりました。ネトウヨの皆さんは相変わらず蓮舫さんに対して「揚げ足を取るな!」と騒いでいるようですが、蓮舫さんはTwitterで以下のようにコメントしております。

国の関連予算は1725億円。そもそも1500億円という答えも間違いなのです。せっかく大臣をやらせてもらえることになったのに、東京五輪の予習をちっともしてこなかったばっかりに、よりによって蓮舫議員の洗礼を浴びる結果になったわけですが、これだけフルボッコにされて、何を言うのかと思ったら、「事前通告されていない質問だったので残念だ」だそうです。「そんなもの、事前に通告しなくても答えられるようにしておくのが常識だろ!」って話なんですが、事前通告ありきじゃないと答えられないと言っており、大臣としての質が問われる結果となりました。ちなみに、蓮舫さんは「事前通告していた」と話していて、あとで桜田義孝先生も「事前通告があった」と言っているので、普通に勉強不足だった可能性が高いです。その後の記者会見でも「知らない」を連発しており、ただでも心配な東京五輪の開催がより心配になってしまったのですが、今後も楽しませてくれそうなので、桜田義孝先生の動向は常にチェックしたいと思います。

■ 桜田義孝先生のゴリゴリなネトウヨ発言

最近、ネット上で桜田義孝先生の過去のネトウヨ発言が話題になっています。あるブログによると、少年法を改正させたのは自分だと自慢する桜田義孝先生に「少年法を改正する前に、子どもたちが荒れる理由は大人社会にあるのだから、そのことに留意する必要があるのでは?」と質問した市民に対し、顔を真っ赤にして激高し、大声でこう言ったというのです。

「これまで国家を批判する輩がこの国をダメにしてきたんだ。日教組がありもしないことを教えて国をダメにしてきたんだ。あんたみたいなサヨク的人間がこの国をダメにしてきたんだ。従軍慰安婦だとかありもしないことを言い続けて、この国の誇りを踏みにじってきたんだ!」

桜田義孝先生は、麻雀で言うところの「メン・タン・ピン」にあたる「日本会議」「神道政治連盟」「みんなで靖国神社を参拝する」を揃えているゴリゴリのネトウヨ議員です。68歳にもなってネトウヨをこじらせているなんて、78歳にしてネトウヨをこじらせてヒットラー万歳の麻生太郎先生に匹敵する老害だと思いますが、やっぱり「従軍慰安婦は日教組の捏造」だと思っているタイプのようです。一応、金田勝年先生は一橋大学のご卒業ですし、桜田義孝先生は柏周辺で最も偏差値の高い東葛高校から明治大学のご卒業で、けっして頭が悪いはずはないのです。ところがどっこい、これだけ無能をこじらせているのは何かと言ったら、大人になってから、いや、政治家になってから、ろくすっぽ勉強してこなかった結果ではないかと思うのです。なにしろ、そこらへんの新聞を読んでいる素人の方がよっぽどモノを知っているレベル。勉強しないオジサンがなんとなくの感覚で政治のとっても大事なことを決めちゃうなんて、一体、どうなっているのでしょうか。

■ 桜田義孝先生を擁護する八代英輝さんの謎

誰がどう見てもポンコツなので、こんな人を擁護する人がいるのかと思ったら、ワイドショーのコメンテーターとして活躍している弁護士の八代英輝さんが「蓮舫さんは質問のための質問であって、そこから自分の質問を発展させることじゃない」と言い出し、「大臣の資質を疑わせるような雰囲気を作る、質問の仕方があまりに敬意に欠けている」などと言いました。大臣の資質に欠けている人間が大臣をやっていることを国民に示すことは大切です。そもそも敬意に欠けるとは何でしょうか。自分では何一つ答えられないようなポンコツをそのまま大臣にしておくことが「大臣に対する敬意」というヤツでしょうか。そもそも政治家は国民のために仕事をするものです。「あなたが国民のために仕事ができる人なのかを試しますよ」という話なので、大臣に忖度して、本当は仕事ができない奴であることを隠しておくなんて、それが国民のためになるとは思えません。蓮舫先生が鼻につくという気持ちは分からなくもありませんが、「大臣に対する敬意が足りない」なんて国民に対する敬意の足りない大臣を擁護してどうするつもりでしょうか。

■ 他の大臣とはジャンルの違うスキャンダル

今、片山さつきさんをはじめ、第4次安倍内閣の大臣たちに次々に口利きや不透明なお金の流れが指摘され、自民党の国会議員のオジサン&オバサンが、国民のためではなく、一部の企業のためにこっそり働いていることがバレまくっていますが、桜田義孝先生はこうした腹黒くて狡賢い利権野郎とは一線を画します。なにしろ、こっそり裏で闇マネーが動いていたのではなく、シンプルに「無能」というスキャンダルだからです。しかも、ちょっとやそっとのポンコツではないため、これまで金田勝年先生が叩き出してきたポンコツ記録をどこまで超えられるのかが注目されており、「1500円」という発言は単なる言い間違えですが、ポンコツを象徴しているため、久しぶりに現れた「面白いレベルのポンコツ」ということで、こっそり黒い金を動かしているゴミみたいな大臣が霞んで見えるレベルに達しているのです。ここから先は「桜田義孝先生なら何かしてくれるはずだ!」という期待感を持って見つめられるため、何をやっても笑われることになるでしょう。これが千葉県柏市・我孫子市が生んだ大物議員です。

■ 選挙ウォッチャーの分析&考察

なぜオリンピック・パラリンピック担当大臣にポンコツを極めた桜田義孝先生が選ばれたのか。長年にわたって国会議員を続けてきたのに、いまだに大臣の一つもやらせてもらえていない桜田義孝先生に何かをやらせてあげようという特別な配慮があったのかもしれませんが、ここまでポンコツであるということは、これから出てくるオリンピック関連の不祥事の責任をすべて桜田義孝先生に被せ、「捨て駒」として使うためではないかという気がしてきました。第4次安倍内閣の大臣たちには次々と口利きなどの不祥事が出ていて、ラスボスの安倍晋三に辿り着くまでに成敗しなきゃいけない大臣が多すぎて、辿り着くまでに3年かかってしまいそうですが、どいつもこいつも口利きをしているようなクソ議員ばかりなのに、桜田義孝先生は口利き疑惑が報じられているのではなく、ただただシンプルにポンコツすぎて事件になっているのです。僕は桜田義孝先生の選挙区なので、このようなモンスターを世に放ってしまった責任は一際大きいものがあるのですが、僕自身は桜田義孝先生には投票していません。しかし、多くの柏市民と我孫子市民が桜田義孝先生に投票してしまったばっかりに、今日、日本がポンコツに震撼する出来事が起こっているのです。[了]

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