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コンパッションについて学んだこと

8〜11月にかけて、三神良子コーチのコンパッショネイト・マインド・トレーニングに関するセッションを受けさせていただきました。
また、7〜10月にかけてWasei Salon内で「コンパッション・マインド・ワークブック」の読書会を開催しました。

コンパッションとは?

コンパッションとは、次のように定義されています。

自分や他者の苦悩(とその原因)に細やかに心を寄せ、それを軽くしたい、防ぎたいと強く願い、行動にうつすこと

「コンパッション・マインド・ワークブック」より

今回ご縁をいただいた学びの場と日常生活を通して、気づいたこと・変化したことがたくさんあったので、書きとめておきたいと思います。

過去からの影響をフラットに観る

もともとは過去を深く振り返ることは得意ではありませんでした。

というのも、「過去を振り返る」ことが「現在自分がうまくいっていないことを過去の環境のせいにして解決しようとしない」ことにつながりそうで、何だか嫌だったのです。

今回取り組んだワークの中で、「現在不安に感じていることや行動パターンに影響を及ぼしている過去の出来事を書き出す」というものがありました。

取り組んでみて「こういう出来事があったから(過去に周りの人からこんなことを言われてきたから)、今こんな風に考えてしまうのも仕方がないことなのだ」と良い意味で肩の力が抜ける感覚を覚えました。

得体の知れないモヤモヤの正体がはっきり見えて怖くなくなると、その結果、不安を手放しやすくなって「じゃあこれからは何を選んでいく?」と現在や未来に目を向けやすくなったという感じです。

これまでは不安やネガティブな思考を「自分次第」と捉えることで、「なぜ私はこんな風に考えてしまうんだろう…」と自分で自分を責めるループにはまってしまうことがあったのですが、不安の背景をフラットに観たことで、そのループにはまる前に気づくことができるようになりました。

自己批判の声の奥にあるもの

心の中を観察していると、かなりの頻度で自己批判の声が聞こえてくることに気づきました。

その声にもう少し耳を傾けると「心を込めた仕事がしたい」「自分でできることは万全に取り組みたい」=「物事が良い形で進むような視点を伝えたい」というメッセージが聴こえてきました。

つまり、やみくもに批判しているのではなく、自分の幸せを願っている声だったんですよね。ただ伝え方が不器用で、北風をビュービュー吹かすような表現になってしまっているだけで。

自己批判の声への理解が深まったことで、必要なメッセージだけを感謝して受け取り、批判から受け取るダメージが少なくなったように感じています。

いつでも立ち戻ることのできる安全基地をつくる

この期間を通して、自分で自分を責めたり、未来に対する不安を感じてループにはまりそうになった時、いつでも立ち戻ることのできる安全基地のイメージができました。

もともと瞑想やお散歩、気功などを習慣として取り入れていたのですが、ワークを通じて様々な瞑想のかたちや自分に合った五感を使ったアプローチを発見することができました。

心からくつろげる場所でのびのび行動したり、自分を応援してくれる色をイメージしたり。

少しでも自分のための時間をとって安全基地に立ち返ることで、波だった心が落ち着き、穏やかな感覚で状況を捉え直すことができるように感じています。

コンパッションを自分に向ける時、そこにはこれまで出会ってきた他者がいる

「コンパッションに満ちた理想の他者」をイメージするワークの中で、これまで出会ってきた素敵な人たちから受け取った優しさがたくさん浮かんできました。

受け取ったものは私の心の中に息づいていて、たとえ今そばにいなくても、必要な言葉を授けてくれるように感じました。

大切な人たち、尊敬する人たちが応援団となって心の中にいてくれるようなイメージにアクセスしやすくなり、日々の中で力をもらえるようになりました。

また、関係性の期間や深さにかかわらず、受け取ったコンパッションがこんなにも心に残っているのだなぁということに驚きました。
私自身も心を尽くしてコンパッションを持って人と関わっていきたいな…と改めて感じています。

どんな選択をする自分でありたいか?

ワークブックの中で、印象的なフレーズがありました。

セルフ・コンパッションとは、自分に「感じよく」して、辛いことをそのままにして、自分にとって大切なことを回避させ、自分を幸せにする責任を放り投げることではありません。

「コンパッション・マインド・ワークブック」より

このフレーズに触れ、優しく受容するだけではなく、勇気をもって踏み出すことを後押ししてくれるコンパッションの概念がとても好きだなぁと感じました。

自分の心の中で起こっていること(脳の仕組み・過去の体験から形作られたパターン)を理解し、五感を使って安全な場所へ立ち返ることができたら、次は望む未来に向かって踏み出す番です。

簡単なことばかりではないかもしれません。私自身、この学びの期間中は心身ともに変化が大きく、それに伴って湧いてくる不安・自分を責めたくなる気持ちや、行動パターンを変えることに苦戦しながら向き合ってきました。

きっとこれからも、新しい変化に出会うたびに様々な感情に出会うと思います。

それでも、心の中には常に自分を応援してくれる人たちがいてその声を聴くことができるし、実際に周りに頼ってみることも、自ら行動してみることで状況を変えていくこともできるんじゃないかと感じています。

”どんな選択をする自分でありたいか?”
その答えを体現しながら歩んでいく中で、コンパッションはこれからも灯火のようにそばにいてくれる存在になりそうです。

Special thanks to

三神さん、12回にわたるセッションを通して、丁寧にコンパッションについて教えていただきありがとうございました。レクチャーに加え、瞑想や対話の機会が多くあったことで体感を伴って学ぶことができました。また、自分では気づいていない考え方のパターンをお伝えいただいたり、これからに活かすためのヒントを一緒に考えていただけたことがとても嬉しかったです。

WaseiSalonの読書会の参加者のみなさん、4回にわたってワークや日常生活を通して気づいたことをシェアできる場をご一緒いただきありがとうございました。あの安心感はみなさんとだから感じられたのだと思います。コンパッションについて話す場そのものから、思いやりや力をいただいていました。

この期間を通じて学んだことを、これからも日常生活やお仕事を通して実践していきたいですし、クライアントさんへもお伝えしていけたら嬉しいなと感じています。実践の中で気づいたことを、この場でも言葉に綴っていけたらと思います。


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