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「自社を客観的にとらえる良い機会になり、CPO像がクリアになった」株式会社ビビッドガーデンCOO 山下麻亜子さん / Product Leaders TrainingのCase参加企業インタビュー

一般社団法人日本CPO協会では、Product Leadersの育成を目的とした「Product Leaders Training」を開講しました。PM ManagerやCPO、これからProduct Leaderを目指す人向けに、プロダクトビジョン・戦略・戦術・組織作りなどの講義と、Case Studyを2Daysで実施。

Case Studyでは、実在する企業3社に、実際の事業や課題についての情報を提供していただきました。参加したPMはチームを組み、割り振られた担当企業について「この企業のPM Manager、もしくはCPO/VPoPに就任したと想定し、向こう1年間の戦略、仕組み、組織に関して打ち手を検討しプレゼンテーションしてください」というテーマに取り組みました。プレゼンテーション時には各企業の方に会場にきていただき、質問やフィードバックをしていただきました。

本記事は、Case Studyの企業例になってくださった、株式会社ビビッドガーデン取締役執行役員COOの山下様のお話です。


自社の足りない点に気づける良い機会になった

-  現在のミッション・役割を教えてください

ビビッドガーデンでCOOを務めており、食べチョク事業全般と人事を管掌しています。プロダクトの観点でいえば、CPOは現在いないため、私がCTOと一緒にプロダクトを担っています。また開発体制や開発の生産性など人事的にもプロダクトチームを見ています。

食べチョクは近年、ユーザー層が広がってきており、今一度コアなコンセプトや顧客価値を再定義して伸ばしていきたいと考えているところです。

-  今回、Product Leaders Trainingにて、参加者のPMたちが取り組むCaseの企業例になってほしいとお願いさせていただきましたが、参加されていかがでしたか?

優秀なPMの方々が弊社のことを真剣に考えて提案してくれるという、とてもありがたいお誘いで、参加できてすごく良かったです!今回、3つのチームが弊社の課題に取り組んでくださったのですが、3チームそれぞれに異なるプレゼンテーションで、自社の足りないところや課題など、多様な視点での気づきをもらいました。

それ以外にもたとえば、「意外と自分たちのやっていることが上手く伝わっていないんだな」という気づきもありました。あるチームが「品種マップを作ってはどうか」という案を提案してくださったのですが、実はすでに食べチョクには品種マップがあるんです。ただ、品種マップをおいている場所がプロダクトの中心ではなく、記事など一定期間で流れていってしまう場所です。それが原因で、取り組んでくださった方々が見つけられなかったんだなと。今の品種マップの提示の仕方では顧客に届いていないことが理解でき、自分たちを客観的にとらえる良い機会になったと感じています。

今回、各チームのみなさんは、講座を受けてフレームワークをインプットした上でプレゼンテーションをしてくれていました。フレームワークがあるからこそ、広い視野で一通り考えた上で、焦点を絞って案を練ってきていることが伝わりました。現状や課題の整理の仕方が良いか、観点が漏れていないかなど気づけるところがありそうで、正直、私も講座を受けたかったなと思いました(笑)。

広い視野を持ってバリュエーションまで考えられる存在がCPO

- 食べチョク様のCaseのプレゼンテーションに対して、CPO協会の理事陣からのフィードバックもありましたが、聞いてみていかがでしたか?

理事の方々のフィードバックは参考になることが多かったです。大きな収穫は自分の中でのCPO像がクリアになったことです。弊社には今CPOがおらず、プロダクトをリードする人がほしいとは思っていましたが、「CPOはPMと何が違うのか」「何を基準にCPOを選べば良いのか」などが、自分の中で明確になっていませんでした。ですが今回、実際に理事の方々のフィードバックの内容を聞いて「確かにこういう観点をもっている人がいるとプロダクトや事業が強くなるな」というのを身に染みて感じました。

- 具体的にどのあたりでそう感じられましたか?

理事の方々は各プレゼンテーションに対して、企業、事業、プロダクト戦略、顧客に対しての提供価値、などの観点を広く見て、各チームのどこかしら抜けている部分に対してフィードバックをされていました。たとえば「顧客寄りの目線になりすぎて事業の成長性を考え切れていない」「競合と違うビジネスモデルだからこそ、そこに注目して勝ち筋を見つける」「この案だとバリュエーションが高くならないが、こういう要素が入ると変わってくる」などです。

特にバリュエーションまで考えられるCPOが入ると非常に強くなるだろうなと感じましたね。そして実はこれはCPOだけではなく、マネジメントチームにとって大事な観点。バリュエーションは社長やCFO、役員で考えるもの、となりがちですが、そうではなく、チーム全体でバリュエーションの観点を考えられると良いなと感じました。

自社の将来の展開に対する良いヒントに

- 他の2社に対するプレゼンテーションも聞いていただいたと思いますが、得るものはありましたか?

その産業の構造や、そのサービスがどういう位置付けにあるのかなど、構造的な捉え方ができて面白かったです。自社とは違う枠組みを見ることにも価値を感じました。

弊社は現在toCですが、例えばtoBをやる、グローバル展開する、となったときに何が重要なポイントとなるのかを知る良い機会になりました。グローバル展開するときに、面を取りにいくのか、どこか一点に集中して深く入るのか、などをはじめとして、現場感や考え方を知ることができました。

また、企業ミッションをどこに置くかでプロダクトの作り方が変わることを改めて再認識しました。どこが自社のコアなのかは、プロダクトだけを見ていると意外と抜けやすい観点にもなるのだなとも気づきましたね。

自社に対するプレゼンテーションはどうしても講評の観点で見てしまいますが、他社に対するものは最初から解説を見ているようなイメージで、とても面白かったです。

- プレゼンテーション後に懇親会も開催しましたが、いかがでしたか?

とても話が盛り上がってあっという間でした。弊社を担当してくれたチームの方が、声をかけてくれたんですよね。「プレゼンテーションの中では上手く入れられなかったんですが...」や「実はここが質問したくて」など。積極的にさまざまな質問をしてもらったことで、お互いの気づきが深まり、とてもよかったです。

また、たくさんのPMの方とお話して、自分の会社へのパッションが強い方が多いことを実感しました。これがPMという職種なのだな、と。今回のこの機会で、弊社のことも好きになってもらえたらいいなと思います。

- 今回Case企業として参加した後に、何か変化したことはありますか?

今回の参加で、PM像、CPO像が明確になったので、さっそく自社の採用方針を変更しました。特にPM採用の重要度が明確になったのが大きいですね。これまでは市況に合わせて採用を止めていた期間もあったのですが、採用ニーズが低い時でもPM採用は動き続けようと決めました。

CPOについてはこれまでも検討しさまざまな方に話を聞いたりしていたのですが、記事や人の話より正直なところ、すごいCPOの方を見る方が早いですね。良い学びになりました。

- さっそく行動されていてすごいですね!またCase企業として参加したいですか?

ぜひ参加したいです!本当に良かったと感じているためです。それに加えて、自社のPMは参加者として参加してほしいなと思いました。

他社のPMとディスカッションし、自社とは違うサービスについてとことん考える経験はなかなかできません。加えて、自分たちが一生懸命考えた結果にフィードバックをもらえることは大きいです。視点は増えますし、間違いなく視座は上がるだろうと思います。

普段から自社の課題について誰かに話を聞きにいくことはできますが、CPOクラスの方々にさまざまな視点でフィードバックしてもらえる環境は他ではありません。自社のPMにバランス型になってほしいというわけではありませんが、「こんな観点があるんだ」と知っているのと知らないのでは全く違うだろうなと考えています。

-  素敵なお話をありがとうございます!ぜひ最後に全体の感想を教えてください。

今回第1回目とのことですが、Trainingが細部まできっちり設計され、運営も素晴らしく、実行力の高さに感動しました。プロダクトの価値を設計し具体の仕様に落とし込んでいくPMの皆さんだからなのだな、「これがPM!さすがPM…!」と驚きました(笑)。

また、自分の足りなさに気づくことができ、非常に自分自身の刺激になりました。Training後に「CPOはすごい、事業成長においての重要性が高い」と経営者の友人に熱弁してしまいました。ぜひまた参加したいです!ありがとうございました!

- こちらこそ、ご協力いただきありがとうございました!

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