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[Cultivate the future maniwa 2023]真庭市でビジネスモデル構築&ロードマップ作成のワークショップを開催!

11月4日(土)5日(日)に行われたビジネスモデル構築&ロードマップ作成ワークショップ。

今回、ビジネスメンターとして参加いただいたのは山田邦明氏。前回のワークショップにメンターとして参加した藤田氏とともに「Setouchi Startups」のファウンダーを務める同氏を迎え、様々なアドバイスをいただき、各チームがそれぞれのペースでチームのアイデアを耕していく2日間でした。

10月に行われたキックオフ・アイディエーションワークショップから1ヶ月。試行錯誤しながらも、それぞれのアイデアをカタチにしていったワークショップの様子をお伝えします。

【有限会社金田商店 × サーモメーター株式会社】

このチームでは、地域に根付くスーパーを営む金田商店と、デザイン・ブランディングの知見を活かした自社事業や事業開発に取り組むサーモメーターが、デザイン経営の考え方をもとにアイデア企画に取り組んでいます。

金田商店が運営する「三金や」をどのように活性化するか、という視点でアンケートの収集を行いました。それらをベースにニーズを探りながら、このチームで実現したいそれぞれの想いをベースに、ブランドの方向性やコンセプトづくりにつなげていきました。また、実店舗(三金や 勝山店)を改めて見学し、店舗設計なども再度確認をしました。
2日目には「ビジネスモデルキャンバス」を整理し、今後のスケジュールを整理しました。オリジナル商品のアイデアを出しつつ、全体の商品を束ねるコンセプトについても検討を深めました。

活発に意見交換が行われました。
インターンの高校生も積極的に議論に参加しました。
ビジネスモデルキャンバスを使いアイデアを整理しました。
生成AIを使いオリジナル商品のイメージキャラクターを検討。
アンケートボックスは三金やの什器をDIYして作りました。
検討内容を説明するサーモメーターの長原さん。
アンケートのお願い文も想いが伝わるよう、高校生の手書きで。
アンケートボックスは三金やの店頭に設置され、お客様からの意見を集めます。

【木工房もものたね × 株式会社飛騨の森でクマは踊る】

このチームでは、真庭で木工房を営みながら未来の真庭の森を考えているもものたねと、岐阜県飛騨市で人と自然が交わりながら森の価値を捉え直す活動をしているヒダクマ(株式会社飛騨の森でクマは踊るの通称)がタッグを組み、100年後の理想の山を考えるため、広葉樹の価値を知ってもらう、広葉樹を使ってもらう/販売する取り組みを考えます。

ワークショップ初日から精力的に活動を行いました。真庭市に隣接し「日本で最も美しい村」にも選ばれた新庄村にある「森林セラピー」を体験。その後も、市内の美甘(みかも)地域にあるキャンプ&リゾート施設「クリエイト菅谷」や、林業会社の土場を見学。プログラムにも参加している樋口木材も見学し、「川上から川下」(森林から木材となる流れ)までを一通り視察することで、ツアー企画のイメージを広げていきました。
2日目には、ツアー企画をブラッシュアップすべく、岐阜県立森林文化アカデミーのメンバーも交えて、様々なアイデアを出していきました。

「日本で最も美しい村」にも選ばれた新庄村にある「森林セラピー」を体験。
黒田眞路さんの軽妙なガイドで森林を案内していただきました。
人の手が適度に入ることで森としての機能が保たれます。
「たたら」の住居前で苔むす石。
自然の雄大さを感じるツアーでした。
目を閉じると川のせせらぎなど森林の「音」が聞こえてきます。
初日の視察を終え、エキマエノマエに戻って議論するメンバー。
2日目もメンバー同士のアツい意見が飛び交いました。
岐阜県立森林文化アカデミーの小林さん(右)は昨年まで真庭に住んでおりこのプログラムのために凱旋。
発表に耳を傾ける各チームのメンバー。

【樋口木材 × FROM NIPPON】

真庭の美しいヒノキの価値をより伝えていくことで、節のないヒノキを育てる技術や人材を継承していきたいと考えている樋口木材と、日本がもつ伝統・技術・文化・生活を活かしたプロダクトデザインを行うFROM NIPPONのチームでは、ヒノキの価値・特性を表現した製品開発のアイデアを考えます。

木工房もものたねに制作を依頼したプロトタイプ(試作品)をベースに、様々な検証を行いました。マーケティング検証、4P分析、カスタマージャーニーマップなど、製品をとことん見つめ直し、どこに価値があるかを探す2日間でした。思わず香りを確かめたくなるヒノキの製品から生まれるストーリーをどのように伝えるのか。年明けにはテストマーケティングを行う予定もあり、製品がどのように評価されるのかも楽しみなチームです。

製品のことをとことん深堀りするメンバー。
木工房もものたねの元井さんが試作品に協力。
スタックして使えるのも魅力。そしてヒノキの香りが堪らない。
元井さんも交えて製品についてざっくばらんに議論する面々。
バリュープロポジションキャンバスを用いて、顧客への提供価値を整理。

【株式会社今本屋 × 株式会社ミーティング】

真庭で就労支援A型事業所を運営する今本屋と、「物事に物語を」をテーマに本質的な価値と向き合って戦略立案からサービス開発までをプロデュースするミーティングが、長期的に「障がい者と健常者の境界をなくす」ことを目指します。
障がいのある方が多様な働き方を選択できる・稼ぐことができる仕組み化を見据えたプロダクト開発に取り組みます。

前回のワークショップ後に市内の福祉事業所に所属する障がい者を対象にアンケートを作成。そちらを元にインタビューを実施しアイデアを策定しました。障がい者を表面的なイメージや響きで捉えるのではなく、「落ち込むプロであり、回復するプロでもある」とリフレーミングし、メンタルヘルスを意識した食のプロダクト開発を進めていく方針を示しました。チームメンバーを軸に様々な外部の協力会社の巻き込みや有識者のインタビューなど今後のステップを検討しました。「障がい = 生きにくさ」という意味では、誰しもに当てはまる普遍的なサービスが生まれる気がしました。

多くのアイデアが出ているのがわかる付箋の数。
物理的にも俯瞰で見ることは大事。
社会課題や背景から改めて整理し、プロダクト案を具体化していきました。
チームメンバーのアイデアがまとまってきました。
2日目の昼食は今本屋が提供するお弁当が振る舞われました。ボリューム満点で美味しかったです!
豪華なお弁当に参加したメンバーの気分も弾みました。
インターンの高校生も真剣な眼差しでチームの発表に参加します。
ビジネスモデルキャンバスをベースにアイデアを発表するミーティングの三村さん。

【まにわ日本蜜蜂企業組合 × 慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科】

慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科(KMD)とまにわ日本蜜蜂企業組合が運営する「下湯原温泉ひまわり館」のチームでは、「ジビエの価値伝播」をテーマにアイデアを深めています。

このチームはワークショップとは別の機会で、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科(KMD)の2名が真庭に頻繁に足を運び、インタビューやフィールドワークを行いながら議論を交わしています。
「ジビエ」を切り口に、真庭の人たちの想いや活動について見える化していくことで「ジビエの価値伝播」に繋げていく狙いで、アイデアを深めています。

各チームそれぞれ取り組むフェーズが異なる為、メンターの山田さんは巡回しながら議論に参加しました。

進捗の違うチーム毎にアドバイスを送る山田さん。

ワークショップを終えて
真庭を舞台に10月と11月の2回にわたり行われたワークショップ。

チームのメンバーが顔を合わせるのは2回目ということもあり、終始和やかな雰囲気で2日間が過ぎていきました。

また、昨年に続き、チーム内だけでなく参加者同士が協力しながらつながりを作ることで、新たな掛け算が生まれるのが、このプログラムの良いところだと改めて感じました。

今回もおでんを囲んで交流会をし、カラオケにも行って親交を深めたのは良い思い出です。

そして、2月の東京・渋谷で行われるピッチイベントに向け各チームは動き出していきます。

自分が生まれ育った東京の地で、真庭を舞台に挑戦している人たちの成果が披露されると考えると、感慨深いものがあります。(プログラムの伴走者なだけなのに)

1人でも多くの人に「真庭(地方)で挑戦している人のことを知ってもらいたい」。

そんな想いに駆られています。

今年もその時が来るのが待ちきれません。

プログラムを運営する皆川さん(左端:ロフトワーク)と平澤さん(右端:真庭市役所)。
インターンの高校生に丁寧にアドバイスを送る寺田さん(左端:ロフトワーク)
メンバーそれぞれが2月のピッチイベントに向け気持ちをひとつにしました。

「Cultivate the future maniwa 2023」

「GREENableな真庭の未来を創り出す。共創の土壌を耕す。」をコンセプトに、真庭市内の事業者と都心部の企業が共に、SDGsの視点から真庭の未来に繋がるイノベーション創出を目指すプログラム。

▼プログラム WEBページ
https://lab.org/consortium/cultivate-the-future-maniwa
主催:岡山県真庭市
運営:株式会社ロフトワーク

▼原稿執筆
真庭市地域おこし協力隊/ライター 酒井悠

岡山県真庭市在住のライター。東京生まれ東京育ち。プロモーションと地方創生の仕事をする中で、縁あって2022年5月より岡山県真庭市の地域おこし協力隊として働く。

前職で、地域の観光分野の課題解決となるサービスを提供しており、全国の様々な自治体の実態を知り、企画やライティングといった分野で案件に参加。

その中で、そこに住んでいる「人」や関係する「人」が大事であると気付かされ、真庭市では、外から来た人間だからこその視点を活かし、ライターとして真庭の人の個性を理解しマッチングさせていければと考えている。


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