全盲の視覚障害者が実践する「硬貨と紙幣の見分け方」
皆さん、こんにちは!全く目が見えないお姉さん、愛美テミスです。
マイノリティのリアルをお伝えする本コラム。
今号のテーマは、なくてはならない物=「お金」です。と言っても、年金とか投資の話題ではありません。いわゆる「お金」。
つまり、硬貨と紙幣についてです。つまるところ、目が見えない私が、どのように「お金」を見分けているのかというお話です。
ところで皆さんは、触ってお金を見分けることができますか?
実は、日本のお金はユニバーサルデザインになっていて、目が見えなくても見分けられるようにできています。
「硬貨」の見分け方
まずは「硬貨」についてです。
ぜひ皆さんも手元に並べてみてください。
1円・5円・10円・50円・100円・500円を並べてみるとパッと見て、色や形、柄が違うので、かんたんに見分けることができますが、目をつぶって触ってみると明らかに小さくて軽い1円と明らかに大きくて重い500円はすぐに識別できると思います。
では穴が空いている5円と50円、穴が空いていない10円と100円を見てみましょう。
5円と50円は2枚重ねてみると、5円玉のほうが少し大きいことがわかります。そして2枚の硬貨を重ねたまま側面を触ってみると、5円玉はツルツルしているのに対し、50円玉はギザギザしていることがわかるはずです。
では、穴があいていない10円と100円はと言うと、同じように10円玉のほうが少し大きいことがわかります。さらに側面を触ってみると、10円玉はツルツルしているのに対し、100円玉はギザギザしていることがわかるはずです。
普段何気なく使用している小銭にもユニバーサルデザインが実装されているんです。すごくありがたいことですね。
「紙幣」の見分け方
次は「紙幣」です。こちらもぜひ手元に並べてみてください。
パッと見て、福沢諭吉先生がわからなくても、茶色っぽいお札が一万円札だということを、皆さんは知っていますね。同じように紫っぽかったら五千円札、緑っぽくみえれば千円札ですね。
では、触って識別できるかチャレンジしてみましょう!ポイントは、お札右下の識別マークと、左下の3Dホログラム(一万円札・五千円札)なのですが、いかがでしょうか。
実は、私もわかりません。(涙)…折り目があったり、シワが入っているとわからないのかな?
そういう理由かどうかはわかりませんが、こんなアプリがあります! ちょっと頼りないのですが。。。
独立行政法人 国立印刷局 - お札識別アプリ「言う吉くん」
ただ、もちろんアプリを使わなくても識別できるユニバーサルデザインになっています。硬貨と同じように、お札も重ねてみると、一万円札>五千円札>千円札の順に横幅が小さくなっていくことがわかります。そう、一万円札がいちばん大きいのです!
硬貨・紙幣のユニバーサルデザインを頼りに私は常にお財布の中のお札を整理しています。手前が千円、奥が一万円です。こうしておくことで、識別が難しいお札でもスムーズに見分けることが可能になり、外であたふたとすることもありません。
そして、今年は新紙幣が誕生します。
2024年7月3日に一万円(渋沢栄一)、五千円(津田梅子)、千円(北里柴三郎)の3券種を改刷される予定です。2024年発行の新紙幣は、ユニバーサルデザイン的にもパワーアップしているそうですので、ぜひ期待しましょう!
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