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算数セットの思い出

春になり、クローゼットの中を整理し始めたが、これが中々進まない。


小学校で使用していたものは、確実にいらないのだが、見つけるたびに思い出に浸る母さん。


小学校時代の話で、娘との会話で度々登場するのが『算数セット』


息子が入学した頃は、入学者全員が『算数セット』一式を購入していた。


おはじきから数え棒までお名前シールを貼り、入学までに準備する。


この作業、面倒くさいというママさんも多いらしいが、母さんはこういう作業が嫌いではない。


むしろ楽しんでいた。


息子が高学年になった頃、学校からお便りが。


高学年の家庭で、使用しなくなった『算数セット』を譲り受けたいとのことだった。


この頃から、周辺の学校も一式購入から一部購入に変わっていったように思う。



捨てられることなくクローゼットに眠っていた我が家の『算数セット』


悩むことなく学校へ。


入学者が年々減ってきていることもあり、必要な個数はすぐに集まったらしい。


翌年、娘が小学校入学。


お楽しみのお名前シール貼り付け作業は、物足りないぐらい簡単に終わった。


そんなある日のこと。


学校から帰ってきた娘が、


嬉しそうに


「おかあさん、きょうね、さんすうがあって、おにいちゃんのおはじきが、わたしのところにきたぁ」


「びっくりしたぁ。ぐうぜん、ぐうぜんだよぉ」


「え〜それはスゴイ」


息子の使用していたものが、娘の手元にくるなんて、話を聞いた母さんもびっくりである。


こういうことって、誰かに言いたくなりますよね。


早速、息子に報告。


「へ〜それはすごいね」


と言ってくれたような気がするが、さほど興味がない返事だったような。


夫にいたっては、驚いてもくれなかった気が。



どうでもいいような話でも反応を期待しちゃうのは、欲張りだったのかな?



あれから数年経った今でも母さんと娘の間では、


「偶然の出来事トップ3には入るよねぇ」


なんて話したりするのにね。
























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