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なぜ30歳を超えると、どんな人間も「みな孤独」になるのか

自分が20代前半の時、あるキャリア系の会社の代表からこんなことを言われたことがある。

「30歳前後を境に、急に親しかった人と疎遠になっていくんだよね。」

当時の自分は、ピッチピチピッチの20代前半だったので、「ふうん、そうなんだ〜。」なんて思って聞き流していたのだが、つい最近30代を目前にものすごく実感するようになる。

30代前後の孤独について、今日はちょっと書いてみる。

ライフステージ的な孤独の考え方って本当に正しい?

タイトルで少し誇張気味に書いたが、「みな孤独」とはどういうことか。
孤独について話す時、多くの場合は恋人、配偶者の有無で語られがちだ。

世間一般的には、孤独はこんな感じで、段階が進むにつれて、孤独が薄まるように語られる。

  1. 恋人がいない孤独

  2. 結婚相手がいない孤独

  3. 子供がいない孤独

実際、段階が過ぎるにつれて「ライフステージが上がった」などとよく言われることが多い。(※余談、これはつい最近話題になった表現)

孤独は「ライフスタイルの隔たり」によって生まれる

もちろん上のような「ライフステージ的な孤独感」の考え方は一定、正しいと思う。(実際、配偶者の有無によって寿命が変わるというデータもある

しかし、結婚して子どもが産まれ、「ライフステージ(?)が上がった」とされる僕はむしろ子どもができてからより孤独になった気がする。

そして、こう思った。

孤独感は、ステージのように薄まっていくわけではない。孤独は常に「ライフスタイルの隔たり」によって生まれるのである。

つまり、パートナーと子どもがいれば孤独ではないのか?というと、そうでもない。ある意味子どもを持つ年齢・パートナーを持つ年齢が、他のマジョリティとずれればズレるほど孤独になる。

周りに異なるライフスタイルの人間が多ければ多いほど、孤独感を感じやすいのではないか、と思う。

ライフスタイルの隔たりはパートナー関係のみではない

自分自身、経営者でもあるが、経営者の孤独も「ライフスタイルの隔たり」が生まれやすい。

土日関係なく会社にフルコミットしているのは、ライフスタイル的には相当マイノリティになる。なので価値観が昔の馴染みとは共有できなくなっていったりする。社員にはストレスフルすぎて背負わないといけない一人で背負わざるを得ない問題もある。そのため、経営者は経営者同士で交友関係が閉ざされやすい。

一方で、私自身20代後半で子どもが産まれたような、超家庭大事にしていてなるべく夕方から家で子育てしたい子育てガチ勢からすると、経営者コミュニティもそれはそれで孤独を感じることが多い。

だいたい同じ年齢の経営者は夜ふらっと会食にいけるし、ふらっとオフィスで残業して夜まで働くこともできる。なんならだいたいの場合、子どもがいない。仮にいたとしても、奥さんは働いていなくて専業主婦に近い状態のケースが圧倒的に多い。うちみたいに妻が正社員時短で週5で働いていたりしない。子どもをずっと預けられるのである。なので、子どもがいない頃と変わらない生活ができているのかもしれない。

そのため、僕の周りの経営者の悩みの多くは、「仕事しすぎていて妻との関係がよくない」、だったり、「妻と話が合わない」、だったり、「子どもの顔をあまり見れていない」、だったりする(もちろん家庭を大事にしている自分に対して謙遜しておっしゃっているのかもしれないが)。同じ経営者コミュニティの中でも、ライフスタイルの隔たりは存在するのである。

一方で自分が孤独を感じるタイミングは、20時くらいに電話がかかってっきて、「今からxxxさんと飲み会あるんだけど、これる?」みたいな連絡がきた時に「あぁ。めっちゃいきてぇ!20代前半のように、ふらっと飲みに行って経営層で渋谷の街に繰り出せたらな」と思ったりする。Twitterで仲の良い経営者通しが飲み会で楽しそうにしていると孤独に感じる。妻に「言ってきなよ」と言われても、「ダダ、一緒に寝て」とごねる息子をみるとやはりいけない。こういう飲み会、とっても楽しいし好きなんだけどな。。。寝かしつけをしながら、もっと働けたらな、と思いながら、当然寝かしつけの重力で寝落ちする。

このように、「ライフスタイルの隔たり」は、パートナー関係以外にも、いろいろなところで生まれ、かつ重層的なもので、結論どのコミュニティ・ライフスタイルをとっていようが発生するものなのである。

ライフスタイルの多様化 = ライフスタイルの隔たりの拡大

そしてこの「ライフスタイルの隔たり」の拡大は、「ライフスタイルの多様化」によってかなり拡がっていると思う。

もし皆同じようなライフスタイルをとっていれば、特定のライフスタイルから外れることは少なく、孤独感を感じづらいだろう。しかし、結婚しなくても良い時代において、ライフスタイルの選択肢が多すぎた結果、ほぼ同じライフスタイルの人間が相当珍しくなり、等しく皆孤独になるだろう。

30歳を超えると、なぜどんな人間も「みな孤独」になるのか。それはライフスタイルが多様化し、その結果ライフスタイルの隔たりが拡大するからなのである。

どうしたら「孤独」にならないか

多分「孤独にならない」は無理なんじゃないか思う。これだけ価値観が多様で許容されていれば、絶対どこかでライフスタイルのマイノリティ側に属することになると思う。

なので、どうしたら「マイノリティ側での孤独」を許容できるのか、の方が考えるべき問いだと思う。

これに対して、自分はよく答えはわかっていない。

ただ、これは、、多分だけど、「自分が選択的に得ているものと捨てているものをちゃんと自覚して、両方取りに行く努力をするか、もし両方は取れなくても、今選択的に得ているものに対して感謝すること」くらいなんじゃないかな、と思った。

PS

こんな自分を今でも飲みに誘ってくださる方、本当ありがとうございます!!貴重な友達です。子どもいようがなんだろうが少しでも時間合わせてなんとかいくので引き続き誘ってください!

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