漫画「ゾンビな猫は僕の居場所を見つけられない」 儚島美沙美

 本屋で店主のカズから聞いたのだが、私が拠点を離れている時、誰か客が来たようだ。その時何かあったらしいのだが、まあ詳しい事はいずれわかるだろう。
そう、カズに「ゾンビな猫は僕の居場所を見つけられない」は入荷しているか尋ねたのだけど入荷未定とのこと。この地にあっても入手困難ということか。

だが、レコルデスアカシャ公認書店ギルドメンバーであるカズの特権で
この作品の概要や読者の感想が入手出来たので、ここに記載しておこう。

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 「ゾンビな猫は僕の居場所を見つけられない」
   儚島美沙美(はかなしま みさみ)
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<内容紹介>

 円形平面の地である「世界」はかつて四神によってそのバランスを保たれていた。
北方のメカブゲン、南方のリザトクス、東方のニリュワウ、西方のヤトラコビ。
人々は彼ら四神及び「世界の縁」には近づかず、静かに平和に暮らしていたが突如として現れた謎の力を操る抗神集団の攻撃で西方のヤトラコビが瀕死の重傷を負う大事件が発生した。

ヤトラコビは力の減退による消滅寸前に自らを小さな獣に姿を変え、これを免れたものの引き換えに力と記憶を失ってしまった。件の抗神集団は残る三神によって鎮圧されたが、ヤトラコビはそのまま行方がわからなくなってしまった。仕方なく三神は力のバランスを再配置し世界の崩壊を抑える事にした。

それから三千年後、三神の治めるこの世界で人々の文明は多大な発展を遂げ、禁断の「世界の縁」への到達も時間の問題ということろまできていた。しかし、本来四神の力のサイクルで成り立っていた世界は限界寸前であることを人々は知らなかった。この三千年の間に徐々に三神の力がすり減り、三神もろとも消滅の兆しが見え始めていたのだ。そして、その機会を待っていたかのように古の抗神集団の意思を受け継ぐもの達が現れた。あの謎の力と共に。彼らは口々に言う。「反転合の時来たり」と。

ヤトラコビは三千年の間、三神が作り出す神気によって無意識に獣の肉体を再生し生き長らえていた。自分の名すら思い出せないこの哀れな神は、ある時ひょんなことから助けられた人間によってつけられた名を自分のものとしていた。そんな日々の中、ヤトラコビは再生力が徐々に弱まっていることに気づく。
そして、僅かながらではあるが記憶が蘇り始めていることも。

「私はあの地に行かなくてはならない。何故だかわからないが…」

ヤトラコビは古の抗神集団発祥の地、今では辺境の小都市となっている「クモンド」にやってくる。

「私はこの体が腐りきる前に彼を探さなくてはならない。だが彼とは誰だ?」

こうしてヤトラコビと「彼」の苦難の物語は始まる。

-------------------------------------------------------------------------------◇読者の感想

 父の遺品の整理をしていた時に、なぜかこの漫画が出てきました。儚島先生ファンで特にこの作品が大好きで、ファンレターを出しまくっていた私のために大事にしまっていてくれたのだと思います。すっかりストーリーを忘れていたのでハラハラしてしまってどうしようもありませんでした。主人公が「ぬこのいない世界に未練なんかあるか!?」と叫ぶシーンはなぜか藤原啓治さんの声で再生されました。猫のしっぽがピンと立った時には「立った!立ったわ!」と向こう三軒両隣に響く声で思わず叫んでしまうくらい感動しました。次の日ポストに「読みましたか?」とだけ書いた紙があった時にはご近所さんに同胞が・・・とこれもまた嬉しくて泣いてしまいました。
(投稿者 しいちゃん)

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(ご主人様を見つけられない…確かにここからご主人様の匂いがするのに…。悲しい…儚い…。涙が止まらなくなって目ヤニになってしまったわ。私も元気なうちにご主人様に目いっぱい甘えておこうと思うの)ニャーン、ゴロゴロ…。
(投稿者 名無しのニャン)

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