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タイのインディーズ音源を入手する方法まとめ

以前noteに書いた「バンコクでインディーズ音源を扱っているCDショップまとめ」がかれこれ4年以上前の記事になりまして、CD販売自体を取り巻く環境も変わり、インディーズ音源の入手方法や視聴方法も変わりました。

ということで、現状に即した形で「タイのインディーズ音源を入手する方法まとめ」という視点で、内容を更新してみます。

タイのフィジカル音源を取り巻く状況

タイではもうずいぶん前からCDが売れなくなっており、それはいろんな原因があると思うんだけど、リリースした瞬間にコピーCDが出回ったり、デジタル化の波が結構な速度で押し寄せたり、と、正規の料金で正規品が売れなくなる状況が結構早い段階で残念ながら整ってしまいました。
でも、まだ、タイの音楽フェスなんかでは、「一日で1,000枚以上売れた」なんていうインディーズバンドもいます。これは、YouTubeやストリーミングサービスががっつり利用されているタイにおいて、CDはすでにグッズのひとつとして捉えられてる感が強いんじゃないかと思っています。CDプレーヤーはもちろんのこと、CD挿入できるPCなんて最早ほとんど売ってないし、車にもCDプレーヤーくっついてないし。タイでも世界的な流れと同調するようにレコードが流行ったり、最近はカセットテープリリースなんかもするバンド・アーティストがいますが、こちらもグッズとして捉えられてる感はあります(もちろん、音源として聴いている人もいます)。

そんなタイインディーズのフィジカル音源ですが、日本でもタイ音楽がだいぶ聴かれるようになってきており、お気に入りのバンド・アーティストについては目に見える形のものを手元に置いておきたい、といった方もいるかと思います。
いつか、日本から旅行でバンコクに訪れた際に入手できるように、また、しばらくはなかなか気軽に海外へ渡航できなさそうなので日本からも遠隔で購入できるように、購入場所や購入方法をちょこっとまとめてみました。


ストリーミングサービス

いきなりフィジカル音源じゃないですが、多くのタイのバンド・アーティストもストリーミングサービスに音源をアップしています。日本からだと、Spotify、Apple Musicで探すのが容易かと思われます。あとは、タイ産ストリーミングサービス「Fungjai」でもタイの音源をチェックできます。ここは特にインディーズ系に強いです。テーマに沿った独自プレイリストも充実してます。

また、Fungjaiが運営する音楽系メディア「Fungjaizine」ではインタビューやライブレポート、リリースされた新曲のレビューなども掲載されており、バンド・アーティストを深堀することができます。記事はタイ語なので、気合とGoogleで乗り切ってください。


バンコク内CD/レコードショップ

先日、「Bangkok Indies Music Map」ということで、バンコクでインディーズのライブが見れる場所、インディーズの音源を扱っているCD/レコードショップについて、地図にまとめました。

Map内では、今のところ8店舗を掲載しています(2020/7/18現在)。以下、そのなかでも、品数が比較的多いお店を紹介します。なお、お店の定休日や営業時間などは、一応あるものの、日によって変わったりします。絶対に訪れたい場合は事前に連絡して店がオープンしているかどうか確認したほうが無難です。

名物店長がガンガン視聴させてくれる老舗ショップ「Nong Taprachan

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タイ最大の河川であるチャオプラヤー川沿いにあるこちらのお店。自分の好みのジャンルを名物店長のノックさんに伝えると、これでもか、ってくらい視聴させてくれます。なので、時間に余裕をもって訪れてください。

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品揃えもバラエティーに富んでいて、メジャーからインディーズ、ジャズからハードコア、CDからレコード、と、選り取り見取りです。まだ名の知られていない駆け出しの若手インディーズ系の音源も取り扱っていたり、ここにいけばだいたい欲しいものが揃います。また、トートバッグやTシャツなどのグッズも取り扱っており、なかなか手に入りにくいグッズもここにあったりします。

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音源やグッズ販売の他にも、インストアライブを企画したり、イベントを手掛けたり、と、タイのインディーズシーンを陰日向に支えているお店です。

お店はチャオプラヤー川沿いにありまして、「Tha Prachan(タープラジャン)」という船着き場に位置しています。BTSも地下鉄も通ってない場所なので、ボクはだいたいタクシーでいくことが多いです。
船着き場に向かう両脇に、コーヒー屋や服屋など、いくつかお店がありまして、その一角にあります。


美術館のなかにある雑貨屋「happening shop」(BACC支店)

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タイで今起こっているアートなムーブメントを伝える雑誌「happening mag」が運営する雑貨屋である「happening shop」。現在は2店舗あり、ここではバンコク中心部の美術館「Bangkok Art and Culture Centre(BACC)」内の支店を紹介します。
CDショップというよりも雑貨屋といったいでたちで、運営元が発行している雑誌「happening mag」はもちろんのこと、本やハンドクラフト、文房具、時計、洋服、カバン、アクセサリー、その他雑雑と、タイの尖った感覚を持ったクリエイターの作品が所狭しと並んでいます。

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その一角にCD/レコードを取り扱っているコーナーがあり、ここにインディーズの音源があります。上記2店舗のように、純粋なCD/レコードショップではないので、取り扱い種目は限られてはいますが、ポストロック、シューゲーザー、ポップス、ロックといったジャンルについてはしっかり押さえてます。

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インディーズをチェックしつつ、タイ人クリエイターの作品も先取りして、タイミング良く展示会が開催されていたら先鋭的なタイの美術にも触れてきてください。

また、「happening and friends」というWebメディアも運営しています。こちらでは、ショップで販売している商品の通販や、音楽・アートについての記事、インタビュー、スポット紹介などが掲載されています。しかも、タイ語・英語・日本語・中国語(繁体字)・中国語(簡体字)の5言語展開。すべての記事が5言語化されているわけではないのですが、タイのWebメディアのなかでは相当頑張って多言語展開しています。

場所はサイアム地区にある美術館「Bangkok Art and Culture Centre (BACC)」の3階に位置しています。BTS「National Stadium」駅から直結でいけます。


オサレ地区トンローにあるレコードショップ「Bungkumhouse Records

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タイのオサレ地区トンローのなかに、これまたオサレショップが入居しているビルがあります。一階にはレトロな風合いのバーバーショップ「Black Amber Barber Shop」、二階にはオリジナルハンドメイドのアクセサリーショップが入居しており、そこの屋上に半屋内・半屋外で居を構えるのがこの「Bungkumhouse Records」です。

こちらは、基本的にはレコードショップとして経営しており、レコードのほうがCDよりも圧倒的に取り扱いが多いです。なので、レコード探しに来るついでに、インディーズの音源もついでにチェックする、という使い方がいいかもしれません。

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以前はインディーズのインストアライブも頻繁におこなってました。手狭な店内のレコード棚を脇に除けて、楽器をめいっぱいに敷き詰めておこなってました。お客さんは屋外から見るような感じなのですが、雨が降ると結構な確率でお客さんがびしょ濡れになってました。ここのインストアライブに出演すると、とても美味しいパンをなぜかくれました。どこのパンだったんだろう。

場所は、トンロー通りのソイ5と7の間の細い路地にはいり、右手すぐのビル(一階がクラシックな風合いのバーバーショップ「Black Amber Barber Shop」)を屋上まであがってください。


オフィシャルページから音源を直接購入

タイではバンド・アーティストのオフィシャルページがSNSであることが多いです。だいたいのバンドはFacebook、Instagramのアカウントを持っています。そういったオフィシャルページで音源の販売情報をチェックできるので、直接英語で連絡取ってみましょう。決済手段と配送手段がうまくマッチすれば、バンド・アーティストから直接音源を購入できます。もしかしたら、なんかおまけでつけてくれるかも。つけてくれないかも。


日本国内で音源購入

近年、タイも含めたアジアの音楽を日本でリリースしてくれるレーベルも増えてきました。その場合、日本国内でも購入が可能です。しかも、日本リリース版となると、歌詞の日本語訳だったり、ライナーノーツだったりが付いていることもあり、タイリリース版よりもより深くバンド・アーティストの世界観を知ることができます。

タイのバンド・アーティストを日本でリリースしてくれているレーベルで主だったところをざざっと紹介します。以下で扱ってもらっているタイのバンド・アーティストの音源は、Tower RecordsやHMV、Amazonなどで購入できるかと思います。

アジア音楽が注目される前から注目してたレーベル「Parabolica Records

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今でこそアジアの音楽を聴く人がじわじわ増えてきましたが、アジア音楽リスナーが片手で数えられるくらいの頃からアジア進出していたレーベル。以下のバンド・アーティストの音源をリリースしています。

一瞬で駆け上がり絶頂期目前に解散したオルタナマスロック「aire


アートワーク含め全部がファインなファインポップ「stoondio


王道ポップを突き進むポップなスター「Stamp Apiwat


灼熱の国のサーフミュージック「Singto Numchok


次世代タイポップ界の旗手「Moving and Cut


タイのシューゲーザー番長「INSPIRATIVE


多彩な楽曲を紡ぎだす爽やか渋ポップ「Max Jenmana


世界標準のタイ音楽を紹介するレーベルInpartmaint Inc.

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今や世界で聴かれているラバーボーイ「Phum Viphurit


しんしんと心揺さぶるスローコア「Zweed n' Roll


幅広いジャンルがタイにもあるぞ、ってことを日本に紹介するレーベル「FABTONE Inc.

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Part Time Musicians


POLYCAT


ANNALYNN


Jelly Rocket


Pyra


Plastic Plastic


temp.


TELEx TELEXs


Nobuna


Cyndi Seui


タイでもインディーズ魂を持つバンドを支援するレーベル「Space Shower Music

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Safeplanet


ご縁とご縁が折り重なってタイアーティストをリリースすることになったレーベル「Toy's Factory

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Stamp Apiwat


まとめ

以上、タイのインディーズ音源を入手する方法(一部メジャーも含まれちゃった)をまとめました。

ボクは、好きなバンドや支援したいバンドについては、CDやグッズなどのフィジカルなものを持っておきたいので、置き場所に困るくらい、すぐに色々と購入しちゃいます。
同じような嗜好がある方に、この記事が届きますように。そして、お気に入りのバンド・アーティストの音源が、無事に手元に届きますように。

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dessin the world
日本とアジアのインディーズシーンを支援するためのレーベルです。 「日本の音楽をアジアに。アジアの音楽を日本に。」をコンセプトに、アジア音楽交流のための草の根活動をおこなっています。主に、タイのインディーズ事情について発信していきます。
日本・タイのインディーズバンドによるコンピレーションアルバムのフリーダウンロード「a plan named overlap」、アジアの現場で鳴っている音を共有するためのプレイリスト「Scenario Asia」はこちらから。

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