所謂バーチャル蠱毒について

まずはこのリストを見てくれ。(……と言っても全てが終わればこれらのアカウントは全て消滅する運命なのだが)

雨ヶ崎 笑虹 、結目ユイ、九条林檎、白乃クロミ、巻乃もなかの5人が、
それぞれNo.01からNo.12まで(一部欠番あり)揃っているだろう?

これらはスパムではない。
れっきとした人間なんだ。中には人がいる。……むしろ『中の人である』?


所謂バーチャル蠱毒について:アイドル編

事態を説明すると、『Vtuberの立ち絵だけ完成したから、中の人候補12人にいそれぞれ演じさせて一番反応が良かった人を中の人にするわ』……という一種の公開オーディションなのだ。選ばれなかった11人×5は消滅する。

仮面ライダー龍騎こどもブロイラーのパロディかな?
負けたら死ぬタイプのレヴュースタァライトかな?

それぞれの候補は、さきほど見ての通り、雨ヶ崎 笑虹No.01、雨ヶ崎 笑虹No.02といったキャラクター名+番号を与えられ、視聴者もそれに従う。
……名前も番号も、負ければ失われるというのに。

もちろん彼女らも『白乃クロミNo.06だから"クロック"』といった風にあだ名で差別化を図ろうとしているのだが、これがかえって惨い。
オーディションが終わって生き残った時、彼女は『白乃クロミNo.06』ではなく『白乃クロミ』なのだから、『クロック』である必要がないのだ。

11人の自分と戦い、消滅を見届け、無念を背負った名前すらも奪われる。
あまりに悪趣味過ぎる。


所謂バーチャル蠱毒について:視聴者編

もちろん、これはファンの側にとっても大変な地獄である。

自分の推しは消滅したのに、別の誰かがその名前を名乗っているシチュエーションを想像してみてほしい。概算して11/12の確率で起こる未来だ。

自分の推しは消滅しなかったが、11人分の十字架を背負っているシチュエーションならどうか。こちらは1/12の未来だ。

これがこのオーディションの意味する所なのである。



……それはそれとして、こんな面白いシチュエーションに対して私が不謹慎ジョークをかまさずにいられるはずもなく、

……球速130km/hくらいのジョークを乱射していたところ、本家(の内の何人か)に捕捉された。

人間とは実にチョロいもので、たった10分前に初めて出会って不謹慎ジョークにいいねをくれただけの関係でも、その人を『本物』として認識し、愛着を持ってしまうものらしい。

観測した時点で『本物』になるのだ。


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