家の近所に私と妻が大好きな喫茶店があります。

雑居ビルの二階にあるその喫茶店は、クラシックギターの調べがいつも静かに流れていて、とても落ち着いた雰囲気が漂っています。

私がこの街に引っ越してくるずっと前からこの地で営業されているんだろうことは、店内にいるお客さんを見ればすぐにわかります。老若男女、そこには様々なタイプのお客さんが、リラックスしながらそれぞれの日常を送っているのが伺えます。そこには良い意味で特別感などなくて、それぞれのお客さんに寄り添うことができるお店の懐の深さのようなものが感じられます。

ちなみに私達夫婦も二週連続で朝ごはんを食べにお邪魔しています。喫茶店なので、コーヒーはもちろんのこと美味しいのですが、食事もちゃんと美味しいんです。昔ながらの洋食をベースにした、過不足のないシンプルな味付けで、期待のちょっと上を行きます。

先週私が頂いたのはミートソーススパゲッティグラタンです。深みのある味わいのミートソーススパゲッティに特製ホワイトソースをたっぷりかけてアツアツのグラタンにしたものです。私は何故か、こうゆう子供が好きそうな料理に心をくすぐられてしまいます。妻はいつものポテトグラタンとポテトサンドイッチのモーニングセットでした。ちなみにどちらも食後にコーヒーと小さい焼き菓子が付いています。

そして今週も、同じく朝ごはんを食べにお邪魔しました。今回は二人ともポテトグラタンとポテトサンドイッチのモーニングセットにしました。妻はいつもこれしかたべません。よっぽど好きなのでしょう。

その日は窓際の席に案内されたので、二階にある店内の窓からは外の様子がよく見えます。
近くにある保育園から子供達が列をなして、近所の土手に遊びに行くところが見えます。はしゃいでいる子もいれば泣いている子もいます。子供たちの純真な姿はいつ見ても癒されますね。

また、目の前にある洋品店の女性スタッフの二人組が、大きくて重そうなシャッターを開けています。シャッターを開けたことがある人はわかるとおもいますが、シャッターって結構おもいんですよね。その中でも重そうなシャッターを「どっこらしょ」と持ち上げて、重量挙げの選手の如く、シャッターの下に素早く入り込み、「いっせーのーせっ、あらよっ」と上に押し上げる二人の息がぴったりで、こっそり見ているこちらが気持ちよくなりました。しかもシャッター三枚分もやって頂き、私は心の中で拍手を送っていました。パチパチパチ。

こうした心暖まる街の風景が見られるのもこの喫茶店の魅力の一つです。街に寄り添うってこういうことなんだなとしみじみ感じました。

美味しい食事と心地よい時間をいつもありがとうございます。これからもお邪魔させていただきます。