見出し画像

日常(抄)

 もう近くで長い時間、直接やなみんの話を聞くような機会はないと思っていたのに、また会うことができた。2019年3月6日にすべりこみのように急遽開催された「梁川奈々美トーク&握手会(写真集発売記念イベント)」へ行った。場所は横浜ビブレ。彼女の地元とされている神奈川県内での開催である。

(中略)

 話題として印象に残ったのは、何年か後の成人式に着る振袖についての質問に答えたもの。成人式に着る振袖はすでに決まっていて、母も着用した、家で代々受け継がれてきた振袖を着る。色は濃い緑色、エメラルドグリーンみたいな(と何度か色について適切な表現を探して言い直す)。もう着る色が決まっているので、これからイメージを作っていきやすい。
 17歳を迎えたら急に成人ということを意識するようになった。その前は子供でいたい(甘えていたい、という言葉を使ったかもしれない)というか、保護されていたいというか、自立するのが怖かったのだが、17歳になったら急に実感が出てきた(17歳になったのはつい最近のことだと思っていたが、彼女はもうその17歳の時間を充分生きてきたという言い方だった。17歳になってから実は約2ヶ月経っていて、それをこちらはつい昨日今日のことくらいに思ってしまうが、彼女のなかでははるかに濃密な時間が流れていたのだろう。この子のなかに自分とは違う速度・濃度の時間が流れているということが、こういう発言からも窺い知れる)。

(後略。『ハロモニア』より。二十歳の誕生日を祝って)