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デザイン会社のマネージャーになったら意識すべきはアウトプットでなくインプット環境の整備?

4月になり、新年度&新体制になった会社も多いのではないでしょうか。

中にはデザイン会社でマネージャーになって、自分だけでなく部下の仕事を見ることになり、何から始めよう?と悩んでいる人もいるかと思います。

今日はそんな人に向けて何かヒントになればと思って記事を書いてみます。

マネージャーになると、やらなければいけないことが増えますよね。

今までは自分のことをやればよかったのですが、マネージャーになると多くの仕事の主語が「I → We」になるので仕事のやり方を変えなければならりません。

「突然、チームで成果を出せと言われても…」

そんな悩みにぶつかると思いますが、
マネジメントをはじめからうまくできる人はいません。

何度も失敗して挫けそうになりながらも、仲間と成果を出していくという醍醐味に徐々に気づいて、そのスキルを伸ばしていくものなので、「マネジメント」にどんどんにチャレンジしてみてください。


デザインチームのマネージャーはアウトプットを評価すべきか?プロセスを評価すべきか?


さて、前置きが長くなりましたがマネージャーになると上司から「チームで成果を出してください」と言われるかと思います

チームで成果を出すためにはデザイナー個々人の力を借りなければなりません。そのためにはデザイナーが成長しやすい環境や評価軸を用意することが求められるます。

デザインチームの評価軸を考える場合、出てきたアウトプットの質を評価したほうがいいのか?それともデザインプロセスなどデザインを作ることのインプット量=行動や態度を評価をしたほうがいいのかどちらでしょう?

ユーザーさんの手に届く(目に触れる)ときは、アウトプットの質が高い事がもちろん大事です。

デザイナーが成長するためにはどちらを評価すればいいか?という問いなのでなかなか難しい問題です。

「テストで良い点をとればご褒美」と「本を読んだらご褒美」のどちらが効果的か?

少し話がそれますが、最近、『「学力」の経済学』という本を読みました。

事例として経済学者のフライヤー教授が"ご褒美"に関する実験の話が今回の問いの回答に近い話だと思ったのでとりあげます。

2つのグループ(3つの学校×2)にわけて実験

「テストで良い点をとればご褒美」と「本を読んだらご褒美」のどちらがこどもの学力を上げる効果を持つか?という実験を行いました。

学校の中にいる学生をグルーピングするのではなくエリアごとに実験を行いました。
(全体の効果を見るためですね)

整理をすると

・テストで良い点を取る = アウトプットにご褒美を与える
・ 本を読む = インプットにご褒美を与える

を学校(エリア)単位で検証する実験でした。

実験の結果、学力テストの結果がよくなったのは、インプットにご褒美を与えられた子どもたちでした。

一方、アウトプットにご褒美を与えられた子どもたちは学力に改善は見られなかったということです。

ご褒美はアウトプットでなく、インプットに与えたほうがよい

なぜ、このような差が出たのでしょうか?

ポイントはご褒美に対して、どう反応し行動したか?というところにあります。
インプットにご褒美が与えられた子どもは何をすべきかが明白です。

行動することで、学習が習慣化され学力が伸びる結果になりました。

一方、アウトプットにご褒美が与えられた子どもは何をすべきか?具体的な方法が示されていなかったので、行動が持続せず結果を出すまでたどり着かなかったのです。

ということで、デザインチームはインプットのプロセスを整えよう

デザイナーはプロダクトの課題を見つけ、解決アプローチとしてUIをつくり、仮説があっていたかどうか検証して、改善するという一連のフローがあります。

この課題仮説(UIがユーザーに使われてどうか?)があっていたかどうかの検証=アウトプットを評価すると時間軸に置き換えるとどうしても長くなってしまいます

なので、デザインチームを束ねる人は、目標を達成したかどうか?という軸で評価をする方法はおさえておきつつも、デザイナーが活躍する土壌を整えるという意味では、インプットの行動を褒めたり、推奨するチーム文化を組成すると良いかと思います。

※ちなみに、誤った戦略で作戦を遂行してしまうことほど悪手だという話は念頭にいれておきましょう。

具体的なインプット環境例

当たり前のことばかりですが、予算が少なくて効果が高かったなと思われるものをいくつか書いてみます。

・デザイン予算の確保 
 └ 書籍、フォント、素材、ツールを購入する権限をマネージャーが持つ。
・デザインガイドラインや共通アセットを整備したタイミングでチャットツールで連携される
・日報、他PJの議事録を必ずesaに投稿、チャットツールで連携
・社内、社外の交流を推奨(研修予算の確保)
・有益なブログ記事情報を RSS で取得して、チャットルームに招待。見てもらう。

などでしょうか。

チャットツールとの連携や通知設定で集中をする環境とそうじゃないときの切り分けが大事ですが、まずは良いと思われる情報が定期的に入ってくる環境をつくり、インプットしている人を評価することが大事です。
(気持ちとしてアウトプットにつなげてなんぼというのはよくわかります)

このあたりが浸透してくると、各人からアウトプットの回数や質が高まってくるので、環境整備を進めているデザインチームのマネージャーがいたらぜひ取り組んでみてください。

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