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アマセケイ×ひがし対談

・アマセケイ( twitter : amasekei )

おいしいものと、綺麗なものが好き。主にカフェの絵と創作漫画を描く人です。ゲームやアニメ、漫画も色々好き。たまに版権絵も描きます。

・ひがし( twitter : east_sha2 )

珈琲好きの絵描き。moffmachiにて活動中。作家さん対談相手募集中です。


◼︎カフェのイラストは描くけども、そこにプラス私の色みたいなものを出せたら良いなと思っていて。

ひがし
今回は第三回…くらいの対談です。お相手はアマセケイさんにお声がけ頂きました〜。よろしくお願いします。

アマセ
はい。よろしくお願いします。

ひがし
はい。アマセケイさん、イラストとしてはカフェのイラスト描かれていて……でまぁ、僕カフェ大好きなので(笑)イラスト正直大好きなんですけど。

アマセ
あ、ありがとうございますー

ひがし
まさか声かけてもらえるとは、という感じです(笑)

アマセ
いえいえ(笑)あの、私のプレゼント企画に参加してくださって。それでひがしさんのことを知って、「かわいい絵だなぁ」って…

ひがし
ありがとうございますー。本当はプレゼント企画とかじゃなくて、直接お金払って買いに行きたかったんですけど(笑)ちょっとコミティアには行けず、通販通して買うよりは、アマセさんから直接頂けたらなと思って応募させてもらいました。

アマセ
いえいえ、嬉しかったです。

ひがし
お金は出せなかった分、宣伝はしっかりさせて頂こうかなと(笑)

アマセ
そんなそんな(笑)

ひがし
頂いたポストカードがすごい良くて、個人的に…多分一つ前の本の表紙なんですかね…「memomemories」という…

アマセ
あー四角いのが乗ってる…?

ひがし
四角いのが乗ってる…ちょっと詳しいお菓子の名前とかはわからないんですけど(笑)

アマセ
あれは、ヌガーグラッセっていう…アイスみたいなお菓子で…あの絵はもともと参考にしたカフェがあったので。

ひがし
なるほど、写真撮られて参考にされてっていう…。これが好きです。一番お気に入りで。

アマセ
ありがとうございます。私も結構気に入っていて、本の表紙にしてたのをポストカードにしました。

ひがし
これモチーフとかは大体写真撮って、そこから絵にするって感じなんですか?

アマセ
そうですね。大体は自分の行ったカフェで撮った写真を参考に描いています。メロンソーダの絵とかがそうなのですが、「このメニューが描きたい」っていうときに手持ちの写真がなければ、ネットで検索してそれを参考に描くこともちょこちょこあります。

ひがし
なるほど〜。で、これ、ただの模写とかいう感じではなくて、結構遊びがあるというか…それがすごく良いなと思っていて。

アマセ
ありがとうございます。

ひがし
もちろんタッチとしてカフェイラストがすごく良いんですけど。イラストでしかできないところをしっかり突いてるな〜という感じがしていて。

アマセ
あ、そう、そうなんですよ。私が描く意味というか、うまい方はたくさんいらっしゃるので、普通にカフェのイラストは描くけども、そこにプラス私の色みたいなものを出せたら良いなと思っていて。そこでまぁ、ちょっと幻想的なモチーフとかも混ぜ込んで描けたら良いなと思って描いてました。ひがしさんも結構カフェっぽいというか…お店っぽいイラスト描かれていたりしてますよね。

ひがし
そうですね、割と書いてます(笑)なんで、アマセさんのイラストが結構「こういうのが描きたいな」という物だったりするんですけど(笑)

アマセ
あ、ほんとですか。

ひがし
ちょっと、食べ物がまだあんまり上手く描けないんですよ。なんで要練習って感じなんですよね。

アマセ
得意なモチーフとしては女の子とかなんですか?

ひがし
んー女の子です。ずっと基本的には女の子描いてたんで。なのでそこがベースになっちゃうんですよねどうしても。

アマセ
ひがしさんの描く女の子かわいいですよね〜。顔も可愛いんですけど、全体的にあっさり目の絵柄でありつつ、端々をちゃんと丁寧に描かれてるなーという印象があって。

ひがし
あぁ、ありがとうございます(笑)割と線は、最近は特に減らそうと減らそうとして今の形になったところがあります。アマセさんの絵とかだと、割と描き込むところは描き込んで、しっかり粗と密を出してまとめてるイメージなんですけど。

アマセ
いやいや、そんな全然考えない…(笑)おそらく魅せたいところが自分で描いていて楽しいところだと思うので、そこは描き込まれて、そうでもないところは軽くなっちゃう…結果的にそうなってるんだと思います(笑)

ひがし
なるほど(笑)僕は結構描き込むところをあんまり作らずに、シルエットだけで表現しようとしてるところがあるので。シルエットだけで微妙な質感とかがしっかり変わってたら、個人的には理想なんですけど。まだまだという感じです。

アマセ
そうですか?見る側としては今でも完成されている感がありますが。

ひがし
そうですね、最近になってようやく…という気はしてます。去年くらいから絵柄が落ち着いてきたなと思ってます。まぁまだ変わるかなという気もしてるんですけど(笑)

アマセ
ちょっと思ってたのが、moffmachi(モフマチ)は「兄弟で半々くらい描いてる」というのをTwitterで見たんですけど、あれは合作ってことなんですか?一枚の絵を半々…?

ひがし
一枚づつ別です。絵は違いますね。

アマセ
あ、そうなんですか。片方が「人物担当」で、もう片方が「動物担当」みたいな描き方されてるのかなと思ってました。…とすると、兄弟で雰囲気が似てらっしゃるのですね。

ひがし
ふふ(笑)そうですね、結構ほんとに親しい友人もわからなかったりするので(笑)僕らからすると全然違うんですけど、結構わからないらしく。

アマセ
例えば最近で言われるとどの辺りがひがしさんでどの辺りが弟さんとかあるんですか?

ひがし
えーと、カレンダーのイラストは全部弟が描いてます。あと、最近出した新刊の「Promenade」という本の表紙も弟ですね。

アマセ
へ〜…何年も見続けたらもしかしたら違いがわかるかもしれない…

ひがし
ふふふ(笑)割とよく見たら癖はあるので。まぁ見てもらえたらわかるんじゃないかなとは思います。

アマセ
弟さんとの決定的な違いは…

ひがし
どこでしょう(笑)決定的に違うというか、動物に関してはもう弟と僕じゃ年期が違います。弟の方が動物の描き慣れ具合は圧倒的なので。moffmachi始める段階では僕はもう全然描いたことないくらいの感じだったので。ほとんど弟の見よう見まねで(笑)

アマセ
そうなんですね。動物すごい可愛いです。

ひがし
ありがとうございます。moffmachiは、動物は…というか割と全体的な絵柄でもあるんですけど、福田利之さんわかりますか?

アマセ
あ、はいわかります。ほぼ日とかでよく描かれてる方ですね。

ひがし
あ、そうですそうです。あとスピッツのCDジャケットとかも描かれてたりする方なんですけど、あの方のイラストが結構影響受けてる感じですね。弟が好きで、もちろん僕も好きなんですけど。

アマセ
割とデフォルメされますよねあの方は、動物とか。

ひがし
そうですね。なんか目と鼻のあたりがすごいキュッとしてるんですけど。その辺はmoffmachiにもよく出てますね(笑)人物は好き勝手描いてますけどね。

アマセ
なるほど〜。でもなんていうんでしょう、カフェに居そうな女の子…というイメージです。

ひがし
最初にmoffmachiのコンセプト決める時も、結構ファッション的な、スナップショット的なイラストでいこうっていう感じだったので。服装とかはしっかりこだわって描いてたりしますね。

アマセ
そうですよね、結構服とかも毎回違ってこだわりを感じます。雑誌の切り抜きというか、カットとか連想しますね。

ひがし
割とその辺参考にしながら描いてたりはしますね(笑)


◼︎moffmachi自体からちょっとブランドっぽいイメージが出てたらいいなぁっていう。

ひがし
結構イラスト…カメラ的?なもの意識されてたり…?

アマセ
カメラ的?

ひがし
なんて言えばいいんだろう(笑)カメラ的な演出というか、遠くがボケてたりとか、ドーナッツのイラストとかも光の入り具合とかがレンズ越しっぽい…というか…

アマセ
あー…そうです、写真でたまに埃がキラキラ写ってたりするやつとかをイメージはしましたね。

ひがし
やっぱりそういう光り方の…

アマセ
伝わるんですね(笑)びっくりしました。

ひがし
しっかり見てますんで(笑)

アマセ
ありがとうございます。なんかカラーがあんまり得意じゃないっていうのが自分ですごく思っていて、特に一枚絵にすごい苦手意識が強くてですね。それを最近は解消したいと思って、一枚絵をできるだけカラーで練習するようにしてます。

ひがし
なるほど。

アマセ
光と影をあんまりこれまで入れてこなかったので、全体的に絵がペタっとするんですよね。なのでそれを変えたくて。写真とかを見ながら描いたりしてそこをもっと意識するように最近はしてますね。……ひがしさんが描くときに参考にするのって、その…雑誌を見ながら描かれてる感じなんですか?

ひがし
うーん…まぁそうですね、結構雑誌はよく参考にはします。まぁでも女の子の服くらいなんですけど(笑)

アマセ
どの辺の雑誌を買われてるんですか?

ひがし
雑誌はですね…「リンネル」とか…「FUDGE」か…あと「FUDGE」の派生的な…

アマセ
「ONKUL」とかですかね。

ひがし
そうです「ONKUL」。

アマセ
あ、私もまさしくその辺買ってますね(笑)

ひがし
その辺りです(笑)ちょっと…大人めなイメージですかね。

アマセ
なんとなくわかります。結構あの辺はシンプルな服とかが多いですよね。

ひがし
そうですね。まぁ完全に好みなんですけども(笑)

アマセ
ふふふ(笑)私も結構雑誌好きで買ってるんですよね。

ひがし
ああじゃあ参考にしてる服とかがバレバレかもしれない(笑)

アマセ
あと結構男性向けの雑誌とかも、私は好きで買っていて。「BRUTUS」とか、えーっとマガジンハウスの…「POPEYE」とか。

ひがし
男性向けの雑誌も結構参考にはします。服装を参考にするのと、あとはトータルの雰囲気というか、本当にインスピレーションの話ですけど、うまいこと出せたらなと(笑)理想としてはmoffmachi自体からちょっとブランドっぽいイメージが出てたらいいなぁっていう。

アマセ
ああー伝わりますね。ちゃんとロゴも(ブランドの)ロゴっぽい感じにしてますもんね。

ひがし
ロゴは最近新しくしたんですけど。ロゴも結構ブランディングっぽくイメージが付くようになってたらなという感じです。

アマセ
はーすごい。これもお二人で考えて、どちらかが描いて、という感じなんですかね?

ひがし
そうですね。ロゴを変えようという話が去年の冬くらいに出て、そっからアイデアを出そうと言って、でまぁ結局出したの僕だけだったんですけど(笑)

アマセ
弟さん、出さなかった…(笑)

ひがし
弟が描かなくて(笑)結局僕だけ出して、数案出した中で「これいいんじゃない?」っていうのがあって。そっからまた手付かずだったんですけど、いざ春に新商品出す時に「ちょっと、ロゴ変えるって話やったやん!」ってなって(笑)

アマセ
(笑)

ひがし
で、前に出した案をもとに、最終的には弟が描き上げてロゴにしました。

アマセ
へ〜そういう分担の仕方もするんですね。

ひがし
まぁたまたまそうなったというだけですけど。僕としては今回モチーフが猫が思いっきり前に出るロゴだったので。さっきも言ったんですけど動物に関しては(弟と)年期が違うので、ちゃんと弟に描いて欲しかったんで僕が頼んだんですよ。

アマセ
いいですね、なんかお互いにお互いのいいところ理解しあって、そこで分担できるっていう。

ひがし
その辺はいいところですね確かに。


◼︎漫画は絵に付加価値が付けられると思っていて。

ひがし
アマセさん、漫画も描かれてますよね。

アマセ
あ、はい(笑)

ひがし
漫画描かれてるのはちょっと知らなくて、今日の対談に合わせて読んできたんですけど(笑)

アマセ
あ、ありがとうございます(笑)これに合わせてわざわざ(笑)

ひがし
一応、「青の境界線」という漫画とPixivの方で…えーっと…

【青の境界線】

【ライトハウス】

アマセ
あれですかね女の子が灯台に行ってる…

ひがし
あ、それですそれです。「ライトハウス」。その二つを読ませてもらいました。すごい漫画は漫画でタッチが違うというか……人物描いてるからですかね…

アマセ
それはすごくあるかもしれないです。絵の中に人が入ってくると自分でも随分雰囲気が変わるなと思っていて、なので逆にカフェの絵に人を入れることができなくて、それがちょっと今悩みではありますね。

ひがし
はー、なるほど。

アマセ
なんか切り離しちゃうんですよね。カフェの絵と漫画みたいなのと。できれば人を入れていきたいなと思いつつ、でもいい方法も浮かばず。

ひがし
そういう感じなんですね。…自然に混ざりそうな気もするんですけど、そうでもないんですかね?(笑)

アマセ
自分の中で魅力的なキャラクターを描けてないなっていうのがすごいあるので。カフェに入れちゃうとちょっと違和感あったり。あと単純に食べ物アップで描いてしまうと、どうしても人が入れにくいというのがあるんですけどね。

ひがし
どっちにフォーカス置くかっていうところは難しいですね。それは僕も結構苦悩しますね。

アマセ
そうなんですよ。食べ物アップで描いちゃうと手とかしか入らないな〜っていうのが。人物入れちゃうと今度は食べ物が小さくなったりとか、悩みどころですね。

ひがし
漫画は、今日は「青の境界線」の方の話をしたいな〜と思ったんですけど。

アマセ
あ、お願いします(笑)まだ10ページぐらいしか描いてないんですけど。

ひがし
そう、とりあえず1話だけ載ってて、すごいいい導入だな〜と。

アマセ
よかったです。ありがとうございます。

ひがし
内容としてはちょっとファンタジックな内容じゃないですか。で、人物がその…人……人なんですかね?(笑)

アマセ
一応…人です(笑)

ひがし
(設定的には)微妙に人じゃない感じなんですけど、そういうキャラ付けだからこその距離感というか、その人と人との絡みが繊細な感じがして。…まぁやり取りが可愛かったという話です(笑)

アマセ
そうです。割と1話はその最後の方のやり取りが描きたかったのがありますね。そこを見せ場にしたかった。

ひがし
この言葉が通じないのがすごくいいなと思って。通じないからこその。

アマセ
すれ違いとか。

ひがし
はい。いいなーと思いながら見てました。

アマセ
ありがとうございます。わりとカフェのイラストをメインで見てくださってる方が多い印象で、漫画はなかなか反応がいただけなかったりするので、そういっていただけるとうれしいです!

ひがし
漫画すごい上手だなと(笑)僕は漫画は描けないので、ちょっと羨ましいですね。

アマセ
でも私もちゃんと描くようになったのはここ数年の話なんです。学生時代は少し描いていましたが、漫画もまったく読まない時期が何年もありました。また描くようになったのがある作品に出合ったのがきっかけで…。市川春子さんっていう漫画家さんわかりますか?

ひがし
あ、はい、わかります。

アマセ
市川春子さんの「25時のバカンス」っていう短編を読んで、その内容がいわゆる普通の王道の漫画っていうよりかは、ちょっと外れたところにある漫画だなというのを感じて。こういう漫画もあるんだっていうところから自分もこういう立ち位置のものが描いてみたいな〜というのがあって、自分もまた描くようになりました。

ひがし
は〜なるほど。市川春子さん…ちょっと「宝石の国」以外読んだことなくて申し訳ないんですけど…確かに雰囲気が…なるほどな〜という感じです。やっぱりお好きなんですねという。

アマセ
そうですね。今、一番影響受けてるとは思います。

ひがし
ちょっと「25時のバカンス」は要チェックですね。

アマセ
要チェックで。是非。

ひがし
アマセさんの今後の漫画の展開については期待しつつな感じで…。あまりここでネタバレじみたことを話してもアレなんで…(笑)

アマセ
そうですね(笑)うっかり言っちゃうかも(笑)まぁでもなかなか漫画の方は手間と根気が要るので、モチベーションを保つのが難しくて、止まっちゃったりがあるかと思うんですけど。

ひがし
そうですね…漫画描くのは本当にすごいなぁと思います…!

アマセ
でもなんでしょう、漫画は絵に付加価値が付けられると思っていて。私の絵柄にそんなに興味無くても、お話が好きだと思って頂ければそれはそれで嬉しいなぁと思うので。絵とは別のところでアピールできるかなというのもあって。結局お話を作るのは好きではあるので…

ひがし
ああ、いいですね。

アマセ
いやーでもそれを完成させるのは大変ですね(笑)

ひがし
短いと逆に難しくないですか?

アマセ
そうですね。割と好きなものを詰め込んでいくとだんだん長くなってしまうので、16とか30ページくらいに収めるのが全然できなくて。「ライトハウス」描いた時も、「こういうシーンが欲しい」っていうのを全部詰め込んだら結構なボリュームになって。

ひがし
80ページくらいあった気がするんですけど(笑)

アマセ
そうですね(笑)なんやかんやでそれくらいになってしまいました(笑)



※記事中のイラストは許可を頂いた上で使用しています。

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