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【海外暮らし】過剰な接客依存・・・

以前の記事でも触れたが、ドイツではお客様は神様ではない。


お客様だろうが店員だろうが店長だろうがみんな立場は対等なのである。




ということで個々人が尊重されるドイツでは、過去の記事でも触れたように接客にムラがある。




だから、ドイツで暮らすようになって別に接客に何も期待をしていなくなったし、




逆に店員が「ちょっと無礼なやつ」って思うくらいがデフォ。




そう感じるようになった自分に対して「私、ドイツかぶれになっちゃって♪」なんてポジティブに考えたりもしていたが、




私の中の日本人的な部分はまだちょっと抜けていなかったらしい。




そう感じた出来事があったので、今日はその話を少し。













ドイツの中でも比較的大きな都市に住む私。



日本食レストランもあるし、アジアなスーパーもあるし、日本のものに囲まれて暮らそうと思えば、できなくはない。




そして日本人の知人同士で、「あそこのスーパーに新鮮な魚があった」とか




「〇〇駅の近くの肉屋さんで薄切りの豚肉が買える!」とか、そういう暮らしに役立つ情報を共有しつつ生活している。




そしてSNSもそういう暮らしに役立つ情報を仕入れるのに大変役に立つ。




先日は、たまたまインスタを見ていたら、日本っぽいパンを売っているベーカリーが市内にあるということを発見。



日本のパン屋情報は、日本人の知人・友人たちからも聞いたことがなかったので、



その見つけたパン屋さんは、たまたま日本風のパンを焼く、日本ぽい名前のパン屋なのかな、と思っていた。



ということで、ここぞ!とばかりに行ってみることにした。





早朝6時くらいから営業する店も多いドイツのパン屋。




この念願のパン屋を訪れたのは、夕方に近い時間帯頃。




時間帯的に、きっとあんまり品物もないだろうな、と思っていたのだが、店内を覗くと



まだいくつか美味しそうなパンが並んでいるではないか。



いざ!入店してみると、アジアな女性が「ハロー」とお出迎え。




絶対的に日本人!という根拠のない自信を持った私は、「こんにちは」と挨拶してみると、



相手も、あ、日本人なのね的な表情をしつつ、「こんにちは」。



日本ぽいパンを売り、日本風の名前のパン屋は日本人が経営するパン屋だったー!!!





と、口には出さないが一人で超盛り上がった私。





絶対日本みたいに美味しいに違いないと思い、パンを大量購入してやろうと決意!




そして、並べられたパンを眺めてみたのだが、



何パンなのか、そしていくらなのかも表示がない。



こういうパン屋、ドイツでは珍しくない。




そのため、細かく名前の違うパンがあるドイツの文化に慣れていない日本人の私は、パンを注文するのに時々困ることがあるのだ。




だから、これがドイツのパン屋だったら、指差し注文になる。




でもここは安心の日本のパン屋さん。何があるのか安心の日本語で聞けるのである。




ということで、ここぞとばかりに「あの、何パンがあるんですか?」と聞いてみる。




すると、



「は?置いてあるのが全部ですけど」との回答。





念の為に言うが、店員さんからの回答である。



「は?」という返答は、私の質問がおかしかったのだろうか?



そして「置いてあるものが全部」のその全部がわからないから質問したのだが。



と、私は彼女の返答を聞いて、一瞬フリーズしてしまった。



たが、彼女は続けて、はぁーとため息をつきながら、



「これが全粒粉のパン、こっちが胡桃、これレーズン・・・」とため息まじりに、そしてめんどくさそうに一応何があるか説明してくれた。



ということで、私の質問は理解していたということである。



そう、ただ単純に無愛想。そして私の相手をしたくないのだろう。



じゃあ、〇〇パンと〇〇パンを・・・」と伝えると、やる気のない感じでパンをポイポイと袋につめ、



「〇〇ユーロ」とお金ちょうだいとばかりに手を出す。



いや、もっと他のパンも注文したいのだが・・・



ここまで来ると、お客は神ではないドイツでも無礼な部類に入る接客対応である。



色々なパンを注文するパン屋で、店員さんから「他には何かある?」とか「注文は以上ですか?」の質問をされなかったことはない。



どうみても、早く帰ってくれとばかりな対応に感じてしまった。





折角、日本のパンを見つけ、私の中で超盛り上がったのに、なんかとっても残念な気持ちになった。




そして帰り道、私の対応が悪かったのか、このモヤモヤする気持ちは何なのか、考えてしまった。



「何パンがあるのか?」という質問は禁止なのだろうか?とか



あの店員さんは日本語を話したくなかったのに、話しかけちゃったから機嫌が悪かったのだろうか・・・・




とかそんなことまで考えてしまった。





ただ、どう考えても、店員さんの対応はフレンドリーではなかったと思う。



でも、「日本人」というだけで、少なからず過剰に店員さんの対応に優しさとか丁寧さを求める自分がいたように思う。



この店員の女性が、ドイツ人とか、外国人だったら・・・私は同じようにモヤモヤしただろうか。




多分「いつにも増して無礼なヤツだったなー」っていうくらいでそれ以上のことは考えない気がする。




私の中にはどうしてもまだ、客という神でいたい私がいるのである。




そんなことに気づいてしまった日であった。




ただ結論として、あのパン屋にはもう行かない。



ということで今日はこの辺で。Ciao









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