高校生が使う勉強系アプリを大人が使ってみたら…
こんにちは。English Hub編集部で唯一X世代の ASです。私が中学・高校生だった平成初期、スマホは世の中に存在しませんでした。
社会の仕組みも人々の暮らしもテクノロジーの力で大きく進化した現代、学生たちの勉強スタイルも、あの頃とは大きく変わっているのでしょう。英語学習メディアの運営に関わる編集者なら、令和の学生たちのTEC活用状況もきちんと把握しておくべきでは?
ということで身近な高校生(=娘)のスマホを覗かせてもらいました。高1生のスマホには、こんなアプリが入っていました。
1. Studyplus
アプリ仕様
「日々の勉強を記録・可視化し、ユーザー同士でシェアして励まし合う」ための機能を提供するという学習管理アプリ「Studyplus」。ユーザーはまず、学習上の達成目標を設定。勉強時間をストップウォッチ機能やタイマー機能で計測すると、自動で記録されます。勉強の後には教材、日付、コメントなどを入力します。
同じ目標に向けてがんばるユーザーと勉強の記録をシェアし合い、コメントや「いいね!」を送り合えるSNS機能も。他のユーザーの学習状況や参考書レビューを閲覧できるので、ひとりで勉強していても同じようにがんばっている友達とつながり、切磋琢磨している感覚を得られるのだとか。
大人が使ってみると?
思い返せば学生時代、切羽詰まって睡眠時間を削って勉強したときも、そのそぶりを見せることなく普段通りを装っていた気がします。周囲も多分同様のスタンスだったので、級友の頑張る姿に触発されるような機会には恵まれませんでした。
そんな世代なので、やはり自分の学習状況をweb上にアップするのは気が引け、控えめに非公開設定でStudyplusを使ってみました。ログインすると、本当にたくさんの学生たちが、自分の細かな学習進捗や各教科に充てた学習時間を公然とシェアしている事実に驚かされます。
今や大学受験生の2人に1人が利用しているというStudyplusの累積ユーザー数は800万人を突破。学生たちの自己学習管理に欠かせないツールとしてのポジションを確立しているようです。利用者が登録する人気教材の一覧にはTOEICや日商簿記、司法試験への対策教材も並び、中高生の受験勉強だけでなく、幅広いユーザーの多様な学習にStudyplusが活用されているのがわかります。
仲間の学ぶ姿に刺激を受けるのはもちろん、自分の学ぶ姿が仲間にも見えているという意識が学習モチベーションを高めてくれる。そんな高校生ユーザーのコメントを聞くにつけ、これまでの自分の学習マインドは無駄に内向的だったと反省しました。
2. 集中
アプリ仕様
学習スタート時に「集中」する時間を決めて、タイマーをON。休憩時間も時間を決めてタイマーで計測。主な機能は、そのほかに過去に取り組んだ集中の記録を「振り返る」のみのシンプル設計。
なかなか机に向かえない重い「腰を上げる」のを助けてくれるコンテンツと集中するための「コツ」を教えてくれるコンテンツも掲載されています。
技術の力ですべてを効率化してくれる高機能ツールの登場を期待しましたが、令和の高校生がお気に入りとして最初に挙げたのがこのアプリ。
機能性・インターフェイスを含め一切無駄のないデザインがむしろ新しい
開発者の「本気で集中を促す」意気込みを感じさせる
というのが好評価の理由のようです。
大人が使ってみると?
なんのペナルティーもないのにタイマーをかけるとなぜか最後の1秒まで一切無駄なくできるだけ早くタスクをこなしたくなる不思議な作用を実感。1分1秒の貴重さがタイマーで可視化された効果でしょうか。
タイマーだけなら前世代的にも目新しくはない機能です。とすると、一見地味な集中時間を「記録」する機能が意外と大切な役割を果たしているのかもしれません。自ら集中した時間を振り返り、がんばった自分を認識し、また「集中」に向かいたくなる心理。
時間いっぱいがんばったら、休憩時間もきちんと計測する仕様も絶妙です。休憩をきちんと取ることが集中力を高める秘訣だと知ってはいても、やっぱり疲労困憊するまで労働を続けてしまう大人は少なくありません。疲れた記憶がトラウマになり、次に始めるのが億劫になるという負のサイクル回避に役立ちそうです。
そのほか娘のスマホ内には、英単語や英語フレーズを科学にもとづく効果的な間隔で反復学習できるアプリも。英語学習系アプリについては、English Hubで取り上げています。
今どきの高校生の学習状況を昔と比較すれば、進化した学習メソッドや学習ツールの恩恵を受けられる環境をうらやみたくなる予感がしていました。実際は、令和の学生たちが学ばなければならない教科が山ほどある中、限られた時間で効率よく学ぼうと苦心する姿に、気付けば昔の自分たちを重ねていました。
いつの時代も変わらぬ学ぶ人たちの姿から、自分なりの工夫をしながら勉強することの楽しさを思い出せたのが今日一番の収穫でした。
(編集部・AS)
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