【MTG】非防衛型重厚デッキの3マナは0/5が限界なのか?

 MTGには「パワーではなくタフネスに等しい点数の戦闘ダメージを割り振る」メカニズム、通称、重厚/Backboneというものが存在する。
 この重厚を用いたデッキでは《神盾の海亀》のようなカードが実質的に1マナ5/5に化ける。

 やろうと思えば2ターン目から実質5/5が殴り始められるので、とても楽しい。
 この重厚デッキを組んでいて悩むのが、3マナのクリーチャーの選出である。
 重厚にするカードの中で最も優秀なカードはパイオニア環境のプールに存在するため、重厚デッキの本場はパイオニア以下の環境だ。
 モダンホライゾンで特に強化が貰えたわけでもなく、レガシー以下で通用するパワーもないので、基本的にはパイオニアで組むことが多い。
 そのパイオニアの主要な軽量除去と言えば、《致命的な一押し》であることは疑いないだろう。

 この《致命的な一押し》、モダン以下とパイオニアでは大きく使い勝手が異なる。というのもパイオニアではフェッチランドが禁止されているため、紛争を達成することが難しく、基本的にカード1枚としての性能は2マナ以下のクリーチャーを破壊できるカードなのだ。そのため、3マナ以上であるということは1つの除去耐性になる。
 先に述べた通り重厚デッキは1マナ0/5のような軽く、高タフネスのカードを出して殴り抜けるデッキなのだが、どうしても軽い分、《致命的な一押し》に弱い。
 そこで3マナの高タフネスのクリーチャーを入れて《致命的な一押し》に除去されにくくしたいのだが、どうにもクリーチャーの質が悪いのである。
 3マナのクリーチャーのタフネスのほとんどは5が限界で、6を超えるものはパワーも相応に高い、デメリットを持ったクリーチャーばかりだ。そのデメリットを呑むとしても、パワーが高いならタフネスで殴る必要もないので、それらのクリーチャーは採用できず、タフネス5で我慢せざるを得ない。
 しかし1マナには0/5や0/4が大量にいるし、何故か2マナにはタフネス6のクリーチャーが存在し、単純に打点としての能力を求めるなら3マナを払う意義はない。打点を優先して2マナのクリーチャーを入れるか、《致命的な一押し》への除去耐性を優先してタフネス5の3マナでで我慢するかの選択を迫られているのだ。
 たかだか1の違い、と言われればそうなのだが、扱う数字の小さいMTGで1の違いは大きいことが多い。現に《致命的な一押し》で除去されるかされないかは大きいし、1マナや2マナで出る打点を3マナで出すのはもったいなさを感じる。マ゛ナ゛がも゛っだい゛な゛い゛!
 3マナで駄目なら、4マナ以上はもっと駄目なのか? と思われる諸兄らもおられようが、4マナには《怒り狂う島嶼、キャリクス》という化け物がいる。

脅威のタフネス17

 伝説というデメリットを持つが、0/17という破格のタフネスを持つ。
 このカードの存在から、3マナの低パワー高タフネスのカードのタフネスは7や8あっても許される気がしているのだが、どうにもそのようなカードは出てこない。不思議なものである。
 また、3マナであってもアドバンテージが稼げるカードならば多少タフネスが低くても採用の目があるのだが、そのようなクリーチャーも何故か2マナに固まっており、悩ましい。もちろん下手に重いよりは、軽いに越したことはないのだが……。
 ともあれ、目下のところ、パイオニアでの重厚デッキの《致命的な一押し》対策はせいぜい《領獣》のような変容クリーチャーが限界であり、そうでない場合は素直に2マナ以下のカードを出してアドバンテージを稼ぐことで除去に対して強くなるしかない。
 できることならプレイ・ブースターになり、低レアリティのカード・パワーの上昇に合わせて3マナの低パワー高タフネスのクリーチャーの質も上昇することを祈っている。

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