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新コロ注射接種数と陽性者数と全死亡者数

訂正(2022/07/23)

2022年3月31日時点の岩手県の接種者数に2022年4月30日までのデータも入れてしまっていたため、図2を修正しました。また、関連する記述も修正しました。

訂正(2022/07/24)

2022/07/21と2022/07/22の追記で示した図に間違いがあり、削除しました。

はじめに

日本国内という均質な集団では明瞭な差が出ることはないだろうとは思いつつも、各都道府県別の新コロ注射接種数、PCR検査陽性者数および全死亡者数(死因に拠らない)に果たして関係性はあるのか、公開データを基に調べてみました。

都道府県別新コロ注射接種数とPCR検査陽性者数の関係

図1は、横軸が10万人あたりの新コロ注射接種数、縦軸がPCR検査陽性者数で、各都道府県別の2022年7月16日現在の数字をプロットしています。オレンジの点が2回まで接種済(3回目未接種)、青の点が3回接種済です。ばらつきはありますが、2回まで接種済では接種率が高いほど陽性者が多く、逆に3回接種済では接種率が高いほど陽性者が少ない傾向が見られます。新コロ注射の新コロ陽性抑制効果は接種から一定期間のうちは確かにあるものの、時間が経つと逆の効果が現れ、陽性になりやすくなる傾向があると言えそうです。2022年7月現在の陽性者増加には2回まで接種済者が陽性になりやすくなっていることが寄与しているように思われます。https://note.com/etangbleu/n/n5d68dc13a006の2022/07/30追記参照)

図1 都道府県別10万人あたりの新コロ注射接種者数と新規PCR検査陽性者数(2022年7月16日時点)

都道府県別新コロ注射接種数と全死亡者数の関係

次に、過去20年間で最大の超過死亡を記録した2022年2-3月期において都道府県別の全死亡者数と新コロ注射接種数に関係があるか、見てみます。図2の横軸は2022年3月31日時点の10万人あたり新コロ注射接種者数、縦軸は2022年2-3月期の10万人あたりの全死亡者数です。マークは図1と同じです。こちらは更にばらつきはありますが、3回接種済では接種率が低いと全死亡者数が少なく、接種率が高いと全死亡者数が多い傾向があり、正の相関が認められます。ただし、全死亡者数が比較的多い秋田、高知、和歌山、山口だけでみると、全体の傾向とは逆の傾向があり、接種率が低いと全死亡者数が多く、接種率が高いと全死亡者数が少なくなっています。全体の傾向とは逆の傾向も複合しているようです。一方、2回まで接種済では3回接種済とは異なり、正の相関(沖縄〜東京〜山口の傾向)から負の相関(沖縄〜滋賀〜秋田の傾向)まで傾向に幅があります。例えれば、全死亡者数が最も少ない沖縄を扇の要として3回接種済では斜め右上に広がる傾向、2回まで接種済みでは扇が真上に広がる傾向です

図2 都道府県別10万人あたりの新コロ注射接種者数(2022年3月31日時点)と2022年2-3月期の全死亡者数

まとめ

比較的均質な集団からなる日本国内においても、都道府県別でみると新コロ注射接種率、陽性者数、死亡数に多少の違いがあり、そこには全体として明らかに傾向がありました。

  • 2022年7月16日時点において接種率と陽性者数の間には、2回まで接種済では正の相関があり、逆に3回接種済では負の相関がある。

  • 2022年3月31日時点において接種率と全死亡者数の間には、2回まで接種済では正〜負の相関が混在するが、3回接種済では正の相関がある。

新コロ注射3回接種率と全死亡者数には全体として正の相関があることから、2022年2-3月期の超過死亡激増に新コロ注射3回接種が大いに寄与していた可能性がここでも示されたと思います。


追記(2022/07/23)

図2に未接種者数も加えて再プロットしてみました(図3)。緑丸が未接種、オレンジ四角が2回まで接種済、青三角が3回接種済です。改めて3つの区分のプロットをみると、沖縄と秋田がちょっと特殊な気がしてきました。別の要因の寄与が他の都道府県より大きいのかもしれません。沖縄と秋田を除くと、2022年3月31日時点において都道府県別の接種率と10万人あたりの全死亡者数の間には、3回目接種済では正の相関、2回まで接種済では負の相関が認められ、未接種では相関無しに見えます。

図3 都道府県別10万人あたりの新コロ注射接種者数および未接種者数(2022年3月31日時点)と2022年2-3月期の全死亡者数

2022年3月31日時点で、沖縄は最も未接種率が高く、かつ最も3回目接種率が低く、そして最も全死亡率が低かった県です。また、未接種、2回まで接種済、3回接種済の人口がほぼ同数であった唯一の県です。一方、同時期の秋田は最も未接種率が低く、かつ最も2回まで接種率が高く、そして最も全死亡率が高かった県です。両県の違いに寄与した要因は何か、興味がありますが、今のところ想像がつきません。

データの出典元


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