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女性は「お父さん」になれるのだろうか

サトゴちゃんが我が家にやってきて、まもなく1年になる。

我が家では夫が在宅でサトゴちゃんの面倒を見ているため、一般家庭でいう「お母さん」の役割を夫がしており、サトゴちゃんはすっかり「パパっこ」になってしまった。

とはいえ、私も子育てをまったくしていないわけではない。お弁当の日はお弁当を作るし、基本的に家にいるときは料理は私が担っている。もちろん掃除も洗濯も皿洗いも、たまには幼稚園や習い事の送り迎えもしている。ただ、週に何日かは都内に出ているため、家にいない時間が長い。頑張って早く帰っても、遠距離通勤なので寝顔を見ることしかできない。

夫になついて「パパ、パパ」とくっついて回るサトゴちゃんを見ると、夫が羨ましくなる。自分も「ママ、ママ」とまとわりつかれたい。幼稚園にサトゴちゃんを迎えに行くと、ほとんどの子どもたちは「ママー!」とお母さんに駆け寄って、嬉しそうにお話ししている。なのに私が迎えに行っても、サトゴちゃんは塩対応だ。「パパじゃないの?」という顔をしている。

サトゴちゃんも、ママが嫌いなわけではない(と思う)。実際、パパがいない時は私と楽しく会話もするし、「ママ、遊ぼう」「サッカーしよう」と遊びにも誘ってくれる。たまに「ママ、大好き」とも言ってくれる。でも、一番じゃない。パパが現れたら、その瞬間全部パパに掻っ攫われてしまうのだ。

こういう話をすると、多くの既婚男性から共感が得られる。そう、こんなことは「お父さん」たちの間では当たり前のことなのだ。どれだけ育児に協力しようとも、主たる育児をママが担う以上、ほとんどの子どもは「ママが一番」なのだ。

では、自分が仕事をスッパリ辞めて育児に専念すればよかったのではないかと思われるかもしれない。もちろん、それも考えた。せっかくかわいい盛りの子どもを育てる機会に恵まれたのだから、仕事より育児を優先して、今しかできないことをするべきなのではないかと。

しかし、いざ仕事を辞めて育児に専念しようと思うと、躊躇してしまう。理由はいろいろあるけれども、一番の理由は「難易度」の問題だ。平たく言うと、私にとって家事・育児をこなすことと外で働いて貨幣を獲得することを天秤にかけたら、圧倒的に後者のほうが楽で簡単なのである。

そして2つ目の理由は、家計への影響だ。これは自分も激しく勘違いしていたのだが、ずっと「お金を稼ぎ続ければいつかはお金の不安から解放されるに違いない」と思っていた。しかし、実際はまったく逆だった。自分が頑張ってお金を稼げば稼ぐほど、仕事を辞めてしまったときの家計に与えるダメージは深刻になるのだ。

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