2023年12月のプロレス感想

サブカルチャーvsサンシャイン・マシーン(RevPro 2023/8/6)

UKタッグの最高峰にいる2チームによる対決。
理の連関がとにかく美しいですね。
シークエンスの連続に際して全く違和感、人工的な臭いを感じさせない。
タッチの権利を重視し、流れ無視でトルネードに動くこともなく、お手本のようなタッグマッチです。
そういう意味で例えるならサブカルチャーvs.ABCに近い部分がありますね。
ただライバリティーという意味ではやや弱いし、フェイス対決なので勝手にブーストがかかる仕組みではない。
地力で好勝負までは持っていったが、名勝負にはなりきらなかったというのが偽らざる本音です。

***3/4

カリム・ブリガンテvsルーク・ジェイコブス(IWA 2023/1/29)

ブリガンテはイタリア出身の選手。
フランシスコ・アキラ等、イタリアは最近熱がある地域なのでどんな選手かと思いましたが…。
まず動きの差が歴然。いくらジェイコブスが素晴らしいレスラーだからといっても
もう少し格差を試合の中に落とし込めるでしょう。
チョップの打ち方も感心しない。全く痛そうに見えません。
そして何よりブリガンテがジェイコブスに勝ってしまうという事実。
ジェイコブスがヒールに徹してくれたおかげで盛り上がりはしましたが
間違ってもThis is Awesomeチャントなんて起こすべきではないし、
もう一度見ようとは思わない試合でした。

**

ジャック・カートウィールvsキッド・バンディット(Hoodslam 2023/7/7)

(配信環境の問題で結構な部分が放送されていません)
今年のカートウィールは良い。
ハイフライヤーである前にカートウィールである、ということの証左を示し続けています。
バンディットもうまく対応できていますね。
個性的なキャラクターが先行しがちですが、きっちりと面白い演武を見せている。
やや過剰な修飾かもしれませんが、異物同士の邂逅という点では
レッドvs.ロウキーに近いポテンシャルはある。
映像トラブルがなかったらもっと評価は高かったと思います。

***

翔太vs中村宗達(ガンバレ 2023/2/25)

中村はガンプロの新人ですが、キャリア1年とは思えない動きをしますね。
技の精度、振り分け、対応全てが新人離れしている。
それは目立つように配置された観葉植物ではなく、戸棚に置かれたインテリアのよう。
わざとらしくなく、プロレスという世界に溶け出る七色の絵の具。
その原石である中村に翔太がレスリングのイロハを叩き込む。
終盤の丸め込み含め、非常に完成度が高い試合でした。
中村はスターボーイ・チャーリー辺りと試合してほしいなあ。

***1/4

コルマック・ハミルトンvsエーグル・ブランvsMBMvsLJクリアリーvsジョー・ランドvsレオン・スレーター(BodyZoi 2023/9/2)

MITB式のラダーマッチです。
若手ハイフライヤーが勢揃いしているとあってとにかくスポットの連打。
それでも力業で面白くしてしまうあたりがヨーロッパ勢の強みでもあります。
特にブラン、ランドの状態が良かったですね。
ブランの俊敏さは頭一つ抜けており、完全にゾーンに入った感。
ランドもCPFのいちメンバーというポジションから脱却している。
そして終盤にはスレーターのバルコニーダイブ。
無茶するなあという感想と共に、彼らが試合を楽しんでいるので
不思議とネガティブな悲壮感は生まれませんでしたね。
この身体の張りっぷりはUSでも中々見られないレベル。

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